3Gの後に追加で頼んでいたUltra
中身は選択の余地がなくて、このオレンジ色だが、本当は色々な色がある。
チェリストには非常に柔らかいと思われるらしいが、コントラバスだと、POPSなどと比較して完全にハード系の松脂に入る。
まあ、多色あったとしても使ってると磨りガラスの様になって見えなくなるんだけど
肝心の使用感、コントラバスで使ってみたらやはり相当粉っぽい。
元々、POPSなどの柔らかい松脂が好きなので、ハード系は好みじゃないからか、粉っぽいけどグリップ感がイマイチ物足りないところがあり、これなら、自家製のブレンド松脂の方がまだ仕事をしてくれると言う事でコントラバス用ではお払い箱。
一方、チェロで使ってみた限りでは、かなり好印象。
3Gと比較すると粉っぽさとグリップ感が比例して大きくなっている感じで、3Gの方が音色のクリアさはあるが、低い弦でのグリップ感はUltraの方が大きい。
例えば、メロスのダーク、リーベンツエラー、アンドレア、タルティーニのグリーンと言う松脂を使ってきた経験からすると、これらの松脂よりは明らかに明るいトーンとなる。
ダークな音色=ザラツイた音色が欲しい人には合わないかもしれない。
実際、別なチェロ弾きは「あっけらかんとした音」と言う表現で、あまり好みじゃなかった様だ。
自分の場合、コントラバスでダークな音色を散々聞いてるので、チェロには明るい音色を求める関係で、音色がクリアでグリップがあるタイプが好みなので、このUltraは好きなタイプだ。
ただ、不純物が入ってない関係で、3Gもそうだが、良い状態が続く時間が比較的短い気がする。
それで、塗り過ぎると、今度は弦が滑る様になる。
これはコントラバスのカールソンと言う松脂と同じ現象で、塗れば塗るほどグリップが落ちると言う状態で、こう言う状態となると弓も弦も使い物にならなくなる。
松脂は弓の毛だけでは無く、弦の側にも染みこむ。
特に柔らかい松脂はその傾向が強く、毛だけを綺麗にしても弦へ残っていると同様に滑りやすくなる。
実際、3Gでそう言う状態となって困った僕は、弓の毛をアルコールを使って拭いて綺麗にしてみたが、特にD線が滑る傾向が変わらないので、違う弦を張ってみたところ滑らなくなった為、弦に染みこんでいるのがわかったのだ。
こう言う状態はアンドレアやタルティーニでは見られなかったので、不純物が入ってないデメリットなのかもしれない。
そこで、思い切って、滑っていたD線を取り外して台所用中性洗剤で洗い、お湯で綺麗に流して乾かしてみたら息を吹き返した。
引っ掛かりも元通りとなり、オマケに新品で張った様なクリアな音色と音量へ戻ったのだ。
恐らく、弦に染み込んだ松脂や、手垢などが落ちて元々の響きへ戻ったのだろう。
これは意外な発見で、気を良くして全ての弦を外して洗った所、特に低い弦が大幅に音色と音量が改善されて新品の状態へ戻った。
恐らく、太い弦ほど染みこむ量も多いのだろう。
どうも、弦のトーンが落ちるのは松脂の影響もあるかもしれないと思い、今度から少し弦のトーンが落ちてきたと思ったら外して洗ってみる事にする。