最近、子どもも祭り程度じゃ着いて来なくなり行かなくなったが、僕達の子どもの頃は、かなりの大イベントで、放生会へ連れて行って貰える事は、それなりのステイタスだった。
放生会は簡単に言えば、万物の命に感謝する祭りだが、博多では「ほうじょうや」と言う。
最近、ネット等で放生会の解説を読むと『「なしもかきも放生会」とも言われるように作物の豊穣を祈る祭りでもあります。』と書いてあるのを見る。
確かに漢字で書くと「梨も柿も」となるが、根っからの博多ッ子(正確には、中洲から西は福岡ッ子。この辺を福岡の人間は拘る)としては異論がある。
僕が小さい頃に聞いた話では、祭りへ連れて行けと云う子どもに対して、家事や仕事が忙しかったり家計の都合で、適当に理由を付けて誤魔化す母親が『なしや~?なしや~?」(博多弁で、なし=何で?)としつこく聞く子どもに「しぇからしか(うるさい)!なしもかきも放生会たい!」と言って聞かせていたのが流行ったと聞いた。
確かに「なし」と「かき」と言うのは韻(リズム)が良い。
それに対して、博多弁の「なし?」を掛けるのは「博多にわか」と言う、古典駄洒落の歴史がある博多ならではだと思う。
真実はともかく、僕としてはこの話の方が遥かに面白く人間的だと思っているが如何だろうか。
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