昨日、
近所のコンビニに行きました。
お昼ご飯を買いに行ったのです。
お腹がペコペコでした。
だから、
早く食べたかったのです。
けれど、
事件が起きました。
おにぎりのコーナーの前に立ったとき、
私は動けなくなってしまいました。
目の前には、
たくさんの棚があります。
棚いっぱいに、
おにぎりが並んでいました。
定番の鮭(さけ)もあります。
梅もあります。
ツナマヨもあります。
最近のトレンドである、
卵黄醤油漬け(らんおうしょうゆづけ)みたいな、
ちょっと贅沢なやつもあります。
ただのおにぎりではありません。
『進化系おにぎり』
なのです。
では、
いったい、
何にそんなに悩んだのでしょうか。
それは、
選択肢が多すぎることです。
私たちは、
普段の生活の中で、
あまりにも多くの選択肢を持っています。
昔は、
おにぎりといえば、
梅か鮭くらいしかなかったかもしれません。
少なくとも、
私の子供の頃はそうでした。
迷う余地がなかったのです。
迷う必要がなかったのです。
だから、
すぐに決まりました。
すぐに買うことができました。
けれど、
今の時代はどうでしょうか。
コンビニに行くだけで、
何十種類ものおにぎりに出会います。
『選択の自由』
というものが、
そこにはあります。
自由なのは、
素晴らしいことです。
好きなものが選べます。
自分の食べたいものが選べます。
でも、
ここで、
一つの疑問が生まれます。
本当に、
私たちは自由になったのでしょうか。
選択肢が増えることで、
かえって不自由になってはいないでしょうか。
これは、
単なるおにぎりの話ではありません。
私たちの人生そのものの縮図(しゅくず)なのです。
そう考えると、
非常に面白いと思います。
少し、
話しは変わりますが、
服を買いに行くときも同じです。
服屋に行くと、
たくさんの服が並んでいます。
どれも素敵に見えます。
どれも欲しくなります。
でも、
結局どれを買えばいいのか分からなくなります。
「これに決めた!」
と思っても、
隣のハンガーにかかっている別の服が気になります。
「あっちの方が良かったかもしれない…」
そんなふうに、
後悔することがあります。
おにぎりも同じです。
鮭を選んだのに、
隣のツナマヨが輝いて見えるのです。
「あ、そっちにすればよかったな…」
そんな小さな後悔が、
心の中に生まれます。
ここで、
問題になるのが、
『現代人の悩み』
というものです。
私たちは、
物質的には豊かになりました。
欲しいものは、
たいてい手に入ります。
お金を出せば、
美味しいものが食べられます。
便利な世の中になりました。
でも、
その一方で、
私たちは疲弊(ひへい)しているのです。
なぜ、
私たちは疲れてしまうのでしょうか。
それは、
選び続けているからです。
朝起きてから夜寝るまで、
私たちは選択の連続を生きています。
何を着るか。
何を食べに行くか。
どの道を通って会社に行くか。
スマホでどのニュースを見るか。
小さな決断を、
一日に何千回も繰り返しています。
脳がパンクしてしまうのです。
おにぎり一つの前で立ち尽くしてしまうのは、
その脳の疲れが原因なのです。
これは、
スゴイ発見です!!
大げさだと思うかもしれません。
でも、
本当のことなのです。
たかがおにぎり。
されどおにぎり。
おにぎり一つ選ぶのにも、
私たちの人生観や、
現代社会の矛盾(むじゅん)が詰まっているのです。
では、
いったい、
どうしたらいいのでしょうか。
すべてを完璧に選ぼうとするからいけないのです。
「一番美味しいものを食べなければならない」
という呪いにかかっているのです。
もっと、
気楽にいけばいいのです。
時には、
直感で選ぶ。
深く考えずに、
パッと手を伸ばす。
「今回はハズレだったな」
と思っても、
それはそれで一つの経験です。
失敗しても、
死ぬわけではありません。
むしろ、
その失敗を楽しむくらいの余裕が、
今の私たちには必要なのです。
そう考えると、
人生も同じではないでしょうか。
正解の道を探そうとするから苦しくなります。
どれが一番正解なのか。
どれが一番得をするのか。
そんなことばかり考えてしまいます。
でも、
人生に絶対的な正解などないのかもしれません。
どの道を選んでも、
そこにはそこなりの景色があります。
鮭を選んだら鮭の景色があり、
ツナマヨを選んだらツナマヨの景色があるのです。
どちらが上でも下でもありません。
すべては、
自分がどう味わうかだけなのです。
結局、
昨日はどうしたかと言いますと、
散々悩んだあげく、
一番最初に目に入った、
普通の梅おにぎりを買いました。
なんだかんだ言って、
最後は定番に戻るのです。
新しいものに挑戦する勇気も大事ですが、
原点に戻る安心感も大切です。
レジのお姉さんは、
私が30分も悩んでいたことなど露知らず、
「140円です」
と笑顔で言いました。
世の中は、
そんな風に淡々と進んでいきます。
私たちがどんなに悩んでいても、
世界は変わらず回り続けています。
そう思うと、
少し気が楽になりませんか。
おにぎり一つでここまで悩めるのだから、
私たちの想像力はまだまだ豊かです。
人間って、
本当に面白い生き物だなと思います。
明日もまた、
コンビニに行くでしょう。
そして、
また同じように、
棚の前で少しだけ悩むのだと思います。
でも、
次はもう少し早く決めたいです。
いや、
やっぱり、
また盛大に悩むかもしれません。
それもまた、
生きている証拠なのです。