ドキュメント・KAI70(2)旅がはじまる | ランニングのれんしゅう大好き!になりたい49歳

ランニングのれんしゅう大好き!になりたい49歳

すぐサボるすぐ弱音のヨワヨワ平民ランナー

いつか本物の練習大好きになれる日を夢見て頑張ります


おはようございます!れんしゅう大好き!ですおねがい


ゴールデンウイーク最終日、あいにくの雨ですねあめ

走りに行く人もいるのかな。気をつけて行って来てくださいグリーンハート



KAI70参戦記録の続きですお願い

(全5回ありますアセアセ




 

前回まで:

ドキュメント・KAI70(1)異界への扉編

 

 

 

 

ダンジョンライクホテル

 

ツアーとして用意されたホテル、その名も富士山リゾートホテル。



インド系のホテル従業員がチェックイン手続きをする。ほどなくして中華系の団体客が賑やかに入館。ここはまるで海外だ。



 

割り当てられた部屋に窓は無く、テレビも小さい。部屋数が多く、作りがまるでダンジョンのようだ。ポートピア連続殺人事件の地下ダンジョンのような。最近の例えなら8番出口のような。

 

 


部屋に荷物を置いてすぐにスーパーにむかう。

明日のレース用の水と食料の調達だ。



同じことを考えたであろう、スーパーのビニル袋を下げた日本人客とすれ違った。おそらくKAIの選手だ。服装や体型でなんとなく判断できる。私もそのようにみられているのだろうか。

 

 


スーパーに入ってたサーティワンで



6時に大浴場にむかう。この時間で入浴する者はさすがに誰もおらず、貸し切り状態。


食堂では、けたたましささえ感じる楽し気な外国人観光客たちと、明日のレースを控えているであろう暗い顔つきのKAIの選手(とおもわれる)客たち。その2種類の人間が同じ食堂にいた。まったくもって対照的だった。笑えるほどに。



 

明日、レースなんだ。そう思うとご飯が喉を通らない。否が応でも気持ちがはりつめていく。

とにかく栄養を身体に詰め込むことに集中した。緊張で味のしない食事だった。

 

 


眠れない

9時早々にベッドに入る。


入眠用に瞑想用のYoutube動画をかける。興奮しているのが自分でわかる。呼吸に集中して何も考えないように心掛けるが、眠れない。うとうとしても1時間もすると目が覚める。


 

寝たり起きたりを繰り返しているうちに朝をむかえた。Garminのボディバッテリーを確認するとなんとか60。まあ良いか。トレーニングステータスをみるとピーキング。まじか。素直に喜べない。

 



 

7時に朝食。KAI選手(と思われる客)たちには、既にレースウエアに着替えている人がいた。


テーピングをガッチリしている人、腕に黒マーカーで標高図を書いている人もいた。そして私のようにまだ準備をしていない人もいた。

 

 

 

レース当日(スタート)2025.04.26

 

 

 

バスは満席、チームTAXIの結成

 

大会運営が用意した巡回バスは30分に1本。ホテルのチェックアウトにあわせて10時台最初のバスに乗車しようと考えた。


同じことを考えるKAI選手客は何人もいて、軽い行列が出来ていた。



しかし、河口湖駅からくる巡回バスは満車でホテルに宿泊した選手は一人も乗ることができない。当日に移動してくる選手の動きを考えたら無理もないだろう。しばらく満席状態が続くかもしれない。なぜこの状況を予測できなかったのかと軽く後悔。

 

 

私の後ろに並んでいた女性となんとなく会話がはじまる。

 

女性ニコニコこれより1本前のバスはギリ乗れたみたいです。もっと早く出ればよかった!

 

女性はキヨッピーさんといい、大阪からひとりで来たという。KAIは来年挑戦する100マイルの為の前哨戦で、かなり速いタイムを目指しているようだった。

 



30分後に来たバスも予想通り満席だった。誰一人バスに乗ることが出来なかった。

にわかに焦り始める選手たち。

 


しばらく待ち続けることになるだろうと判断し、ホテルの受付で近隣のタクシー会社リストをもらう。上から順番に電話をかけ繋がったところに迎車依頼をした。30分もすれば来るという。

 

 

キヨッピーさんに「ワリカンでタクシーに乗りますか?」と聞くと乗るという。オーケー、これはいける。さらに前後に並んでいたソロと思われる選手に声をかけて交渉、チームTAXIを結成した。



旅はもう始まっているのだ。

 

 

タクシーは思ったよりも早く迎えにきてくれた。

 

車内でメンバーに少しだけ話を聞く。


昨年100マイルに挑戦したがダメで、今年はKAIを目指したという人。

脚を怪我しているので完走を目指しているという人。

みな今年がKAI初挑戦のようだった。

 

 

雑談で盛り上がり、気持ちもほぐれてきたところで100マイルの選手が走っているのが見えた。瞬間、一同静まる。




彼らは夜通し走り続けているのだ。

闘っている人の姿に自分たちを重ね息をのんだ。

 

 


チームTAXI





 

いよいよスタートへ。興奮と寒さで震える


会場に到着し、チームTAXIは解散。ひとりでソワソワしているとゴールエリアに100マイルのトップ選手が入ってくるというアナウンスが聞こえた。これは見届けねばとゴール近くを陣取り待機する。ほどなく現れた選手に思わず歓声をあげる。19時間を切った100マイル選手、すごすぎる。

 





次は、私の番なんだ…!

 



 

日焼け止めを念入りに塗り、荷物を預ける。

 

寒さを感じる気温。ウエア選択に悩むところだ。ロングパンツ持ってくればよかった。走り始めたら暑くなるのに?震えがではじめる。やばい。レインウエアを羽織る。

トイレも近くなり、短い時間の間に3回いく。

 



風もあって寒い




 

ボディバッテリーは38まで低下していた。

 


やばいやばいやばい…





緊張しすぎてストレスがかかりすぎているのか。

 

 


 

スタート時刻が近づく。

 



いよいよだ…。

 

 

空気が冷たい。ふいに富士山の山頂が顔を見せてくれた。






その瞬間、会場がどよめいた気がした。



幸先がいいぜ、ありがとう!

 

 


今まさに夢の舞台に立ってるんだと思うと嬉しさと感激が身体をつつむのを感じる。

そうか、この震えは寒さによるものじゃない。武者震いだったんだ!やってやる!

 

 


3,2,1・・・・

 

 

ゴー!

 

 



テーマ曲「Out of This World 〜遥かなる旅〜」の生演奏が聴こえる。Youtube動画で何度も聴いた曲。




これから始まるロングジャーニーに胸が高まり涙がにじんだ。

 



ゆっくり動き出す。ここに無事戻ってくるからね。

 



スタートエリアの沿道にいる人たちに手を振り走り始める。

 



そう、始まってしまったのだ!

 

 

 

 

 

 

 

 



おまけ:グラウンドにウルトラランナーみゃこさんの姿が!機を見計らって写真を撮ってもらった。(イラスト化されたみゃこさん、似てない!)