ナースキャップはかぶりません -4ページ目

雪降る夜に

寒いと思っていたら雪が降ってきた。2月の上旬にたくさん降った雪もずいぶんとけてきたけど、完全にとけてなくなるのはもう少し先になりそうだ。

玄関から外に出ると地面がうっすらと白くなっていた。
その白くなった地面に小さな足跡がついているのを見つけて、目で足跡を追う。白地に黒色の足跡はくねくねと曲がりながら、僕の家の前でUターンするように小さな円を描いている。
足跡は家の屋根の下、雪が積もっていない所まで続いていて、そこで小さな足跡は茶色のネコに変わった。

『ニャー』

僕と目が合うとネコが鳴いた。ネコが『何だよ?』と聞いてる気がしたので『今日は久しぶりにさみーな』と独り言のようにつぶやく。

『ニャー』

本当だな、と相槌を打っているように思えたけどネコはそっぽを向いている。

その間にも雪はしんしんと降っていてネコの足跡はすっかり消えてしまって地面が真っ白になった。

『お前どっから来たんだよ?』
なんとなくネコに聞いてみる。

『ニャー』

やはりそっぽを向いている。
少し前に『別に…』って言ってそっぽを向くの流行ったなぁ。


よく見るとネコには首輪がついてる。
『なんだ、飼い猫だったのか、寒いからきっとご主人様が心配してるぞ』

『ニャー』

そんなこと言ってもネコは動く気はないらしい。
試しに近づいてみるがネコは微動だにしない。そっと背中を撫でてみる、毛の表面は寒さで冷たくなっているけどその中は温かい。
『お前、人間慣れしてるなぁ』

『ニャー』

喉を撫でてやると身体をごろんと横にして、目を閉じている。
膝に乗せてお腹を撫でてやるとずいぶんリラックスしてる。なんだ、けっこうカワイイじゃないか。ツンデレめ。

『あー!やっと見つけたー!!』


ネコのご主人がやってきたみたいだ。声の方を見ると加藤ローサみたいな美人が立っていて、このネコが加藤ローサ似の美人飼い主以外の人になついたらのは初めてだった。



…ってことで意気投合して加藤ローサ似の美人と恋に発展する日を今か、今かと待ち続けているんだがどうやら今夜の雪も加藤ローサ似の美人を連れてきてくれないみたいだ。



おわり

ちょっと気になるは好きの始まり

ちょっとだけ気になるヤツがいる……

いやいや!ぜんぜん気にしてないけどね!!!

気にしてなんかない…… 
気にしてなんか……

やっぱりちょっとだけ気になる。
実名を出すのは少し恥ずかしいので仮にK子とする。
K子のことは昔から知ってるし、これまではすぐ近くにいても別にに意識したことなんかなかった。

最近になってK子はみんなから注目されるようになった。K子がなんとなく自分とは違う、遠い存在になったような気がして少しだけ寂しく思ったけどそれは俺の思い過ごしでK子はいつだってすぐ近くにいてくれた。

いつからだろう、K子のことを意識するようになったのは。

『 ちょっと気になる 』は『 好き 』の始まりだって誰かが言ってた。

初めは『そんな訳ないだろ、K子だぞ!?』なんて思ったが、K子のことを考えるだけで顔が熱くなるのを感じてなんだかむずむずした。

K子が近くに来ると目が痒いし鼻水も止まらない……
改めてK子の存在を意識すると身体は正直に反応するんだと実感する――








※ K子 = スギ花粉

もしかすると花粉症になったかもしれません。これまで花粉のことなんか意識したことなかったのに……


今年の花粉はずいぶん多いそうですね。

――――――――


さて、年末からしばらくネガティブで陰気くさいことばっかり言ってましたけど、少しは立ち直ってきました。
仕事は相変わらずまだまだ半人前だけど以前より楽しくなってきた、要するに状況が問題ではなくて自分の考え方に問題があったんだろうと思う。
それで、明後日からいよいよ夜勤デビューだ。学校終わってからそのまま病院行って朝まで。しばらくは週一回夜勤で慣れたら夜勤ばっかりになる予定。

不安もあったけど今はそれほどない。完璧にこなす自信はないけど誰でも初めから完璧にできる訳がない。
だから気をつけるべき所はきっちりと締めて、あとはそれなりにやればなんとかなる気がする。これまでがそうだったように。

為せば成る。為さねば成らぬ、なんとかなる!!

さあ、頑張るぞー!!


おわり。

授業中。ほら、黙ってるとふくらむって(後編)

今もそんな話の真っ最中で嫌になっていたら、まるまるとしたA先生の外見が風船みたいに見えてきた。


――――――――――以下、妄想――――――




いや、気のせいじゃない。先生がふくらんでいる!?
…と、思ったら少ししぼんでいつものA先生に戻った。
しばらくするとまたA先生がふくらみだした、まさか……、いや。間違いない。ふくらんでいる。
A先生が喋ると風船から空気が抜けるみたいに身体がしぼんで、喋るのをやめると身体がふくらんでいく。



A先生の話の途中で誰かが質問したことで先生の排気が遮られた、先生がみるみるふくらむ。元々まるまるした身体が更に丸みを帯び、ふくらんだ身体に耐えきれずシャツのボタンが飛んで窓ガラスが割れた。教室のあちこちで生徒たちの悲鳴があがる。
パンパンに張ったストッキングは伝線してボンレスハムのような足だ。これは元々だったかもしれない。

風船になったA先生の身体がついに地面から浮かび上がりガラスの割れた窓から外に出た、そのまま先生は風に乗って遠くに飛んで行ってしまった…


さようなら、A先生……


『先生、どこに行ったのかな??』

『さあね、風に聞いてみなよ』


呆然とガラスの割れた窓を見ながらそんなやりとりを聴いていた。


――――――――妄想から返ってくる――――――



もしかするとA先生は身体の中に空気がたまって、身体がどんどんふくらんでいるんじゃないだろうか。だから喋って空気を抜かなくちゃ風船みたいになってどこかへ飛んで行ってしまうんだ。

そうだ、A先生はきっと喋ることで自分を保っているんだ。風船になって飛んで行かないようにして、だからあんなに喋り続けているんだ。




授業中、そんなことを考えていると先生が少し喋らないだけでA先生がふくらんでしまわないか心配になる……


『ほら、A先生。黙ってると膨らむぞ!!』って……






おわり。



追伸。

ちゃんと授業聴いてるからね。