チェロの名手デュポール1 デュポールとの出会い | iPhone De Blog

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2009年12月7日からスタート
iPhone3GSからiPhoneユーザのLEONがiPhoneやAndroidなどを中心にしたデジタル系ガジェット、IT関連ネタ、趣味のコントラバスやチェロを中心としたクラシックネタ、2022年から始めた自家焙煎に関する話や日常の話まで幅広く書いてます。

暫くは、チェロ弾き以外はつまらない話が続く

7月最後のレッスンで、今やってる「フォーレ」の「エレジー」が2回目となり技術面だけでなく音楽面含めて佳境に入って来た。

8月の2回のレッスンで
フォーレを終える事にして、次の曲を相談した。

暫くソロ曲は意図的に♭系をやっていた。

これは以前も書いたが、弦楽器は音程が先ず一番。

チェロの場合、人差し指を伸ばして低い方へ広げるBackwardExtentionと人差し指以外の指を高い方へ広げるForwardExtentionの二通りの拡張がある。

拡張した後の形は何れも同じなのだが、3本の指を移動させるよりも人差し指を伸ばすだけの方が簡単でフォームも作りやすく
♭系はどちらかと言えばBackwardを多く使う。

先ず、楽なBackwardを沢山やって拡げる形を作って、♯系のForward、F#やC#などを取るようにすると随分楽に取れる様になる。

アマチュアのチェロ弾きを見てると、長年弾いてる奏者でも拡張が下手な人が多いが、ひとつは初歩の段階で、拡張の練習を難しいForwardで始めるからだろう。

この一番の理由は、ウェルナーに代表される様にメソッドの中で拡張の無いinCの後に出てくる調がinGやinDの#系だからだ。

この点、ドッツアのメソッドでは♭系が先に出て来て、一番最初に出てくる拡張はinFのA線でのB♭だ。

僕は最初にウエルナーをやってみて、途中でこのメソッドのダメさ加減に気がついて、良いメソッドを探し、最初にセバスチャン・リーのメソッドをやってみたが、最終的にドッツアの素晴らしさに気がついてドッツアのメソッドでチェロを覚えた。

ドッツアは113の練習曲ばかりが有名だが、彼のメソッドの中の練習曲の構成も中々素晴らしく2巻になると途中で同じエチュードの調を変えただけと言う使い回しも増えるが特に1巻は全部やるべきだと思う。

ちなみに自分は2巻は8割程度済ませて、たまに指が疲れることをしたい時に開く程度で、その後はサポージニコフを1冊やって、ピアッティもハイポジションの前までやった。

そう言う意味で、曲も♭3個くらいまでのソロ曲を意識的にやっていて、最近はフォーレの「夢の後に」から「エレジー」をやっていたし、オーケストラでやってるブラームスの1番もinCmで♭3個なので、久しぶりに違う調性とニュアンスの曲をやろうと思いサンサーンスの「アレグロアパッショナート」をやることにした。

フォーレにしてもそうだが、もしかすると自分はフランス物好きなのかと思われるかもしれないが必ずしもそうでは無い。

一番の理由は、コントラバスのソロをやっていた頃、華奢なイメージのフランス物を思うように弾けなかった反動が出ている気がする。

コントラバスのソロでフォーレを弾いてるのをたまに聞くが、如何な一流の奏者でも楽器のサイズは変えられない。

コントラバスの様な箱の大きな楽器から溢れる芳醇なサウンドは華奢なフランス物には似つかわしくないと思っていた。

また、チェロで弾いていて感じた事だが、inCmの場合は特にC線があるのは大きい。

コントラバスで弾く場合、ソロ弦を使う為、調性も異なり、4度調弦の為、オクターブ上のCを弾いた時に下のC線の響きが無く響きが異なり、違う音楽に聴こえたのもなんとなくフォーレを遠ざけていた原因かもしれない。

やはり餅は餅屋で、そう言う宿命?から解放された反動と言う事で、フォーレの「シチリアーナ」「夢の後に」「エレジー」を弾いて満足したし、たまたま、フォーレを弾くのに使っていたスズキの8巻のフォーレの前にサン・サーンスがあったからと言うのもある。

話が逸れたが、以前は曲とエチュードを持ってきていて、エチュードはセバスチャン・リーの旋律的練習曲をやっていて、それも終わり、そろそろエチュードも何か新しい物をやりたくて相談してみたところ

「デュポールをやりませんか」と言われた。

チェロを始めて1年半くらいは経ったのでさすがにデュポールと言う名前は知っていたが、一度、楽譜を見た時に難しそうなのは知っていた為

「あれって難しくないですか?」と言うと

「曲の段階もあるから(大丈夫ですよ)」と言われ

「あれをやると重音をやるから手の形がしっかりしますよ」と言われる。

確かに今まで重音はエチュードで少し出てくる程度で、まともにやったことが無い。

「じゃ、それでお願いします。楽譜買っときます」と気軽に言って帰った。

その後、帰って、ネットにあるかも?と思ってダウンロードして楽譜を見てぶっ飛んだ( ̄。 ̄;)


一巻の一曲目からメチャクチャ難しい。



最初から最後まで重音で作ってある様な曲で、さすがにコントラバスではこんな曲は弾いたことが無い。

ボッテジーニなどもどちらかと言えば幅の広いアルペジオや高音は出てくるが、こう言う重音の連続と言うのは、重音の弾きやすいウィーン調弦を前提としたシュペルガーとかでは一部あった気がするがあまり記憶に無い。

いや~知らないって怖い(>_<)

と言うか、チェロの世界の凄さを垣間見た感じだ。


どう考えてもチェロを始めて1年半くらいで抱えるエチュードじゃない気はするが、常々師匠からは「初心者じゃないんですから」とビシビシ鍛えられて、弾けると思って言われてるんだから頑張らないといけないが、
どれを見てもとても弾ける気がしない。

幸い、このくらいになるとナクソスでも音源があるんで聴いてみたが、尚更、弾ける気がしなくなった(^。^;)

何れにしても、人から言われて「はいそうですか」と言われるがままにやるのは自分の性に合わないし、少しデュポールの事を調べることにしたら、これが中々面白かったので、暫く彼(ら)の話を書くことにする。