日本のGDPが中国に抜かれて第3位になったと、

さんざんニュースになりました。


ところで、このあともどんどん抜かれて

第4位、第5位になるのでしょうか?


ちょっと調べて見ました。

IMFの統計WEOによると、GDPの2010年推計値(2010年 10月発表)は、

以下のようになっています。GDPは米ドル建て金額(10億ドル単位)

米国  14,624.18

中国   5,745.13

日本   5,390.90

ドイツ   3,305.90

フランス 2,555.44

英国   2,258.57

3位の日本は、4位のドイツとは、まだだいぶ差がありますね。


。。。というか、ドイツや、フランスは、70年代の 欧州病と呼ばれた景気低迷の時代に

日本に追い抜かれて、差を広げられ、

その後日本の失われた20年に差を縮めました。


しかし、あとで説明する理由で、ドイツや、フランスに抜き返されることは無いでしょう。


とりあえず、今日のブログのタイトル


「日本のGDPランク さらに転落?」


は、当面ありません。



ところで、GDPで中国がいつ米国を追い抜くか。

中国は、輸出大国から、消費大国に変化しつつあるので、

勢いは鈍りながらも、日本の70年代80年代のような成長が続くでしょう。


中国に大きなショックが無ければ、10-15年程度でしょか。

逆に米国経済が、ワーストシナリオで日本のような失われた10年になれば、

もっと短くなるかもしれません。




そして、中国GDPが、なぜ2位になったかといえば、


GDP = 人口  X  一人当たりGDP   ですから、

人口が多いことが一番の要因です。

そして成長率が高かったのがもう一つの要因ですが、

一定以上経済水準が上がると、爆発的な成長から、緩やかなものに代わります。

今後、世界の新興国の経済水準が上昇しつつ、

そしておそらく世界的に均質化すると、


GDPのランキングは、人口のランキングにどんどん近づいていくはずです。



そうなると、順位は中国、インド、米国、インドネシア、ブラジル、パキスタン。。。

日本は堂々の10位前後!(笑)


つまり、日本が第3位から第4位に転落するときは、

抜かれるのはインドが最有力です。


ですが、その日が来るのは、何十年後(?)になるのでしょうか。(笑)


最初にひと言。。。。


戌渡としては、カダフィが嫌いとか、そういうわけではないのですが、


情勢の進行があまりに。。。

歴史の教訓に見えてしまうので、

ついついブログに書きたくなってしまいます。


今回の反政府運動の動きが始まったのが

「チュニジア」です。


そこには、有名な 海洋通商王国 「カルタゴ」 がありました。

貿易で栄えた国ですが、その経済力を恐れたローマ帝国と

数度にわたって、戦い、最後は滅ぼされました。


カルタゴの市民は、金もうけには興味はあったが、

軍事・防衛は金を払って傭兵に依存していました。


滅亡の直前、ローマ軍が、街に迫ってきた際に、

傭兵達は、多額の金を要求し、それでも

街を守らずに、(自分たちの命を守るために逃げたと言います。)



カダフィが、自国の軍隊に裏切られている状況は、

クーデターと言ってもいいかもしれません。

国連大使の発言は、そのような状況を示唆します。


傭兵は、金のために戦います。

市民のため、国のため、正義のために戦うと言う

価値観を持っている人間と、


お金のために戦う傭兵と、


今後の展開は、まだ予断を許しませんが、

刻一刻と、体制崩壊に向かっているように思われます。



****


カルタゴの滅亡は、一時日本との類似を指摘され、

いろいろな人が研究をしていました。


日本の国のあり方、

国防に対する関心の低さ、

国際社会への関与の意識の低さ、



ローマは有名な市民の直接政治の国。

さらに制圧した他国との関係をオープンな(国際的な?)

同盟的な関係を作る、ある意味戦後の米国に似た

役割を果たしていたように思います。


だからこそ、1500年もの間、存続できたのかもしれません。


(。。。先日 チャウシェスクの話を書きましたが、

あの国は 「ルーマニア」 英語で書くと Romania

ローマ帝国。。。そのものです!(笑))



。。。戌渡は、実は理科系なので、現代以外は、世界史は苦手で。。。(笑)

もし間違ってたら、コメントよろしく御願いします。

これは戌渡の勝手観測です。


あくまで、普通のメディアから取れる情報で、

推測しているだけです。



。。。しかし、


2日前に、 「リビア内戦」 と書きましたが、

ようやく、いまごろになって、メディアから


反政府側に、「軍から武器が渡たされている」

とか、

「内戦状態」

という表現が見られるようになってきました。


やっぱりそうか。


戌渡は、「戦場カメラマン」 ではありません。

しかし、常識を駆使すれば、東京でもつかめる情勢があります。


単に、過去の歴史に基づいて、少しだけ丁寧に見ると、

結論はそれしかないのです。




そして、今ありえるのは、


カダフィが、「亡命先を一生懸命探している」のではないかということ。


その受け入れ先は。。。


これだけ市民を犠牲にしてしまったので、

どのアラブ諸国にとっても、今燃え盛る「反政府」の動きに

油を注ぐことになる。

アラブ諸国は無理です。


「普通の」欧米諸国は基本的にカダフィを受け入れても

何の得にもならない。

逆に、原油資源を持つリビアの次期政権に

反感を持たれかねない。

普通の欧米諸国も無理でしょう。


そうすると、直接的に利害はなく、

原油を中東から輸入していない、

宗教的にも問題がなく、

あるいは十分に小さな目立たない国。。。。


南米の小国に、XX億ドルの資産を持参して潜む。





あるいは、びっくりするかもしれないですが。。。

かなり有望なのは


アメリカ合衆国


最後の手段。  名前を消して、生きる。

過去の行為などの情報を全てCIAなどに提供。

イスラム圏の表面では分からない動きを

米国のために提供することを見返りに、


ニューヨークか、西海岸の大都市の高級アパートの一室で、

24時間警備と身の安全を保障して。。。


しかし、時間はあるのか? 間に合うか?


民衆がカダフィ捕らえて、反逆罪で公開裁判になると。。

カダフィに残された時間は、あまりないのでは?

戌渡は心配しています。



中東アラブ諸国を含め、


各国で「民主化」の動きで、混乱が起きています。

メディアを通じての情報しかないので、

事態の変化がつかみにくいのではありますが、


これまで独裁・強権政治におびえて暮らしてきた人たちが、


自分達の力で

「事態を変えることができる!」


と希望を持って、行動を起こしています。

宗教や、主義、民族は異なっても、


   明日の生活を良くしたい。

   子供を幸せにしてやりたい。


という思いは、人間共通のはずです。



戌渡が繰返すように、

基本的にこれらの民衆は、

強権政治の元で、

貧しい暮らしを強いられてきたのが、


事態打開の可能性を見て、

命を懸けて立ち上がったのです。


しかし、世の中は甘くはありません。

。。。というか、


残念ながら、民主主義というものは、

多くの妥協を持って、成り立つものです。


「既存政権の打倒」


短期的には結集しても、


新しい政治・行政などの体制を作るのは

そう簡単ではありません。


打倒の目的を果たしたあとに、

成立する政権が、


民主的な政権になるとは限りません。



日本の幕末は、偶然のおかげか、非常にラッキーな

推移ではありましたが、


「尊皇攘夷」


だったはずが。。。いつの間にか


「開国」

「富国強兵」


と、思想・理念は右往左往し、偶然のラッキーが少しそれれば、

何十年も混乱が続くリスクもありました。



1979年にイランでパーレビ国王を追放した革命

イスラム原理主義の宗教指導体制になり、

国民は、王政から開放されたものの、

民主主義とは程遠い体制で

革命後わずか30年で

新たな体制を求めて、反政府デモが起きています。


1991年のクーデターに続く共産主義ソビエト連邦の

崩壊後、資本主義・民主主義に転換したはずのロシアは、


エリツィン大統領の経済・政策運営の失敗で

ハイパーインフレなどで国民が疲弊し、

一方で、急速に富を蓄えた一部の財閥などへの反発で、

旧KGB出身のプーチンによる政権に移行し、

超法規で国が主要産業をコントロールするかのような

体制が構築されています。



このように、既存の体制が、国民の支持を失い、

「体制崩壊」「政権交代」が起きても、


体制を倒す際に力があった人間や、組織が、


国民のためになる新しい体制、政権を、作る可能性は、

必ずしも高くはないのです。


ちょうど、大人気で政権交代を果たした民主党が、

自民党以上に、日本経済、国民の生活を痛めつけているようなもの。


日本は、それでも、総選挙があれば、国民の意思を表現可能です。


しかし、エジプトやリビアで、仮に79年のイランのように、

革命の結果として宗教色の強い政権が

誕生すれば、それは国民の求めるものとは

程遠い結果しか得られない、という可能性もあり得ます。


。。。。中東地域では、イスラム教の影響、米国への感情的反発から

そのリスクが高い。。。。


そして、あれほど疲弊したシャウシェスク経済下で

あったにもかかわらず、革命後のルーマニアでは、

「シャウシェスク時代の方が まだ生活が楽だった」 と

いう市民の声が過半数だったという話もあります。


****

戌渡は何を言いたいのか。


米国オバマ大統領は、

エジプトの反政府デモに対して、

拙速な政権移譲を即すという

リスクを犯しました。


そして、中東北アの「民主化」に十分な支援をしているとは思えません。


国連も現段階では、まだ民衆をサポートするような

方向性を出せていません。


中東地域において、弱腰外交ながら、

過去に必ずしも敵対的な状況に関与していないからこそ

日本が地域の安定化のために出来ることが

あるはずです。


それは、食料や、混乱で住居を失った人たち、

医療・医薬品の支援を通じて、


さらには、民主的プロセスの導入を支援することで、


国際社会(の一員としての日本)が、各国国民の幸せを

願っているという、メッセージを届けることだと思うのです。


そのような安心感が、急進的な、あるいは極端な政策に

走る政権ではなく、国民を長期の視点で守る

政治体制が生まれるのではないかと考えます。


戌渡は、このような諸国の状況を見ると、

現在の日本に暮らしていることに感謝したい気持ちになります。



あの地域に暮らす人たちのために、

小さなことでもいい、何が出来るか、考えてみませんか?


チュニジア、エジプト、バーレーン、

そしてリビア




中東北アフリカのアラブ圏での「民主化」の動きが続いています。



残念ながら、リビアではカダフィ大佐が民衆に向かって、

強硬な鎮圧を行ったため、

「体制 対 民衆」 の構図になってしまいました。




エジプトでは、ムバラク氏が、このような

徹底した対立になることを避ける選択肢を選んだため、

比較的穏健なプロセスが進行中です。




リビアの、この情勢では、理屈の上では、3つほどの可能あります。



。。。という話は、次回にして、今日は世界経済への影響を簡単に。




**



北アフリカ地域で最大の産油国リビアで、東側地域(油田がある)を

反体制派が「制圧した」とニュースで伝えられています。

つまり、リビアの原油生産に影響が出る可能性が高まりました。



さらに原油輸出国のバーレーン、サウジアラビアなどでも

緊張が続いています。




また、ムバラク氏の退陣でニュースの表面に出なくなった

エジプトも、新しい体制を模索中です。

隣国リビアでの動きは、エジプト民衆の感情を左右するでしょうから、

生まれつつある(と期待しますが)新体制の方向性にも影響を及ぼします。

そして、そのエジプトは、世界の物流の要衝スエズ運河を

所有・管理していることも忘れてはいけません。




どの様な可能性があるか簡単に。



1. 「民主化」の動きは、世界中の非民主的な貧しい国での

   反体制の動きを後押しします。

   米国は基本的にこれをサポートするでしょう。

   欧州は、基本的に賛成ながら、現実主義の立場から

   急速な動きやリスクを避ける方法を模索するのではないでしょうか?



   ここまでの新興国株式市場・経済への影響は限定的でしたが、

   今後は短期・中期・長期の動きが起こります。

   中・長期的には、労働者への賃金・待遇の改善で、

   新興国経済の成熟化が進行して欲しい ベストシナリオです。

   しかし、短期的には、様々な選択肢があり、大きなリスクもありえます。



   短期的な、景気へのマイナス影響を懸念する心理(株価下落など)が強まると思われます。




2. 原油価格が上昇中です。北アフリカの石油は主に欧州に輸出され、

   その生産・輸出に対する懸念で、同じく欧州で消費される北海ブレント価格が急上昇しています。

   さらに日本・アジアで消費される中東の原油価格も高騰しています。   


   価格だけならともかく、反政府の動きが先鋭化すると、生産活動にも影響を与えます。

   既にリビアからも(他の中東諸国からも)石油産業の外国人が本国などに避難しています。

   アジア向け原油輸送の要衝ホルムズ海峡も、

   民主化のイラクへの広がりの影響を受けることになるかも知れません。



   原油価格+供給の減少は、

    新たな 「オイルショック」 として



  世界経済の足かせとなるリスクが高まってきました。




3. そして、新興国の中でも、経済には直接は関係ないですが、

   日本にとっては大きな関心事 北朝鮮 がどうなるかです。

   北朝鮮の後ろ盾、中国が自国すら民主化デモが広がる中、

   北朝鮮でもデモ・暴動の動きが始まると、中国も直接的な介入は

   難しくなるのではないでしょうか。



   北朝鮮の場合、旧ソビエト時代のプラハと違い、

   経済の失敗、国民の飢餓が背景にあります。


   民衆の動きを、北朝鮮軍が支持する動きになったときに、

   北朝鮮の韓国化を阻止するために中国は動けるのでしょうか?


   倒れかけた金王国を支えることは可能でしょうか?

   その場合、最悪、民衆を支持する北朝鮮軍と中国軍との戦闘もありえます。

   そのような選択肢を取ることはできるのでしょうか?



   そして、これは資本主義化して台頭してきた中国が、

   民主化するのかどうかを占う試金石になるのかもしれません。

   

   



***



戌渡が中東での「民主化」とかぎカッコをつけるのは、

現在の動きが我々の考える民主化につながるとは限らないと懸念しているからです。



メディアも、そのことはよく分かっているようで、「民主化」と表現せずに、

反政府デモという表現が多いように思います。(蛇足!)