人生の師 その23 | 吹けば飛ぶよな家具屋のおやじ

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4月、輝次先生はやってきた。

財務諸表を見てもらいながら、ざっくばらんに相談した。


国道が拡幅されるまで待てない状況である。

事業撤退も含めて診断してもらいたい。



輝次先生の答えはこれだ。

私は東京でたくさんの会社再建を手掛けてきた。

自己資本の充実作戦。

流動比率のアップ作戦。


などを通じて、国道の拡幅を利用してさらに自己資本を充実させよう。

というものであった。


そして銀行や信用保証協会が安心して資金を貸してくれる

貸借対照表を作る。というものであった。



自己資金充実作戦についてはまず、

お袋が各銀行に数千万円の定期預金を持っているが

認知症でまもなくおろせなくなるので自分の名前がかろうじて

書ける今、使用させてもらおう。

相続すべき弟たちは賛成してくれた。

大変見事な弟たちであった。



おふくろとおやじと各銀行を回ってサインしてもらった。

おやじは分かっていたが、おふくろは何も分からず

ありがとう、ありがとうと言っていた。


申し訳ない思いでいっぱいであった。



さらに輝次先生は個人の土地が会社に貸してあるが

これも自己資金の充実に使用するという

驚くべき考えであった。

この方法は東京ですでにやっていて、合法的なので

税務署からもどこからも文句は来ない。

ただ当社の税理士先生のみ反対するというものであった。

これは輝次先生が説得してくれるという。



いくら立派な貸借対照表を作っても営業段階の

損益計算書で赤字を出していてはならない。

誰かいい先生はいないのかい。と聞かれた。

次回に会っていただきましょう。となった。



この輝次先生が私にとって後半戦の人生の師の一人である。


2年後、

自己資本比率は18%が40%になった。

流動比率は75%で返済能力なし、だったものが230%になった。

もはや信用保証協会も何も言わないだろうが、

用事も今のところない。



述べてきたこと以外にもいろいろなことを指導いただいた。

弟に助けてもらった。

しかも指導料なしである。

お礼に850円の海鮮丼をごちそうしただけである。



この立派な先生は各地で人助けをしているので

お得意さんは増える一方で支店も増えて、とうとう200人規模の

大きな税理士事務所になった。

私の自慢の弟である。

コンパッソ税理士法人という。