天気がいい日に、
ふと、
近所を歩いてみたんです。
せっかくのお休みだから、
どこか遠くへ行こうかとも思ったのですが、
なんとなく、
近所を歩くことにしました。
こういうのって、
意外といいんですよね。
普段は車で通り過ぎてしまう道も、
歩いてみると、
色々な発見があったりします。
いわゆる、
『日常の再発見』
というやつです。
では、いったい、
近所を歩いて何があったのか?
実は、
大したことは起きていないのです。
ただ、
近所を歩いただけなんです。
でも、
それが思っていた以上に、
楽しかったのです。
ここで、
少しだけ私の話を聞いてください。
私は普段、
家事や育児や仕事で、
けっこう忙しくしています。
自分の時間なんて、
ほとんどありません。
自分の時間がないというのは、
どういうことか。
それは、
心がすり減っていくということです。
心に余裕がなくなると、
小さなことでもイライラしてしまいます。
例えば、
子どものちょっとしたわがままとか。
旦那さんの脱ぎっぱなしの靴下とか。
そういうものに対して、
「もう!」
となってしまうのです。
これは、
私の心が、
すっかり乾燥している証拠です。
まるで、
干からびたスポンジのようです。
そんな状態で、
近所を歩いてみたのです。
すると、
どうなったでしょうか。
カチカチだった心が、
少しずつ、
ほぐれていくのを感じました。
これは、
ものすごい大発見でした。
遠くのハワイに行かなくても、
ディズニーランドに行かなくても、
近所の、
いつも通っているはずの道に、
心の癒やしが落ちていたのです。
ここで、
問題になるのが、
「なぜ、近所の散歩だけで癒やされるのか」
という点です。
不思議だと思いませんか?
ただ歩いているだけなのに。
お金も使っていないのに。
ただ、
足の裏でアスファルトを感じながら、
トボトボと歩いているだけなのに。
それは、
おそらく、
『スピード』
の問題なのだと思います。
車に乗っていると、
景色がすごい勢いで流れていきます。
自転車に乗っていても、
風を切って走ります。
でも、
自分の足で歩くとき、
人間のスピードは、
ものすごくゆっくりになります。
この、
『ゆっくりなスピード』
こそが、
現代人にとって必要な薬なのかもしれません。
歩くスピードになると、
色々なものが目に入ってきます。
例えば、
道の端にひっそりと咲いている、
名前も知らない雑草とか。
お隣さんの庭から漂ってくる、
夕飯のカレーの匂いとか。
遠くの空で、
ゆっくりと形を変えている雲とか。
こういうものって、
車に乗っているときは、
絶対に気づかないのです。
見えているはずなのに、
見えていない。
そういうものを見つけるたびに、
私は、
「あぁ、生きているんだな」
と感じるのです。
ちょっと大げさかもしれませんが、
本当にそう思うんです。
そういえば、
途中で可愛い猫ちゃんに会いました。
電柱の陰から、
じっとこちらを見つめている猫ちゃんです。
こういうのって、
やっぱりテンションが上がりますよね。
私は心の中で、
「こんにちは」
と声をかけました。
猫ちゃんは、
迷惑そうに、
フイッと顔をそむけました。
その塩対応も含めて、
なんだかとても愛おしかったのです。
動物というのは、
そこに存在しているだけで、
周りを幸せにする力を持っています。
自分が幸せになる。
自分だけではありません。
自分の周りも、幸せになる。
そして、その環境までも、
なんだか優しい空気に変えていく。
猫ちゃんを見ていると、
そんなことを考えてしまいました。
ただの野良猫なのに、
すごい哲学者に見えてきます。
こういう、
くだらないことを、
ひとりでボーと考えながら歩く時間。
これこそが、
大人の贅沢というものなのではないでしょうか。
お金持ちにならなくても、
遠くに行かなくても、
身近なところで、
人は十分に幸せを感じられる。
そう考えると、
日々の生活も、
捨てたもんじゃないなと思えてきます。
もちろん、
家に戻れば、
相変わらず散らかったリビングが待っています。
洗濯物の山も、
私を待ち構えています。
現実逃避は、
長くは続かないのです。
でも、
散歩に行く前と後では、
私の心の中のスポンジの水分量が、
明らかに違います。
みずみずしいスポンジに戻った私は、
きっと、
さっきよりも優しい母親でいられるはずです。
「お母さん、ただいま」
と自分で自分に言ってあげたい気分です。
みなさんは、
最近、
近所をゆっくり歩いていますか?
忙しい毎日だとは思いますが、
たまには、
スマホをポケットにしまって、
ただ歩くだけの時間を作ってみてください。
新しい発見があるかもしれませんし、
何もないかもしれませんが、
少なくとも、
足は疲れます。
でも、
心地よい疲労感です。
こういう時間って、
意外と大事なのかもしれません。
今度のお休みも、
天気がよかったら、
また同じ道を歩いてみようかなと思います。
今度は、
少し違うルートを開拓してみるのも、
楽しそうです。
スーパーの裏の細い路地とか、
まだ入ったことのない公園とか。
探検隊の気分になって、
歩いてみたいです。
みなさんも、
気の向くままに、
ぶらりと歩いてみませんか。
きっと、
心が軽くなるのを実感できるはずです。
そういえば、
歩きながら、
ふと思ったんです。
歩くことって、
ただ足を動かしているだけなのに、
どうしてこんなにも気持ちがスッキリするんでしょうね。
これは、
単なる運動不足の解消、
というだけではない気がします。
ようするに、
『心のお洗濯』
みたいなものなのかなと思います。
ちょっと大げさかもしれませんが、
私の場合は、
そう感じずにはいられません。
ここで、
少し、話しは変わりますが、
みなさんは、
最近、
何か新しいことに挑戦してみましたか?
忙しい日々を過ごしていると、
どうしても、
毎日が同じことの繰り返しになりがちです。
朝起きて、
朝ご飯の支度をして、
洗濯機を回して、
お仕事や家事をして、
夜になると、
「あぁ、今日も一日が終わっちゃったな」
なんて、
ソファでため息をつく。
そういう生活も、
それはそれで平和でいいのですが、
たまには、
いつもと違う道を通ってみたり、
初めて入るお店でコーヒーを頼んでみたり、
そういう、
小さな変化を取り入れるだけで、
世界が少しだけ広がったような気がするんです。
思えば、
今日の散歩も、
そんな小さな変化の一つでした。
いつもなら、
スーパーへの往復で通り過ぎてしまうだけの道。
そこに、
あえてゆっくりと足を運んでみた。
それだけのことで、
こんなにもたくさんの新しい発見があったのです。
これは、
とっても贅沢なことだなと思います。
お金をかけなくても、
遠くまで出かけなくても、
自分の工夫次第で、
日常はいくらでも楽しくできる。
そういうことに気づけたことが、
今日の一番の収穫だったのかもしれません。
そう考えると、
私たちの毎日の暮らしの中には、
まだまだ、
見落としている宝物が、
たくさん眠っているのではないでしょうか。
たとえば、
お気に入りのマグカップで飲むお茶の時間だったり、
ベランダから見える夕日のきれいな色だったり、
通りすがりの猫と目が合った瞬間だったり。
そういう、
見過ごしてしまいそうな小さな幸せを、
一つずつ丁寧に拾い集めていくこと。
それが、
心を豊かにするための、
一番の近道なのかもしれません。
あ、
そういえば、
この間、
近所のパン屋さんで、
新しい食パンを買ってみたんです。
いつも買っているものより、
少しだけお値段の張る、
ちょっぴり高級な食パン。
「せっかくのお休みだし、たまにはいいよね」
なんて自分に言い訳しながら、
カゴに入れてしまいました。
次の日の朝、
その食パンをいつもより少し厚めに切って、
トースターでこんがりと焼いてみたんです。
バターをぬって、
一口食べてみたら、
これが、
もう、
びっくりするほど美味しかったんです。
外側はサクッとしていて、
中はもちもち。
噛むほどに、
小麦の甘みが口の中に広がって、
「あぁ、美味しいなぁ」
って、
思わず声に出てしまいました。
たかが食パン、
されど食パン。
でも、
その朝の時間は、
いつもの朝食とはまるで違っていました。
なんだか、
ホテルの朝食会場にいるような、
ちょっと優雅な気分を味わえたのです。
こういうのって、
やっぱりいいですよね。
日常の中に、
ほんの少しの特別感をプラスする。
それだけで、
一日の気分がガラリと変わるから不思議です。
問題は、
それを忘れてしまうことでしょうか。
忙しさにかまけていると、
ついつい、
効率や時短ばかりを優先してしまって、
「とりあえずお腹に入ればいいや」
「ちゃちゃっと済ませちゃおう」
となってしまいがちです。
でも、
たまには、
そういう手間を惜しむのも大事ですが、
あえて、
時間をかけて丁寧に暮らしてみる。
お気に入りの器を使ってみたり、
お部屋にお花を飾ってみたり、
そういう、
なくても生きていけるけれど、
あると心が潤うもの。
そういうものを大切にしていきたいなと、
最近、
しみじみと感じています。
みなさんは、
自分の機嫌を直すための方法、
何か持っていますか?
イライラしたり、
落ち込んだりしたとき、
「これをすれば元気になる」
という、
自分なりの秘密のスイッチ。
私の場合は、
今日みたいなお散歩だったり、
美味しいパンを食べる時間だったりします。
人によっては、
それが映画鑑賞だったり、
お風呂にゆっくり浸かることだったり、
お友達とおしゃべりすることだったりするのでしょうね。
どれが正解とかではなくて、
自分が「心地いいな」と感じられるなら、
それが一番なんだと思います。
そういえば、
そろそろ夕暮れ時ですね。
さっきまで明るかった空が、
だんだんとオレンジ色に染まってきました。
こういうマジックアワーの空を見上げていると、
一日の終わりをしみじみと感じます。
今日の晩ご飯は、
何にしようかな。
冷蔵庫にあるもので、
ちゃちゃっと作るのもいいけれど、
せっかく散歩でリフレッシュできたんだから、
ちょっとだけ、
いつもより手の込んだものを作ってみるのも、
いいかもしれません。
玉ねぎをあめ色になるまで炒めて、
じっくり煮込んだスープとか、
旬のお野菜を使った、
温かいおかずとか。
想像しているだけで、
お腹が空いてきちゃいました。
主婦の仕事に、
終わりはありません。
明日になれば、
また同じように洗濯をして、
ご飯を作って、
掃除をして、
一日が始まります。
でも、
今日たっぷりと水分を吸い込んだ私のスポンジは、
きっと、
明日も柔軟に対応してくれるはずです。
ちょっとくらい子供が散らかしても、
「はいはい、片付けましょうね」
って、
笑顔で言える気がします。
……なんて、
心の中で思っているうちは大丈夫ですね。
実際のところはどうなるか分かりませんが、
少なくとも、
今のこの穏やかな気持ちを、
大切にしたいなと思います。
さてそろそろ、
お夕飯の支度を始めないとですね。
腰を上げるのが、
ほんの少しだけ億劫ですが、
今日買ってきたお気に入りのエプロンをつけて、
鼻歌でも歌いながら、
キッチンに向かうことにします。
今度のお休みは、
どこのパン屋さんにいこうかな、
なんて考えながら。
みなさんも、
素敵な夕方の時間をお過ごしくださいね。
それでは、
また。