リビアのカダフィ大佐は、


反政府の動きを弾圧するために、

空軍機による爆撃までしているというニュースです。


反政府運動を行っているとはいえ、

国民に対してそこまでの攻撃を行うと、


(おそらく、今の地位を終われる日も遠くはないと思われますが)

そのときには、かなり悲惨な状況がありうると

思われます。


イラクのサダム・フセインは、米国の関与で

身柄を確保されましたため、

裁判という形になりましたが。


民衆の憎しみを集めたカダフィ氏に、

そのような抑制の効いた

対応がなされるのでしょうか?


チャウシェスクのような末路が予想され、

なんともやりきれないものを感じます。



我々から身近な韓国ですら、

戦後の大統領経験者が

暗殺、投獄などの例がいくつもあります。


エジプトのムバラク氏には、ゴルバチョフのように

賢く身を処して欲しいと思います。



「リビア東部を反政府勢力が制圧」


このニュースは、戌渡にとって、びっくりです。


なぜか?

リビアは、カダフィ大佐が、強権政治を行っており、


野党はいても、国軍に対抗できるほどの

武装した反対勢力がリビア国内にいたとは思えません。


なんといっても、リビア自体が、

テロ組織の支援や、テロリストの養成を

行う国ですから、


自国内での本格的な暴動や戦闘を起こせるような組織の存在を

ゆるすような体制ではないはず。


つまり、反政府の動きとはいえ、組織化されていない市民のはず。。。

と思っていました。


しかも、市民が入手できるのは、せいぜい自動小銃程度の小火器で、

空軍や、戦車に立ち向かうのは、

基本的に不可能なはずです。



。。。ということは、


反政府勢力を支援する国外の勢力が

武器弾薬を供給しているのか?


。。。仮に、あるとすれば米国など西欧以外に考えられないのですが、

米国による宮殿の爆撃以来、

比較的おとなしくしている カダフィ リビアに

積極的に反体制の動きを支えるインセンティブがない。


そして、米国以外では、その役割を実行できない。

つまり、海外に支えられた反政府の動きとは考えにくい。


そうすると。。。


少なくとも、国軍の一部が、反政府側に付いたのでは

ないでしょうか。


軍隊は、通常外国からの侵略・脅威に対抗するために

存在します。それが、自国民に銃を向けるのは、

兵士にとって自己の存在意義を問う、厳しい選択を迫られます。


せいぜい小火器で武装している程度の

市民に空爆を行っているというニュースも、


さらに、空軍パイロットが亡命という話も出てきました。


軍が、カダフィー体制に求心力を見出せないとすると、


リビアの国軍が、


カダフィ派と、反政府派に分裂

内戦というシナリオ


あるいは、


軍の上層部が、反体制派に付き、

というか、反体制派の中核を形成?

この場合はクーデターになる!!



いずれにせよ、エジプトに続いて、リビアでも

国軍が体制を見放すとなると、


MENAでの「民主化」の動きは

さらに勢いが付くことになりそうです。



日本に直接は輸入されていませんが、


リビアの原油は、量はエジプトよりも多く、

天然ガスの産出も多く、重要な位置を占めます。



仮に、内戦、クーデターとなった場合には、

エジプトの場合よりも強硬な姿勢ですので、

政権崩壊も緊張感の多い、混乱を巻き起こす可能性の高い

形になると予想できます。


おそらく、これは、世界の原油の需給懸念や価格にまで、

大きな影響をもたらすと考えられます。


短期的な状況であればよいのですが、

最悪のシナリオは、混乱の長期化により、

原油の供給が中東北アMENA地域で減少し、

オイルショック的なインパクトを与えるリスクが出てきました。

世界的に景気回復が弱い中での

インフレ=スタグフレーションが

始まるのかもしれません。


これからの経済に要注意です。

昨日、新しいGDPギャップの試算が内閣府から発表されました。


それによると、2011年10-12月は GDPギャップが-4% 程度の水準で若干広がりました。



つまり、現在の(実際の)GDPは


潜在GDPと比べて 


        4%ほど不足している(需要不足)


と言うことです。


そのためデフレ傾向が続いているのです。


ハイパーインフレが好きな狼少年さん、

これじゃ、インフレにすらなりません。(笑)



戌渡が繰り返し、財政支出を増加しよう。

そうすれば、景気もよくなるし、失業も減る。


景気がよくなって、失業が減れば、

企業も、収入ゼロからプラスになって労働者も

税金を払えるようになる。


だから税収も増えて、財政赤字はかえって減る。


つまり、財政支出を増やす方が、赤字もは減るし

デフレから脱却できる


と、繰り返し、主張している背景です。



それでは、GDPギャップの、マイナスが解消し、

プラスになるとなぜ、インフレになりやすいのでしょうか?



それは。。。


GDPギャップ = 実際のGDP - 潜在GDP 


これがプラスになるのですから。


国内の 

    生産設備は通常の稼働を超えて、

    失業も自然失業率を下回り

    普通の労働者が、残業が増える


そんな状態になります。


そうなると、どうでしょう。


企業は残業が増えると、残業手当てを出します。

少しぐらいなら、みんな喜んで残業するかもしれませんが、

続くと残業できない人も出てきます。

そうすると、臨時職員や、契約社員などを雇うようになります。


設備も通常以上に稼動させると、メンテナンスなどのコストがかさみます。


生産コストが上昇するのです。


場合によると、


増産したくても、設備が、部品が。。。と増産できない。

  → 品薄になり、価格が上昇。。。。


    今の日本では、そんなこと起こらない、と思うかもしれませんが、

    実際には、昨年の末のエコポイント騒ぎを覚えていますか?

    9月よりも11月のほうが、薄型テレビは1割以上価格が上昇しました。


あれは、エコポイントという、特殊な事情ですが、

今の日本でも、みんなが我慢して、ずっと買い替えをしなかったものが 

いろいろあります。


しかも、中国の人件費が年率15%-20%で上昇しています。

日本の価格低下をの大きな要因。

中国の低価格品は、これから高機能・中価格に移行します。


そして、景気がよくなれば。。。

「あるいは、インフレが始まったぞ。。。。!」


ということになれば、


いつのまにか、するするっと価格上昇のトレンドが始まるということに、


別に、何の不思議もありません。


***



そうはいっても、急激な価格上昇はまだかなり先。。

というか、まだそのようなものが起こるかどうかは、

分かりません。


少なくとも4ー5年間はないと思っていてよいでしょう。


それは、バブル経済が崩壊後に、

93年前後からGDPギャップがマイナスの状況が始まったのに、

インフレ率は低水準ながらプラスを続け、

99年までデフレにはなりませんでした。


これは、企業も、消費者も、物価がマイナスになると、

まったく考えてもいなかったからです。


別の言い方をすれば、「期待インフレがプラス」あるいは

「インフレ心理があった」からです。


その逆で、インフレの要因が出そろっても、

企業も、消費者も、そう簡単には


   「景気がよくなった」 

       とか

   物価がどんどん上昇する、


とは思わないはずです。



つまり、「期待インフレ」は当面ほとんどゼロか、1%以下と低水準のはずです。


このため、景気の回復、GDPギャップのマイナス解消してから、

インフレ率が2%や3%まで、本格的に上昇するまでには、

かなりのタイムラグがあるでしょう。


まして、インフレ率が100%とか、200%には   


簡単にはなりません。(絶対にと言いたいけど(笑))

その意味でも、

ハイパーインフレの前に、インフレがなくては、おかしいのです。




インフレ、ハイパーインフレの話 続く。


ハイパーインフレが起こるには、


「大阪と名古屋が独立内戦状態」


になる必要がある。。。


などと脱線しました。(笑)



ハイパーインフレはある日突然始まるわけはありません。

その前にインフレがあります。






そして、インフレになるには、

生産能力を越える需要がなくてはいけないのですが、

(ただし、スタグフレーション状態を除く)


しかし、個別の商品は、一部の産業で物が不足することは想像できても、

経済全体で不足するとはどういう状態なのか

デフレが10年以上続いた日本で生活していると、

なかなかピンとこないと思います。


中国やインドにいると

ヒシヒシと感じるはずなのですが。




その話しは別の機会に譲るとして、

経済全体の需給のバランスが

全体としての物やサービスの価格=物価に

影響すると言うのは、直感的にもわかりやすいと思います。



そして、それを示す指標:


GDPギャップ


について考えてみましょう。



GDPギャップとは


GDPギャップ = 実際のGDP - 潜在GDP


です。




つまり、現在の(実際の)GDPが、

インフレが起こらない程度にちょうど良く

生産能力(=設備や労働力)が活用されている状態のGDP

(=潜在GDP)と比べてどうなのか

を示すのが、GDPギャップと言うわけです。



これがマイナスだと、デフレになりやすくて

こればプラスだとインフレになりやすいのです。


そこで、日本の現状を見てみましょう。

2011年2月21日(今日)発表したての

「今週の指標」からのコピーです。



戌渡根児の経済 ワンワン ポイント-GDPギャップ12月


1995年からほとんどずーっとマイナスが続いています。

この15年間景気の低迷が続いた背景がよくわかります。


ちょっとだけプラスに顔を出したのが、

1997年と2006-2007年


1997年は、バブル崩壊から抜け出して、景気の回復が始まったと

みんな大喜びしたのですが、


それまで、財政支出を増やして、一生懸命に景気の下支えをしてきたのを。。。

財政赤字を減らそうと、当時の橋本内閣が急に緊縮財政に舵を切りました。


97年以降急速に落ち込むのが分かります。

99年前後はITバブルなどと言われていたのに。。。


するとGDPギャップのプラスは一瞬で消えて

インフレ率も改めて低下し、99年から本格的なデフレ状況に入りました。


つまり、橋本内閣の 財政再建=財政赤字の削減策が

「失われた7年」を 「失われた20年」 に延長してしまったのです。



蛇足ですが、日銀による90年代前半バブル期の金利引き締め継続の失敗は、

日銀自身の研究発表により、世界中の中央銀行で教訓として生かされています。

2008年のリーマンショック後に各国がゼロ金利政策をとり、

ここまでの立ち直りが早かったのは、これが重要な要因です。

過去の失敗にもかかわらず戌渡が日銀を信頼しているのは

これが大きな理由の一つです。


しかし、景気低迷が続く中での財政再建=財政支出の削減による、

景気悪化と財政赤字の長期化、スパイラルについては、

いまだに財務省も、財務省出身者(藤井氏、与謝野氏など)も反省していません。

中央省庁というものは、財務省のような広範な影響力を持つ役所ですら、

自らの狭い領域のみでしか考えられない人間を育ててしまうのでしょうか。



さらに、2006年後半には、日本企業もデフレの影響から抜け出せる体力をつけ、

GDPギャップも水面から上昇して。。。


「さあ、これから」  と言うときに


2007年からのサブプライム問題、

そして、2008年のリーマンショックが起こり


改めて金融危機、デフレ、不況に陥りました。

経済政策は混乱し、メディアが伝えるニュースも後ろ向きのものばかり。


それでも、現在の2011年初めの日本経済は

極度に混迷する政治と、悪いニュースばかりの中でも、

じりじりと這い上がりつつあります。


これは、日本企業が、厳しい経済環境、ひどすぎる政治環境の中でも

体力をつけ、デフレ経済化でも生き延びられる能力を身につけたことを意味します。




だいぶ話が大回りしました。。。


GDPギャップがプラスになると、

デフレが終わり、小幅のインフレが始まる

前提条件が整うのです。


現在はまだマイナスですが、経済の活動状況からすると、

今年は小幅のプラスに転ずる可能性もあると思います。


インフレ、ハイパーインフレの話 続く。

前回、過去30年間にハイパーインフレが起きた国を一覧にして見ました。


そうしたら、明らかに、大部分はクーデターや、内戦で

国の生産設備や、経済が破壊された国、あるいは、

急に社会体制が変わり、経済機能が一時的に停止してしまった。


そういう国がほとんどでした。


日本でクーデターが起こるでしょうか?


まず起こらないでしょうね。


独立を目指して内戦?

たしかに、大阪と名古屋が独立を宣言するかもしれませんが。。。


  大阪と名古屋が独立を宣言!


  それに呼応する九州四国連合。

  既得権益日本を代表する東京・関東が自衛隊に鎮圧出動を要請!


  すると岐阜県は、日本の未来を左右するのは「関が原だ!」と

  上杉・武田勢とともに大阪名古屋連合につく。。。


  「それ、ゼッタイにない。」


戌渡が(本当は大好きな)おバカ話であそぶのはこれくらいにして。。。

(すいません付録も冗談です。(笑))


それでは普通のインフレがどのようにして起きるか、

そして、それがハイパーインフレにどのように移行するか

見てみましょう。



まず、インフレは物価上昇です。

あたり前すぎますね。(笑)


しかし、一つの製品の値段が上がるのは、なんとなく分かります。

例えば、原油の価格が上がる、レアアースが不足する

すると、高くても良いから欲しいと言う人が現れ、

値段が上がります。


しかし、その結果、景気が冷え込んだら

かって、他の物の価格は下がるかもしれません。


インフレは、経済全体の、いろいろなものの値段が

上がる(下がる物よりも上がる物の方が多い)現象ですから

もう少し大きな視野で捉える必要があります。


物の値段を上げようとしても上げられないのは。。。


「他の国から安いものが輸入されるからインフレにはならない?」

  → それなら、他の国はインフレなのに、

     なぜ日本だけインフレにならないのでしょうか?


「日本は少子高齢で、経済の活力が無いから成長しない」

  → 日本と同水準の少子高齢化のイタリアやドイツのGDPは成長してきました。


「日本は国債の残高がGDPを越えたから、成長できない」

  → それは、20年前ははるかに少なかったですよ  

     景気回復しなかったから国債残高が増えたのです。

     国債残高は原因ではなく、結果なのです。



不思議ですよね。

メディアで繰り返される説明では、答えになっていないのです。



それでは答えは、どこにあるのでしょうか?


 GDPギャップ 


にあります。



。。。脱線して、ちょっと長くなってしまったので、

続きはまた次回(おそらく明日には。。)

GDPギャップは推計方法などで違いがありますが、

内閣府の今週の指標で定期的に発表されています。

そちらをご参考に。


内閣府のここを参照