さて、高篠氏と名刺交換したが、すぐにはコンサルを
頼まなかった。
数年は店を増築したり改装したり、飛行機を飛ばしたり
結構繁盛していった。
一生懸命努力すれば繁盛した良き時代であった。
今の時代は、努力しても報われことが
難しい時代になった。
経営者であるとともに配達もやり経理もやり
なんでも屋であった。
メーカーへ引き取りに行ったりすると
メーカーの事務員がいい男が来たと
キャーキャー言ったものだ。
嫁入り道具を運んで行けば嫁さんになるその妹が
俳優のだれそれに似ているなど、赤くなって
ほめてくれるなど悪い気はしなかった。
今からは想像もできないが
昔の写真を見れば、お、いい男と
自分でほめてしまうほどであった。
だがとんと女に縁がない毎日であった。
ある日など、OKしないのに
見合いの相手を店に連れてきてしまう
お得意さんもあった。
先方はOKだがつきあって見ないかね。
などといわれ、断るのに大変であった。
少なくとも25歳を過ぎて理想は28歳だなと思っていた。
大恋愛をして結婚するつもりであった。
僕には、土田早苗に似た娘を探すという目標があった。
当時丸い顔のその女優は人気があったものだ。