「 落日」 
〈夢語りシリーズ 第1巻 第1節
  「夢語り」に収録〉
   湯口聖子 箸
   1986(昭和61)年刊
   秋田書店
   ボニータ コミックス
 
こんばんは~照れ
 
今夜の「鎌倉殿」は
いよいよ”比企能員の変“みたいなので~こちらのマンガを記事にしたいと思いますウインク
 
今までも紹介してきた
湯口聖子さん「 夢語りシリーズ」のファーストストーリー
「落日」爆笑

主人公、北条五郎時房くんは、この初登場で既に青年期です。
1175年生まれのはずだから~今の満年齢で、なんと28歳びっくり
(比企能員の変=建仁3年・1203年)
 
意外におじさんじゃんニヤリ
当時の感覚では、既に嫁を娶って子が数人いるはずの年齢では?と思いますがガーン
 
マンガの中では、大学生みたいに、2代将軍・頼家の近習を務めているとはいえ、蹴鞠と酒宴ばかりしている独身青年ですグラサン
 
この五郎くんを、今まで私は、年齢順に追って記事にしています!
 
今まで書いた
夢語りシリーズの記事はこちら↓
(全部で4つあるニヤリ)
 
政子の妹、
足利義兼の妻となった育子のお話
「月のほのほ」↓
(五郎時房、幼年期) 

 

政子の妹、
稲毛重成の妻となった泰子のお話
「青の情歌」↓
(五郎時房・少年期)

 

静御前のお話「昔日」↓
(五郎時房・少年期)

 

奥州合戦のお話「星が降る日」↓
(五郎時房・初陣カブト

 

そして!
青年期に入った五郎が
時連→時房となり、
本格的に父・兄と共に政治に暗躍してのが~
この”比企能員の変“が舞台の
「落日」チュー
 
マンガ「落日」は
時房のこの政変への関わりを、
グリーンハーツ物語として描いています。
 
 
「夢語り」シリーズについて
いろいろ書いた記事はこちら↓ 


以下
完全ネタバレにつき注意
 
 
頼朝の死後、実権を母・政子らに奪われた頼家は、蹴鞠三昧。
今日も愛妾・若狭局と、
(大河ではせつ)
長男・一幡のいる比企館へ出掛けていきます。
 
(↑この辺、三谷大河とは解釈違うねニヤリ
 
比企にまるめこまれ、北条を疎ましく思っている息子を、苦々しく思っている政子に、小四郎義時はある妙案を持ち掛けます。
 
そのひとつが、弟の五郎を比企一族に近づけることでしたえー
 
一方の比企館では。
久しぶりにやってくる「御所さま」頼家を迎えるために着飾る、若狭局のための衣装選びで女たちが騒がしい。
若狭の妹・唯も、新しい袿を選ぶよう、侍女に勧められるのですが。
 
姉と違い、内気な唯は、地味な着物を選ぶ。
そこへ兄の三郎がやってきて。
 
(大河では比企宗朝として登場している)
 
きれいな萌黄色の袿を着るよう、いわれる。
 
「おまえはいつもいつも似合わないって言うけどな。
おれは似合うと思うぞ」
 
大好きな三郎兄上に言われて、唯は
”いつもと違う景色がみられるかもしれない”と
その袿を着て、蹴鞠見物へ出席するのです。
 
驚いたことに。

御所・頼家とともに蹴鞠に興じる人のなかに

唯と同じ

萌黄色の直垂を着ている男性がいました。

 

同じ萌黄色、同じ模様。

(生地が一緒だったってこと?キョロキョロ

 

唯は三郎に、その男性の名を聞きます。

その人の名は

北条五郎時房といいました。

 

これが、ふたりの出会い照れ

 

蹴鞠が終わって酒宴となり、宴もたけなわの頃。

酔って、祖父・時政や、母・政子の愚痴を言い出す頼家。

比企の方々は、そんな頼家をなだめて寝所へ連れて行こうとするのですが。

頼家は聞かず。

妹の唯を呼べ、と言い出します。

 

御所のお呼び出しで、酒の酌をする唯の着ている袿が、時房と同じ色であることに気付いた頼家は

 

「ほ~こう見るとなかなかお似合いだ。比企の末姫と北条の次男坊。

いい組み合わせだな~」

 

と、からかう。

(ただの酔っ払いプンプン

 

恥ずかしくて、泣き出し、駆け出した唯。

 

言いすぎだと、若狭にも怒られ、慌てた御所の横で、五郎は驚いていました。

 

女の子は・・・

あんなふうに泣くんだろうか。

 

しっかり者の姉たちに囲まれて育った五郎は

それまで女の子の涙というのを見たことがなかったのです。

 

唯を追いかけて、浜辺に出た五郎時房。

 

姉・若狭のような、勝気で美人の女性は、おのれの姉・政子のようで苦手だ、と言う時房に、唯は惹かれます。

いつもいつも、姉と比べられてきたから。

 

冗談を言って笑わせてくれて、

笑顔のほうがいい、

萌黄色の袿に涙は似合わない、なんて言ってくれる時房。

 

どんどん時房に惹かれていく唯を、陰でちゃんと三郎が見守っていました。

 

以来、ボーッとしていることが増えた妹のために。

三郎は五郎を比企館へ招き入れます。

 

ちょくちょく館へ来るようになった時房を、唯の次兄・弥四郎は警戒して。

 

(大河では比企時員として登場)

 

「酒宴で見せるぞっとするような冷ややかな目。

あれは北条の目。獲物を狙う目だ。

わたしは時房を信じていません」

 

と、兄・三郎、父・能員に油断しないように忠告する。

それを唯は聞いていて。

聞いたことを時房に話すキョロキョロ

 

人を疑うことを知らない唯に

五郎もまた惹かれていくのですが。

 

表面的には穏やかに季節が移っていくようで、裏では確実に

ふたりの破局が刻々と迫っていました。

 

建仁3年正月。

鶴岡八幡宮の巫女が凶事を予言し、一幡が将軍家の家督を継げないと告げる。

 

さすがの唯も、不安になる中

その隣で時房は、時々遠い目をしている。

 

五郎にはわかっていたのです。

父と兄が、比企を追い詰めるために、じわじわと策を弄していることを。

八幡宮の神託がそのひとつであることを。

それが北条のやり方だということを。

 

比企を見張るよう。

蹴鞠相手として頼家の側を離れぬよう。

見たこと、聞いたことを逐一報告するよう。

 

五郎は役目を負わされているのでしたガーン

 

冷たい北条の血が・・

この体の中にも流れている・・

 

悩む五郎の、報告の数は減っていきました。

 

政子も、時政も

すぐ五郎の変化に気付きます。

 

比企の娘にホレてしまったことを悟るのでした。

 

「敵方の娘に惚れるとはどうしたことだ」

 

「わ わたしは・・

比企と北条が共存できるんじゃ・・」

 

「何をたわけたことを言っているか!

じゃまなものは葬り去る。

今わしらの喉元には刃がつきつけられてるんだ。

おまえは刺殺されたいのか!?」

 

父に怒鳴りつけられて、

北条が比企を滅ぼすことを確信した時房は、唯に言います。

 

「もし・・私が望んだら何もかも捨てられる?」

 

うなずく唯。

ふたりの愛は、困難を前にさらに深まったかのようでした。

 

けれど、そんな五郎の心理は

兄の義時にも筒抜けでガーン

 

緊急の話があると呼び出されたうえ、父の名越館に閉じ込められてしまいますえーん

 

「比企ヶ谷どころか、武蔵国へでも行かれたら困りますよ。

それぐらいはしかねない顔をしていましたからね」

 

義時は言う。

見透かされていることを今さら知っても、五郎にはなにも出来ませんでした。

 

時房が比企館へ現れなくなり、

不審が広がるなか

頼家がふたたび病に倒れ、鎌倉は騒然とします。

 

病状は悪化の一途をたどり、ついには危篤となり、

弟・実朝と、嫡子・一幡との分割相続が、政子によって宣言されました。

 

家督をめぐる争いが鎌倉中でささやかれている、そんな時。

 

比企能員が時政の名越館に

仏事供養で招かれます。

 

危険だと、弥四郎は止め、

せめて武具を整えるように言うのですが。

 

「今そのようなことをしてみろ。

比企に謀反の意思ありと言って回るようではないか!」

 

と能員は、話し合うために名越へ向かいます。

そんな父に、唯は

思い出の品・萌黄色の袿を時房に渡してくれるよう託すのですが。

 

仏事供養のはずの名越館には兵が満ち、時政は鎧姿。

閉じ込められていた五郎は気配を察して脱出しますが、事はもう始まっていました。

 

比企能員は邸門を入ったところ

左右から押さえられ、落命。

軍勢が比企ヶ谷へむかっていました。

 

北条の兵が攻めてくると聞いて。

唯には意味がわかりませんでした。

時房が。

愛する時房の北条が攻めてくる・・

 

参陣を許さない、と言う父をふりきって、五郎は比企館へむかいます。

 

「今いかなければ、俺は一生後悔する!

父上を憎み続けてしまうんだ!!」

 

能員が持ってきた、

唯の萌黄色の袿を手に叫ぶ五郎びっくり

 

監視役の兄・義時の眼をぬすんで

館の奥へ奥へ

五郎は唯を探すために進みます。

 

現れたのは三郎でした。

 

「俺は信じていたんだ・・・

おまえのことを信じていた。

みながなんと言おうと

俺と唯は信じていたのに。

それなのに。

おまえも北条の人間だったのか・・

俺たちを安心させるため

仲間のふりをしていたのか!

そのために唯を・・」

 

「違う!

唯のことだけは誓って違う!」

 

唯を真に愛していることを

時房は三郎に告げるのですが。

 

三郎は時房に刀を向け、

時房はそれに応じ、

 

聞こえてきた時房の声を追って現われた唯の目の前で、

五郎は三郎を斬ってしまうのでした。

 

どうしてこんなことになってしまったの?

時房さまが兄上を

兄上が・・・

 

あの日々はどこへいったの?

 

うそよ。

そうよ、うそなんだ。

 

兄の血がこびりついた

刀を持って近寄ってくる時房に

唯は叫びます。

 

「いやぁああ」

 

悪い夢、

夢なんだ。

 

目を覚ましたら・・きっと。

 

唯は正気を失ってしましました。

もう

自分がどこの誰であったかも

比企の娘であることも覚えていません。

 

わかることは、

おのれが時房を愛していることだけ。

 

そんな唯を、

五郎は守りとおします。

 

残党狩りがすすんでも、

五郎は絶対に唯を渡しませんでした。

 

「それでも連れていくなら

わたしを斬ってください!」

 

父と姉に言い放つ五郎。

 

もし

もしも自分に世を動かす力があったなら

戦のない穏やかな世にするのに。

 

だれも泣くことがないような・・

だれも傷つけあることのないような・・

人を信じられるような・・そんな・・


完!

 


読み方によっては

かなりお気楽な少女漫画ですがニヤリ

 

マンガはこれでいいの!!チュー

 

これぞ少女漫画でウインク

絵も昭和で。

ベタかもしれませんが。

 

歴史の解釈は忘れて

きっとあった

あったかもしれない

騒乱の時代を生きた恋人たちの気配を、感じるべきかと存じますニヤリ

 

これを読んで

五郎くん推しにならずにはいられない~グラサン

 

なので

応援してます、瀬戸康史さんウインク

 

そろそろ

BSで大河ドラマが始まっておりますが。

 

わたくしは夕食を作らねばならんのでえー

 

いつもどおり録画で観て

可能なら明日にでも

いつもどおり記事にしたいと思います。

 

頑張れ!

五郎時房爆笑

 

 

お読みいただき

ありがとうございました。