月のほのほ

〈夢語りシリーズ第2巻  第1節〉

   湯口聖子 箸

   1987年(昭和62年)刊

   秋田書店

   ボニータ コミックス



こんばんは~照れ

ここのところ長文の記事が多かったので、ちょっと中休み。
本日は懐かしのマンガを紹介しますウインク

湯口聖子さんの夢語りシリーズ。
鎌倉時代を描いている少女漫画です。
以前にも記事にしています↓

この記事。

大河ドラマが同時代のせいか、古い記事なのにまだアクセスいただいていて、いまや貴重なマンガなのかしら~とAmazon調べてみたらえー

スゴく高額な古本値段になっていて驚愕びっくり  
同シリーズの5番目↓

 鎌倉幕府滅亡の時代を描いた作品です。

もちろん持ってるよ~ウインク


けど、私はどんなに高額になっても売らんよニヤリ
そんなファンが多いから高額なんだろうな~ニヤリ

にしても。

このシリーズ1巻の初版が昭和61年でしたガーン

いつだよ、それ?って云われちゃうくらい昔だけど。

繰り返し読んでいたので、私の記憶には内容がしっかり埋め込まれています。


けど、このシリーズ。

時系列に収録されていないんですよね~

なので、どの話がどの巻に収録されていたかわからなくなって、いざ読みたい時にメチャ探すガーン

(河村恵理さんの歴史短編マンガと同じです)


主人公は何人か定番の人がいるのですが、たまに違う人が主人公の話が挟まる。

なんとなくの流れはいちおう時系列で、そんなに混乱はしないのですがてへぺろ


せっかくの機会なので、

(鎌倉殿の年照れ)

夢語りシリーズを時系列に振り返ってみようと思います。

(シリーズ4巻までは目次のところに年号記載があるのでチェック楽照れ)



初回の今日は、「月のほのほ」お月様

同タイトルのシリーズ2巻の第1節に収録されています。


シリーズ1巻~4巻、6巻の多くの作品に登場する”北条時房“がまだ5~6才の頃のお話です。

この節の主人公は、時房(五郎↑)の姉の育子↑

遠い未来に武蔵野守にもなる、北条時政の子・五郎時房は、このマンガでは宗時・政子・義時らの同母の弟ということになっています。
(母は伊東氏の娘。五郎を産み落とした後に亡くなっている)

育子は、義時より上か下かは出てこないのですが、宗時と政子よりかは下の、やはり同母の妹ということになっています。
名は伝わっていないので、作者がつけたものだと思います。
(他に政子の同母の妹は何人か出てきます)

時房の母は記録がないので。
異母弟にされることも多いのですが、少なくとも牧の方の腹でないのは確かなようです。


以下、ネタバレだらけニヤリ

時は治承4年(1180年)。
頼朝が伊豆に流されて20年。
姉の政子と頼朝の間には大姫(長女)が育っていて、伊豆の北条にはまだまだ平和な時が流れていました。

弟・五郎の世話を率先してやる優しい姉の育子は、最近、頼朝の家人の伊勢弥九郎の存在が気になっています。
なにかにつけて自分を見ている気がするのです。
弟の世話に手を焼いているとなにかと手伝ってくれる。
育子はどんどん弥九郎に引かれていきます。

ところが都では以仁王の挙兵があり、穏やかだった北条の里にも不穏な空気が流れ始めます。

そんな時に、海を見たことがない五郎が弥九郎に海の話を聞き、海へ行きたい!と騒ぎ立てます。

亡くなった母の里の伊東の海へ、幼い時に行ったことがある育子は、父・時政に伊東へ行きたいと云うのですが、”伊東はダメだ!“とスゴい剣幕キョロキョロ
それを聞いていた兄・三郎宗時は、三浦の海へ行かせることを提案します。
爺や(家人の長老?)の実家が三浦にあったのです。

宗時は五郎と育子に、弥九郎を供につけて三浦へ行かせました。
3人で海へ来られたことを喜ぶ育子。
けれど後にそれは、頼朝の挙兵に備えて北条が三浦と連絡を取るための、偽装の旅だったとわかります。

なにか裏切られたような気分になって弥九郎に冷たくなる育子。

素直になれない育子をよそに、
周囲は戦支度に追われます。

いよいよ挙兵の時。
心配のあまり生きた心地のしない育子。
山木の館に火の手が挙がり、無事に帰った弥九郎を遠目に見ながら、声をかける勇気がもてない育子。

けど、弥九郎は探していた五郎を背負って育子の前に現れ、想いをぶつけます。
ようやく通じ合えたふたり。

けれど、次の戦に備えて避難した伊豆山神社で、北条の女たちは石橋山での敗戦の報を受けとり、
宗時と弥九郎が帰らぬ人となったことを知ります。

涙にくれる育子を慰めようとする五郎。
幼い弟が、妹たちが自分を気遣ってくれていることに気付いた育子は、決心します。
あたたかい人間になろう、と。

優しかった三郎兄上(宗時)、無口だけどいつも見守ってくれた弥九郎。
大好きなふたりが望んだ東国の世がきても、育子はふたりを想い涙します。
二度とふれる事ができないふたりのあたたかさを想い・・・えーん
号泣するところです。

伊勢弥九郎という人は史実上見あたらないので、架空の人物かと思われます。

兄の三郎宗時は、大河では義時になんでも押し付けるポンコツ兄ですが、このマンガでは思慮深く落ち着いていて優しい、けど情熱的な理想家です。
たぶんみんなこのマンガでは宗時ファンになっちゃうチュー

育子はのちに足利義兼に嫁ぐのですが(史実の政子の妹にいます)、この他の話でもたびたび、五郎たち弟妹の優しい姉として登場しています。

そのあたりのお話はまた次の機会にウインク

夢語りシリーズ、ネタバレ集を目指して、次回も頑張りたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。