第46回 「インキュベーションマザーということ」
経営者を応援する仕事をしてみたいという想いから、未知なるサービスを追及して、早くも12年が過ぎました。
いま思えば、無謀な挑戦であったと思いますが、12年前は、インベーダーと誤解される事もあった「インキュベーション」をテーマに事業を立ち上げた吉井始め、多くのお世話好きなメンバーにめぐり合った事で、あらゆる事業の立ち上げや、成長に関与させて頂く事ができました。本当に、あっという間の出来事でした。
ただ、冷静になって考えると、この「インキュベーションマザー」という名称は、とても高尚なネーミングで、今になって、「今更」ですが、大変気恥ずかしい思いをしています。

インキュベーションというビジネスはともかく、(それでも、深く追求すると息苦しくなるビジネスですが、)マザーという言葉には、絶対的な信頼と、海よりも深く大きな愛情と、天のごとく高い人格を持ち合わせた、あの偉大なマザーテレサのような方にこそふさわしい名であったのに、臆病で、唯我独尊で、高慢な私が、ショルダーフレーズにのせた事は、本当に反省に値する行動であったと思います。
しかし、あえて言い訳を聞いていただけるのであれば、そういう人になりたいという思いから、自らを戒める意味を含めてもいるのです。
現実は、どんなに、経営者の苦悩を理解しても、私自身修行の足らぬ身であるので、あからさまに、辛らつな態度を取られたり、失敬な言葉を発する方へのご協力はどうしても、疎かになり、あるいは、あえて忘却してしまい、あるいは、秘かに、滅亡を願ったりすることも無かったとは言えません。反対に、褒めてくださる方には、頼まれもしないのに、精一杯のおせっかいを焼いてきたというのが、実情です。
マザーを語れる人格になるということは、本当に難しい事だと思います。無理に近いかもしれません、もちろん、努力はいたします。可能かどうかは、別にしても。
これまでご紹介し、賞賛してきた経営者の方々も、皆様同じように、自身の人格形成に大変な努力をされていらっしゃいました。何故それが解るかというと、反省されているからです。自分の発した言語、態度に反省が無くなれば、傲慢になるだけではないでしょうか。傲慢な経営は、崩壊への一歩を示していると私は思います。

誰でも、素晴しい人と思われたい、尊敬されたい、慕われたい、存在価値こそ喜びです。
しかし、経営は、いい事ばかり続きません。周囲に激を飛ばさなければならない時もあります。常に全方位に波風立てない温かい経営等できるはずがありません。それでも、ご紹介してきた方々は、一流の人格の根を持って、自身を切磋琢磨していらっしゃるように感じました。なので、いつまでも、印象に残ったのだと思います。
些細なエピソードを語る事で、人生を充実して過ごす為の、気付きになればと思ってマザーズノートを書いてまいりました。
お時間がある時に、改めて見直して頂けると幸いです。
| 2010-03 | インターウォーズ株式会社 常務取締役 Incubation Mother |
第45回 「主婦の友」
主婦の友という雑誌が休刊される事になった。創刊が大正5年のはずなので92年になる。92年も続いた雑誌、戦前、戦中、戦後を駆け抜けた日本の女性の為の雑誌が休刊となる。

理由を聞いて納得した。「主婦」という言語がすでに古く、興味に欠けるのだそうだ。家庭、家族を守る中心の主婦が、魅力的でないということなのだろうか。
ありとあらゆる知恵を使って、できる範囲でやりくりし、温かい家庭の空間を創造して、毎朝夫や子供を送り出し、帰宅した家族の疲れを癒し、親類縁者との交流、行事の仕切り、ご近所、学校関係のお付合いを上手にこなし、子供を立派に育て上げ、威風堂々と老後を楽しまれている本物の主婦に出会うと感動を覚えるのは、私だけなのだろうか。
そういう最強の主婦の参考書がこの主婦の友であったように思う。
しかし、最近は、購買客が激減し、今回の休刊という結論を得たそうだ。
今、女性に受けている雑誌は、強くて、賢く、いつまでも若く、仕事を持ち、財テクにたけ、家事や子育ても、自分を中心に有効な時間をつくる事を基本に構成された参考書のようである。
そういえば、こういう、行動的な、現代の主婦層の働く意欲を上手に活用している会社が増えている気がしている。
インターネットや携帯を活用した、時間的にも無理の無い仕事を家庭で、子育てや介護に時間を取られている主婦でも、自由に仕事ができるという仕組みを持つ企業だ。
ミステリーショッパーという店舗の調査の会社。
全国にフリーマガジンを配布している会社。
ネットでリサーチをかけている会社。
設計関連のアウトソーシングをしている会社。
空いている時間活用の、家事手伝いの派遣会社。等
かなりの企業が浮かんでくる。
鎖国がなくなり、海外の文化に触れはじめてから、服装や思想に変化が訪れ、多くの犠牲を払った幾多の戦争が終了して、60年程前に、アメリカの考え方を主体にした教育が始まった。いつしか、日本の女性のライフスタイルは、欧米の女性の生き方が基準になっていったように思う。私が、幼い頃に見ていた、米国のテレビドラマに出てくるキャリアウーマンが働いているシーンと、良く似た場面に遭遇する事も増えた。
90年続いた雑誌の休刊の感傷にひたりながら、改めて気がついた。たったの、90年でこんなに変わったという事は、これから、90年後の女性の生き方は、どういう変化が起きているのだろうか。
どんな時代でも、家族の要の主婦という言語は残っていて欲しいと思う。
| 2010-03 | インターウォーズ株式会社 常務取締役 Incubation Mother |
第44回 「和」
日本は「和」の国といわれてきました。もともとは、「環」村、集落を組んで、皆で環になって暮らし、和むという意味も合わさって、字体として「和」になり、「和」が増えて大きくなって「大和」(何故ヤマトというかは、いつか時間のある時にでも。)になったという説に出会いました。
妙に納得したのですが、それにしても日本人は、何故、こんなにも『和』を重んじる国なのでしょうか。
そもそも、聖徳太子の17の憲法の始まりに「和を持って、尊しと、為す」という極めつけの押さえがあります。なんといっても、皆で話し合い、納得しあう事が全ての基準であるという事になるわけです。その昔は、見えない敵に怯えることも多く、絶対神の居ない、島国の小国の日本を守るためには、皆がそれぞれの力(権限)を持ち、一緒に行動するという考えも必要であったのだと解釈しました。
現代はどうなのでしょうか。
政治の世界では、論争や、確執、失脚をなによりも嫌う、地位と権力のある方々の『和』の基で、何が大切か、何が根源か、明確にならないまま、いきなり?定まる規制があるかと思うと、利権付の時代遅れの法律に縛られて、苦労されている方が多いのも周知の事実では無いでしょうか。もちろん、むやみやたらな争いは避けるべきですが、何を持って本物の「和」とするかが大切だと思うのです。
ライブドア事件以降、一挙に、斬新なアイディアと気合で、古い慣習に切り込んできたベンチャー企業が、次々と罪を背負って排除され、いつのまにか若手ベンチャー企業への賛美が消失。新卒の大学生は、安定志向になり、これまで、夢溢れていたフリーターも就職活動を開始。一人起業家も、定職の道を求めるようになりました。
この寒々とした、社会に流れる不安感は、大御所の方々の「和」を乱した事の反動なのでしょうか。
今から3年ほど前、現「株式会社ユースコミュニケーションズ」の高田社長に出会いました。
「僕は、内定を頂いたのですが、やはり、起業しようと思います。きちんとした情報がとれずに就職先を決めざるを得ない学生の為に、正しい情報を、正確に、平等に伝える事がしたいのです」という、涼しげな眼の中に意志の強さを秘めた、旭川を活性化させる事を使命としているという若者でした。

吉井も、「高田君は、逃げない男だ。なによりも、それが大事だ」と信頼しています。
今から3年前、起業家がもてはやされていた頃から、多くのメンバーが修行にきては、時代の流れに沿って、旅立っていきました。
起業家魂の彼は、黙々と経営者の孤独や逆風に耐え、どんな時も、明るい笑顔で自分の思いを形にしています。

成功は、諦めない事の結果です。それまでは、どんな有名な方でも、大変なのです。でも、自分のやりたい事が、自分次第で出来る自由を持っている事は事実です。
これからも、その自由と孤独を親友にして、「平等に伝える」という理念の基、社会人として巣立つ方を支えるために頑張って頂きたいと思っています。
真の「和」とは、話し合うという行為の前に、平等に情報を与えられ、それぞれの人権を尊重されてこその「和」だと思っています。
彼の「和」の心が広く世間に伝わる事を願っております。
| 2010-03 | インターウォーズ株式会社 常務取締役 Incubation Mother |
第43回 「いらないもの」
人間は食べる事が出来ないと日々の生活が出来ません。
食べ物はとても、大切です。そして、飲める水がないと生きられません。ガスも電気も無いと、とても不便です。(過日、ガス湯沸しが故障してしまい、その有り難さを痛感したばかりです。)いわんや、その基になる燃料はとても大切です。
ところが、その大切なものを、どれだけ本気で大切に出来ているのでしょうか。
人間は、ともすると、あって当たり前と感じるものは(物だけでなく人も)、いくらでも手に入るとばかりに、粗末にしすぎる傾向があるようです。そして、最近では燃料費が上がったという事に始まり、あらゆる商品の価格が高騰し始めました。
ところが今の日本は、食料品の殆どを輸入して、その39%を廃棄しているのです。物を捨てておいて、しかも、お金をかけて廃棄しておいて、価格の高騰を嘆く事に大きな矛盾を感じます。その前に「捨てないように努力しようよ」と思うのです。売り切れる事に文句を言わなければ、メーカーも過剰に作らずに済みます。スーパーもコンビニも、無駄に多い陳列がいりません。ポリ袋も容器も持ち寄ればゴミが減るのです。
物を大事に使えば、リサイクルできて、どこかで誰かの役に立ちます。
46億年も生きている地球のたかが数百年どうなってもいいと思う方の意見も一理ありますが、問題は今です。今生きている人の気持を、少しでも気持ちよくする事が大切なのではないでしょうか。
当たり前の事をすることを、徳を積むというのだそうです。
人間は徳を積むべき生物だと思います。前世の事を覚えている人間がいないということは、今の人生は一度きりなのです。一度きりの人生を、徳を積んで生きられる人こそ、人としての成功者といえるのではないでしょうか。

昨年の7月、物静かなアントルプレナーの2人組との出会いがありました。ビブリーという本の物々交換サイトの創業者です。
「自分達で、世の中に役に立つ事を創造してみたかったのです」と真摯に語る、無欲の大欲という武器を持つ、彼らの術中にすっかりはまってしまい、今では彼らの宣伝マンとしてインターウォーズメンバー全員が活動しています。
インターウォーズは、物を大切にする社風です。備品も年季が入っています。使えるものは大切に使うという精神があるからです。なので、ビブリーの本を大切にしたい、資源を大切にしたいという気持は大変嬉しく、つい、応援したくなったのです。

また、精神論だけでなく、彼らのサイトが充実する事で、新しい市場に価値が生まれ、資源を大切にする習慣も根付いていくという期待もあります。
私も、このサイトを活用していますが、本好きな人は、本の扱いも丁寧で気持ちが良く、読みたい本が、読み終えた本と交換できるので、大助かりです。
そもそも、身の回りの物を大切に出来る人は、人間を大切にできる人だと思うのです。
人が人を大切に思えば悲惨な出来事は減っていくはずです。小さな事からでもいいのです。大切にするという習慣をつけて欲しいと思っています。
人にとって「いらないもの」は、「大切に出来ない心」ではないかと思うこの頃です。ちなみに、大切とは、心を配って丁寧に扱うさまという意味です。
| 2010-03 | インターウォーズ株式会社 常務取締役 Incubation Mother |
第42回 「女性らしさを生かす時代」
「働く女性の皆様へ」
女という字は「くノ一」と書きます。というと、やはり、女性に油断してはならない。突然豹変して、敵になるかもしれないという恐怖を覚える殿方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、女という字は、あくまでも、しなやかであるという優しさを形であらわしたものなのです。

この、女性の特性を生かして仕事をするべき時代の到来が、益々顕著になってきたように思えます。その要因の一つには、高齢化社会による、労働人員の激減に対しての補填的な要素があります。そして、なによりも、今後のサービス業という付加価値を要求される事業の拡大が、女性ならではの、温もりのある感性を生かす機会が増えると考えられるからです。
今こそ、弱いものに寛容で、周りとの調和を大切にして、気持のよい環境をつくり、優しい言葉を話し、他人の健康を気遣い、危機管理を心がける事に長けている女性の本質が社会に役立つ時代なのです。
こういった流れの中で、女性が職につく時に、心がけて欲しい事が一つだけあります。
まずは、どのような状態でも約束した事は、必ず守るという覚悟です。
職につくということは、社内の仲間はもちろん、取引先、顧客との約束を守る事を誓う事です。その為には、自分の都合は全て無くすと思うくらいの覚悟です。
一度、外に出たら自分を守るのは自分しかいません。そして、その最強の武器は、「信頼」です。あの人は信頼できる人となった時に、初めて仕事人として一人前になるのです。
その『信頼』を勝ち得る為に必要な事は、約束を守るという事なのです。それには、まず、守れそうも無い約束はしないという強い気持が大事です。どんな小さな約束も、守る事を心がけて仕事をしていくと、日々、素敵に輝く仕事人生に繋がっていきます。
そして、もう一つ、何があっても、他人のせいにしないという、自分との約束をして欲しく思います。こういった心構えだけでも、毎日が幸せな気分で過ごせます。
人生、明日、何があるかなんて、誰にもわかりません。今、この時を、どういう気持で過ごすかで、自分の人生の価値が変わっていきます。

その時々に、今の自分は、自分が選んだ道にいるという事、自分で運んだ運命である事を自覚して、過去を振り返らずに、悔やまずに、明日からの自分に向けて、前を見て進んで欲しく思います。女性の真の力が求められている時代だからこそ、甘えずに、へこたれずに、まずは、今この時から、自分に約束して頂き、充実した仕事人生を送って欲しいと願っています。

| 2010-03 | インターウォーズ株式会社 常務取締役 Incubation Mother |