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政治家の言質資料館

日々の政治家の発言をまとめています。


30日、枝野経済産業大臣は閣議後記者会見で電気料金の値上げと北海道の電力需給対策について発言。

枝野経済産業大臣の記者会見の発言をまとめると下記の通り。

「(北海道の電力需給対策について)できれば計画停電はしたくない。(節電要請について)経済への影響を及ぼさないようなやり方に止められないか検討している」

「(電力会社が電気料金の値上げを検討していることについて)原発が動かないことによる経営状況の厳しさは、福島の原発事故を踏まえればやむを得ない。(原発の安全確認の厳格化について)大方の国民が求めている。(電気料金の値上げについて)申請が行われれば厳格に審査する」


29日、民主党の輿石幹事長は記者団に対して野田総理の所信表明演説について発言。

輿石幹事長と記者団とのやり取りをまとめると下記の通り。

「いわゆる第3極の動きもある中で、民主党が自民、公明両党など他の党と、どこが違うのか、党の立ち位置はどこにあるのか、そしてどのような日本を目指すのかということを、かなり鮮明に明確に発信してくれたのではないか。野田総理は信を問わなければならない時期には、信を問うていくと思う。しかし、政治空白を作り、やるべきこともやらなかったということは、政権与党として許されないし、無責任になるという意味合いである。

「(「1票の格差」是正について)普通、法案を通せば新しい制度でやっていくという前提がある。(法案成立が来年の通常国会にずれ込む可能性について)6月くらいに成立しても任期が来てしまう。そういうことも含めて議論していく」


29日、中小の野党党首らは記者団に対して野田総理の所信表明演説について発言。

国民の生活が第一の小沢代表と記者団とのやり取りをまとめると下記の通り。

「大変きれいな言葉で、きれいな文章だったとは思うが、本当に野田総理大臣がこの国をどうしたいのかや、何をやりたいのかについての意思表示が感じられなかった」


公明党の井上幹事長と記者団とのやり取りをまとめると下記の通り。

「課題をいろいろ挙げていたが、既にレイムダックの野田内閣に課題をやり遂げる力も資格もないを自覚すべきで、言葉だけがむなしく響いていた。「近いうちに国民に信を問う」という約束がきちんと果たされなければ、決断する政治はこれ以上望むべくもない」


共産党の志位和夫委員長と記者団とのやり取りをまとめると下記の通り。

「大増税法案を通したことを画期的成果であると居直った。「明日への責任」を繰り返したが、これまでの反省がまるでない。直面する経済や外交の問題を打開する具体策などは全く示されなかった。先の通常国会で可決された問責決議などなかったかのような演説では、到底、国会の正常化は望めない。論戦を通じて衆議院の解散・総選挙に追い込んでいきたい」


社民党の福島党首と記者団とのやり取りをまとめると下記の通り。

「新型輸送機「オスプレイ」や原発の再稼働、中国や韓国との関係など、国民が具体的にもっと知りたいと思うことには一切触れておらず、きれいごとばかりを言う演説に終わった。「明日への責任」や「明日への安心」をたたき壊す政策とのギャップがありすぎるから、全く心に響かなかった。参議院では、所信表明演説は聞かないが、予算委員会やその他の委員会でがんがん論戦をしていくつもりである」


みんなの党の渡辺代表と記者団とのやり取りをまとめると下記の通り。

「気の抜けたビールみたいな演説でコクもなければキレもない。だらだらと延命を図っている印象を受けた。具体的な提案がほとんどなく、自分たちの失敗を棚に上げて野党のせいにしており、末期症状だ。衆議院の1票の格差の是正や経済対策など、やるべきことを実行させたうえで衆議院の早期解散を求めていきたい」


たちあがれ日本の平沼代表と記者団とのやり取りをまとめると下記の通り。

「随分と美辞麗句を並べていたが、本音は赤字国債発行法案や衆議院の1票の格差の是正を早くやってくれということであり、それだけ急ぐのであれば、なぜこれだけ長い間、国会を閉会にしていたのか疑問である。懸案事項を手早く仕上げて国民の民意を問うべきで、内閣不信任決議案の提出も十分に考えていくべきである」


日本維新の会の松野国会議員団代表と記者団とのやり取りをまとめると下記の通り。

「「明日への責任」という言葉を多用することで税制改正や補正予算案の編成をほのめかし、離党者が相次ぐ民主党に対し「衆議院の解散はしないぞ」という強いメッセージを民主党に発した内向きの演説である。解散を迫る自民党は騙されたもしれない」


29日、自民党の安倍総裁は記者団に対して野田総理の所信表明演説について発言。

安倍総裁と記者団とのやり取りをまとめると下記の通り。

「極めて評論家的な演説で具体論もなく失望した。「あすへの責任」という言葉が何回も出てきたが、野田政権に明日ないことを確信した。「近いうちに国民に信を問う」という一番重要な約束を果たしていない中では、何を言っても心に届かず、言葉が空虚に空回りして痛々しい。国民の信を得た政権が外交や経済政策を強力に推進して初めて道が開かれるのであり、残念ながら今の野田政権ではない」


29日、日本維新の会の橋下代表は記者団に対して1次公募合格者155人について発言。

橋下代表と記者団とのやり取りをまとめると下記の通り。

「応募者の中で、かなり上位でかなり優秀なメンバー。ズラっと顔ぶれを並べると、今までの国会議員の雰囲気をガラっと変えると思う。経歴をしっかり見ていだだきたいと思っている。これまで色々なところで活躍して、しっかり実績を積み重ねてきたメンバーが多い。国会議員にならなくても、自分で飯が食っていけるメンバー。国会議員にこだわりがないメンバーを集めようというところが伝わったのではないか。ただ、地方議員とかも中にはいるので、そこはメディアの皆さんにもしっかりチェックしてもらいたい。過半数確保という大目標は、全く変わっていない」


29日、前原国家戦略担当大臣は記者団に対して「事務所費」問題について発言。

前原国家戦略担当大臣と記者団とのやり取りをまとめると下記の通り。

「今日の一部報道につきまして、説明させていただきたい。(事務所の所在地について)東京後援会というのは、主たる事業というのは、年に1回、政治資金パーティーを行うことで、その企画、立案につきましては16年来の私の秘書が、ずっとその企画、立案をやってくれている。(パーティー券の販売について)大半が秘書が行ってくれておりまして、秘書の自宅に東京後援会の事務所を置くことは、主たる事務所ということで全く問題ないと考えている。(事務所費の用途について)その説明は受けた。弁護士とも相談して、何ら問題はないという指摘を受けている。(領収書などについて)今までの法律に基づいて21年以降、これについては、どういう形で領収書を出す出さないという取り決めがあったと思うので、法律に則って対応をさせていただく」


29日、国民の生活が第一の小沢代表は新党大地・真民主の鈴木代表と会談して解散と選挙協力について発言。

小沢代表と鈴木代表のやり取りをまとめると下記の通り。

鈴木代表
「政党はそれぞれホームグラウンドを持っており、新党大地・真民主は北海道、国民の生活が第一は東北である。ムダな争いをすれば、民主党や自民党を利するだけであり、大きな政策の柱でまとまるべきである」

小沢代表
「私もそう思う。国民の生活が第一は、北海道の一部の選挙区で候補者を擁立するつもりであり、協力し合いたい。(北海道8区は)反原発という関心からも候補を出したい」

鈴木代表
「問題ない」

小沢代表
「野田総理大臣は、しばらくは衆議院選挙に打って出る気持ちはないのではないか」

29日、野田総理が臨時国会で所信表明演説を行う。

所信表明演説の内容をまとめると下記の通り。


「一、はじめに

 第181回国会に当たり、謹んで所信を申し上げます。

 首相を拝命してから1年余。この間、私を突き動かしてきたものは、この国の将来を憂える危機感です。今、何とかしなければならない、という切迫した使命感です。

 東日本大震災がわが国に突き付けた難題。そして、それ以前からわが国が背負ってきた重荷の数々。いずれも、このまま放置すれば、5年後、10年後の将来に取り返しのつかない禍根を残してしまうでしょう。立ち止まっている時間はないのです。

 2年目の厳しい冬を迎える被災地の復興。今も続く原発事故との戦い。事故に起因して再構築が求められるエネルギー・環境政策。不透明感を増す足元の経済情勢と安全保障環境。そして、歴史に類を見ない超少子高齢化社会の到来。全ての課題は複雑に絡み合い、この国の将来を覆っています。

 先の国会で私は、先送りを続ける「決められない政治」から脱却し、「決断する政治」の実現を訴えました。一体、何のための「決断する政治」なのか。今こそ、その原点を見定めなければなりません。

 きょうよりあしたは必ず良くなる。私は、この国に生を受け、目の前の「今」を懸命に生き抜こうとしている全ての日本人に、そう信じてもらえる社会をつくりたいのです。年齢や男女の別、障害のあるなしなどにかかわらず、どこに住んでいようと、社会の中に自分の「居場所」と「出番」を見いだして、ただ一度の人生をたくましく生きていってほしい。子どもも、地方も、働く人も、元気を取り戻してほしいのです。

 「あしたの安心」を生み出したい。私は、雇用を守り、格差を無くし、分厚い中間層に支えられた公正な社会を取り戻したいのです。原発に依存しない、安心できるエネルギー・環境政策を確立したいのです。

 「あすへの責任」を果たしたい。私は、子や孫たち、そして、まだ見ぬ将来世代のために、今を生きる世代としての責任を果たしたいのです。

 「決断する政治」は、今を生きる私たちに「あしたの安心」をもたらし、未来を生きる者たちに向けた「あすへの責任」を果たすために存在しなければなりません。

 先の国会で、社会保障・税一体改革の関連法が成立しました。「決断する政治」への断固たる意思を示した画期的な成果です。ぬくもりあふれる社会を取り戻し、次の世代に引き継いでいくための大きな第一歩です。

 しかし、まだ宿題が残ったままです。「あすへの責任」を果たすために、道半ばの仕事を投げ出すわけにはいきません。

 誰もがやらなければならないことをいたずらに政局と結び付け、権力闘争に果てしないエネルギーが注がれてしまうような政治をいつまでも繰り返していてよいはずがありません。やみくもに政治空白をつくって、政策に停滞をもたらすようなことがあってはなりません。

 将来世代を含む全ての国民を代表する国会議員の皆さん。やるべきことを、きちんとやり抜こうではありませんか。あすへの責任を堂々と果たすため、先の国会で熟議の末に見いだした「はじめの一歩」の先に、確かな「次の一歩」を、この国会で力強く踏み出そうではありませんか。

二、「あすへの責任」を果たすための諸課題

あすへの責任 ~日本経済の再生に道筋を付ける~

 あすへの責任を果たす。それは、将来不安の連鎖を招くデフレ経済と過度な円高から抜け出すことです。そして、日本経済の潜在力を覚醒させ、先行きに確かな自信を取り戻すことです。

 日本経済の再生に道筋を付け、雇用と暮らしに安心感をもたらすことは、野田内閣が取り組むべき現下の最大の課題です。

 欧州の債務危機の余波や新興国経済の減速によって、世界経済の先行きは決して盤石とは言えません。かつてない規模での貿易赤字など、日本経済の足元にも不安が広がっています。

 今、日本経済が失速してしまっては、雇用や暮らしに直結するだけではなく、将来に向けた改革の推進力までもが失われかねません。切れ目のない経済対策は、改革を断行するための将来投資でもあるのです。

 首相に就任して以降、日本各地で、あすへの挑戦を続ける先駆者や経済の現場を縁の下から支える偉人たちと出会いました。彼らの自信に満ちた笑顔を思い出すとき、私は、日本の潜在力に確信を持つことができます。

 大田区の小さな町工場でミクロン単位の切削を難なく手作業でやり遂げる現代の名工。消費者との絆づくりに農業再生と故郷・群馬のあすを見いだす若き農業者。万国津梁(しんりょう)、世界の懸け橋とならんとの使命を自ら体現すべく、沖縄でソフトウエア開発にいそしむ起業家たち。そして、挫折を繰り返しながらも挑戦を続け、感謝と責任感を胸に、知のフロンティアを切り開いた山中伸弥教授。こうした姿は、私たち日本人の底力を示すほんの一端に過ぎません。

 経済再生を推し進める第一の原動力は、フロンティアの開拓により力強い成長を目指す「日本再生戦略」にあります。これは、疲弊する地域経済の現場であすのために戦う人たちへの応援歌でもあります。戦略に描いた道筋を着実にたどっていけるよう、日本再生を担う人材の育成やイノベーションの創出に力を入れるとともに、「グリーン」「ライフ」「農林漁業」の重点3分野と中小企業の活用に、政策資源を重点投入します。

 その先駆けとなる新たな経済対策の策定を指示し、先般、その第1弾をまとめました。新たな成長のエンジンとなるグリーンエネルギー革命。画期的な治療法を待ち望んでいる人たちの心に光をともす再生医療の推進。情熱ある若者を担い手として呼び込む農林漁業の6次産業化。今般の経済対策によって、これらをはじめとする将来への投資を前倒して実施します。また、金融政策を行う日本銀行とは、さらに一層の緊密な連携を図ってまいります。

 国民生活と経済の根幹を支えるエネルギー・環境政策は、大震災後の日本の現実に合わせて再構築しなければなりません。

 東京電力福島第1原発の事故は、これまで進めてきたエネルギー政策の在り方に無数の反省をもたらしました。あたかも事故がなかったかのように原発推進を続けようという姿勢も、国民生活へのさまざまな影響を度外視して即座に原発を無くそうという主張も、あすへの責任を果たすことにはなりません。

 今後のエネルギー・環境政策については、2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入するとした「革新的エネルギー・環境戦略」を踏まえて、遂行してまいります。その際、立地自治体との約束を守り、国際社会と責任ある議論を行うとともに、国民生活への深刻な打撃が生じないよう、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら対処します。

 戦後早くから長年続けられてきた原発推進政策を変えることは、決して容易なことではありません。それでも、困難な課題から、目をそらしたり、逃げたり、諦めたりするのではなく、原発に依存しない社会の実現に向けて大きく政策を転換し、果敢に挑戦をしていこうとするものです。

 そして、この新たな挑戦は、経済再生を推し進める第2の原動力ともなります。原子力に依存しない社会を一日でも早く実現するためにはもちろんのこと、日本経済が元気を取り戻すためにも、徹底した省エネ社会の実現と、再生可能エネルギーの導入拡大が鍵を握っています。そのためには、市民の主体的な参画も欠かせません。「グリーン政策大綱」を年末までに策定し、経済対策と併せて、日本から世界へと広がるグリーンエネルギー革命を思い切って加速させます。再生可能エネルギーの導入拡大に不可欠な電力系統の強化や安定化にも取り組みます。オールジャパンの力で、共にこの革命を成し遂げようではありませんか。

 世界の歴史の流れの大局を見据えたとき、通商国家たる日本がその繁栄を託すべきすべは、思慮深い経済外交にあります。経済外交は、中長期的なわが国の立ち位置を示すだけでなく、経済再生の第3の原動力ともなるものです。

 約半世紀ぶりに東京で開催した国際通貨基金(IMF)・世界銀行総会は、戦後も今も、世界と共にあってこそ日本の繁栄があることを再確認する機会でもありました。通商国家の要諦は、国際環境の変化への即応です。アジアの片隅に浮かぶ、老いていく内向きな島国として衰退の道へと向かってしまうのか。それとも、世界の発展の中心にあるアジア太平洋地域の核として、21世紀の新たな繁栄の秩序作りを主導し、活力に満ちた開かれた国を目指すのか。後者の道を果敢に選ばなければ、あすへの責任は果たせません。

 アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現という目標は、既に内外で共有されています。高いレベルの経済連携を引き続き推進し、自由な貿易・投資が各国に豊かさをもたらし、地域の互恵関係を強化する新たなルール作りを主導します。そのため、国益の確保を大前提として、守るべきものは守りながら、環太平洋連携協定(TPP)と、日中韓自由貿易協定(FTA)、東アジア域内包括的経済連携(RCEP)を同時並行的に推進します。併せて、日豪経済連携協定(EPA)などの交渉を推進し、日・EU(欧州連合)の早期交渉開始を目指します。

 また、アジア太平洋地域の玄関口として大きな潜在力を持つ沖縄については、その自立的な発展を引き続き力強く支援します。

 さらに、エネルギー・環境政策の革新を図る過程において、資源国との関係を強化する資源外交を展開し、エネルギー安全保障に万全を期してまいります。

あすへの責任 ~被災地の復興と福島再生を途切れさせない~

 あすへの責任を果たす。それは、大震災のもたらした試練を乗り越えるための支援を一刻たりとも滞らせることなく、被災地の復興への歩みを確実に前へ進めることです。

 発災から1年半以上の歳月が流れました。故郷を愛する住民たちの不屈の精神に支えられ、被災地の街の再生にさまざまな進捗(しんちょく)が見られる一方で、政府の取り組みには、まだまだ不十分な点、至らぬ点があることも事実です。私は、これまで何度も被災地を訪れ、仮設住宅で暮らされている方々の切実な声に接してきました。そうした声に応え、厳しい冬を乗り切るため、お風呂に追いだき機能を付けるなど、寒さへの備えに万全を期してきました。被災された方々のお住まいがなくなるとの懸念に応え、仮設住宅の2年の入居期限を延長しましたが、さらに災害公営住宅の整備や住宅の高台移転を精力的に進めます。また、被災地からのご要望が特に強い中小企業グループ化補助金の拡充をはじめとする予備費の機動的な投入も決めたところです。

 これからも、復興庁が司令塔となり、改善すべきは改善しながら、継続的な人的支援、復興特区、復興交付金などの支援を進めます。がれきを処理し、活力ある故郷をよみがえらせるために奮闘する住民と自治体の努力を、企業やNPOなどとも連携しながら、政府一丸となって支えてまいります。

 復興予算の使途に、さまざまな批判が寄せられています。被災地の復興に最優先で使ってほしいという声に真摯(しんし)に耳を傾けなければなりません。被災地が真に必要とする予算はしっかりと手当てしつつ、それ以外については、厳しく絞り込んでまいります。

 原発事故との戦いは、今もまだ続いています。私が先日訪問した福島第1原発の構内では、過酷な作業を続ける現場の作業員に向けて、全国から送り届けられた応援と感謝の言葉が、壁を埋め尽くしていました。風評被害を払拭(ふっしょく)しようとする地元の人たちの懸命な努力に応え、被災地の産品を食べて応援しようという動きも広がっています。福島を愛し、福島の再生に格闘する人たちの不屈の精神は、それを支えようとする、心ある全国の人々とつながり、確かに響きあっているのです。

 福島の再生なくして日本の再生なし。政府全体で共有しているこの強い決意が揺らぐことはありません。内外から寄せられる支援や励ましがやむこともありません。事故原発の廃炉に向けた作業を着実に進めるとともに、除染、賠償、インフラの復旧、産業の再建など福島再生を具体化していくために、予備費による福島企業立地補助金の拡充をはじめとする最大限の政策を実施してまいります。

 先の大震災は、国全体の防災対策にも大きな警鐘を鳴らしました。これまでに得た教訓を将来発生が懸念されている南海トラフの巨大地震や首都直下地震などの対策に生かしていくことも、私たちに託されたあすへの責任です。平素から、大規模自然災害だけでなく、テロやサイバー攻撃なども含め、国民の生命・財産を脅かすような事態への備えを徹底し、常に緊張感を持って危機管理に万全を期します。

あすへの責任 ~国民生活の安心の基盤を固める~

 あすへの責任を果たす。それは、私たちが日々の生活を送る上で感じている将来への不安を少しでも取り除いていくことです。

 あすに希望を持てない若者たちが数多くいます。あすを担う子どもたちを育てる喜びを実感するよりも、その負担に押しつぶされそうになっている親たちがいます。貧困や孤独にあえぎ、あるいはその瀬戸際にあって、あしたの生活さえ思い描けない人や、いじめにおびえる子どもたちもいます。

 そうした現実から目をそらさず、社会全体として手を差し伸べなければなりません。一人でも多くの人が、働くことを通じて社会とつながる実感を抱くことができるよう、経済全体の再生やミスマッチの解消を通じて、雇用への安心感を育みます。行政の手が行き届かないところにも社会のぬくもりを届ける「新しい公共」が社会に根付くための環境整備にも努めます。

 国民生活の将来に不安が残るのは、年金、医療、介護といった社会保障の道行きに依然として不確かさがあるからです。

 チルドレン・ファーストの理念に立脚した子ども・子育て支援については、歴史的な拡充に向けて、既に新たな扉が開かれています。

 公党間の約束である3党合意を基礎に、社会保障の残された課題についてさらに議論を進めなければなりません。早急に「(社会保障制度改革)国民会議」を立ち上げ、年金や高齢者医療など、そのあるべき姿を見定め、社会保障の将来に揺るぎない安心感を示していこうではありませんか。

 消費税率引き上げの意義は理解できても、生活への影響に不安を感じるという声も聞こえます。低所得者対策や価格転嫁対策を具体化するとともに、きめ細やかな社会保障や税制の基盤となるマイナンバー制度を実現しなければなりません。また、所得税や相続税の累進構造を高めるなど、税制面から格差是正を推し進めなければなりません。積み残しとなっている関連法案の早期成立も含め、こうした社会保障・税一体改革の残された課題に、一つ一つ道筋を付けていこうではありませんか。

あすへの責任 ~国家の矜持(きょうじ)を保ち、平和と安定に力を尽くす~

 あすへの責任を果たす。それは、国家としての矜持を保ち、アジア太平洋地域の平和と安定に力を尽くしていくことです。

 わが国をめぐる安全保障環境は、かつてなく厳しさを増していることは間違いありません。領土や主権をめぐるさまざまな出来事も生じています。わが国の平和と安全を守り、領土・領海を守るという国家としての当然の責務を、国際法に従って、不退転の決意で果たします。先の国連総会において、私は、こうしたわが国の立場を明快に申し述べました。憲法の基本理念である平和主義を堅持しながら、今後とも国際社会への発信を続けるとともに、周辺海域の警備体制の強化に努めます。

 同時に、人と人との国境を越える交流は、かつてない深まりを見せています。大局観を持って、中国、韓国、ロシアをはじめとする周辺諸国と安定した信頼関係を取り結ぶことは、わが国と地域全体が平和と繁栄を享受するための礎であり、国が果たすべき重大な責務の一つです。

 あくまで基軸となるのは、日米同盟です。その基盤をより強固なものにしなければなりません。そうであればこそ、先般、沖縄で発生した許し難い事件は、日本国民、特に沖縄県民の心を深く傷つける事件であり、決してあってはならないものです。事件・事故の再発防止はもちろん、普天間飛行場の移設をはじめとする沖縄の基地負担の軽減に向け、全力で取り組んでいくことを改めて誓います。

 北朝鮮との関係では、4年ぶりとなる政府間協議を再開すべく調整しています。日朝平壌宣言にのっとって、拉致、核、ミサイルの諸懸案を解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を図る方針を堅持しつつ、拉致問題の全面的な解決に全力を尽くします。

 先の国会で述べた通り、首脳間の信頼関係の強化に努め、周辺諸国との友好・互恵関係のさらなる充実に努めてまいります。

あすへの責任 ~政治・行政への信頼回復~

 あすへの責任を果たす。それは、政治と行政への信頼を取り戻すことです。

 最高裁から違憲状態との警告がなされている衆参両院における1票の格差の是正と、定数削減を含む選挙制度改革は、もはや一刻の猶予も許されません。必ず、この国会中に結論を見いだしてまいります。

 いかなる政権であっても特例公債なしで今の財政を運営することはできません。既に地方予算などで執行抑制が余儀なくされており、このままでは身近な行政サービスなどが滞って国民生活にも重大な支障が生じ、経済再生の足を引っ張りかねません。

 「ねじれ国会」の制約の下で、「政局」第一の不毛な党派対立の政治に逆戻りしてしまうのか。それとも、政策本位で論戦を戦わせ、やらなければならないことにきちんと結論を出すことができるのか。その最大の試金石となるのが、特例公債法案です。一刻も早い法案の成立を図るとともに、予算の裏付けとなる法案の在り方に関して与野党が胸襟を開いて議論を進め、解決策を見いださなければなりません。毎年の特例公債法案を政治的な駆け引きの材料にしてしまう悪弊をここで断ち切ろうではありませんか。

 行政改革の歩みも止めてはなりません。地域主権改革は、民主党を中心とする政権にとって改革の一丁目一番地です。関係者の意見を踏まえながら、義務付け・枠付けのさらなる見直しや出先機関の原則廃止などを引き続き進めます。また、独立行政法人・特別会計改革、国家公務員の総人件費の抑制、公務員制度改革を引き続き推進するとともに、退職給付の官民格差解消を図ります。さらに、復興に向けた国民負担を軽減できるよう日本郵政の株式売却の準備を進めるとともに、郵政3事業の一体的な運営とユニバーサルサービスの義務付けを基本とする郵政事業改革も着実に進めます。

三、おわりに ~中庸の姿勢で、「あすへの責任」を果たす決意~】

 誰しも、10代さかのぼれば、そこには1024人の祖先がいます。私たちは、遠い昔から祖先たちが引き継いできた長い歴史のたすきを受け継ぎ、この国に生を受けました。戦乱や飢饉(ききん)の最中にも、明治の変革期や戦後の焼け野原においても、祖先たちが未来の世代を思い、額に汗して努力を重ね、将来への投資を怠らなかったからこそ、今の私たちの平和と繁栄があるのです。

 子や孫たち、そして、10代先のまだ見ぬ未来を生きる世代のために、私たちは何を残していけるのでしょうか。
 夕暮れ時。一日の仕事を終えて仰ぐ夕日の美しさに感動し、汗を流した充足感に包まれて、あしたを生きていく力が再び満ちていく瞬間です。10年先も、100年先も、夕日の美しさに素直に感動できる勤勉な日本人でありたい。社会にぬくもりがあふれる、平和で豊かな日本を次の世代に引き継いでいきたいのです。

 私たちの目の前には、国論を二分するような、複雑で困難な課題が山積しています。あまりに先行きが不透明で、閉塞(へいそく)感に包まれているが故に、ややもすると、単純明快で分かりやすい解決策にすがりたいという衝動に駆られてしまうかもしれません。しかし、「極論」の先に、真の解決はありません。

 複雑に絡み合った糸を一つ一つ解きほぐし、今と未来、どちらにも誠実であるために、言葉を尽くして、進むべき道を見いだしていく。共に見いだした進むべき道を、一歩一歩、粘り強く、着実に進んでいく。私たちの背負うあすへの責任を果たす道は、中庸を旨として、意見や利害の対立を乗り越えていく先にしか見いだせません。

 国会議員の皆さん。まずは、目の前にある課題に向き合わなければなりません。あくまで政策本位で、未来をおもんぱかり、あすへの責任をひたすらに果たしていく政治文化を確立しようではありませんか。

 そして、この演説をお茶の間や職場でお聞きいただいている、主権者たる一人ひとりの皆さん。「今が良ければそれで良い」という発想では、国としてのあすへの責任は果たせません。主権者たる皆さんの力が必要です。

 日本経済の再生の先頭に立つのも、グリーンエネルギー革命を担うのも、活力ある故郷の町をよみがえらせるのも、皆さんです。国を守る姿勢を貫くのも、日本の将来への危機感を共有して負担を分かち合っていくのも、全て皆さんです。

 皆さんが願うのは、党派対立が繰り返され、大局よりも政局ばかりを優先してしまう政治なのでしょうか。それとも、やるべきことを最後までやり抜き、あすへの責任を着実に果たしていく政治なのでしょうか。主権者たる皆さんには、政治の営みを厳しく監視し、あすへの責任を果たす方向へと政治の背中を押してほしいのです。

 政権交代以降、民主党を中心とする政権のこれまでの取り組みは、皆さんの大きな期待に応える上ではいまだ道半ばでありますが、目指してきた社会の方向性は、決して間違っていないと私は信じます。それは、今を生きる仲間と「あしたの安心」を分かち合い、これからを生きていく子や孫たちに「あすへの責任」を果たしていくという強い意思です。中間層の厚みを取り戻し、格差のない公正な社会を取り戻していこうとする断固たる姿勢です。

 暮らしや雇用の不安におびえる人たちは、今この瞬間にも、社会のぬくもりが届けられるのを待っています。未来を生きる声なき弱者たちは、常に、私たちの責任ある行動を待っています。あしたの安心をもたらし、あすへの責任を果たすのは、今です。

 今こそ、全ての日本人が手を携えて、分厚い中間層に支えられた、ぬくもりあふれる社会の実現に向けて、さらなる一歩を踏み出そうではありませんか。あらん限りの底力を発揮し、将来への自信を確かなものへと変えていこうではありませんか。そして、未来に向かって永遠の時間を生きていく将来の国民たちの声なき期待に応えていこうではありませんか。

 この国会が、あしたの安心をもたらし、あすへの責任を果たす建設的な議論の場となることを強く期待して、私のこの国会に臨んでの所信といたします」

29日、自民党の石破幹事長は党本部で記者団に前原国家戦略担当大臣の事務所費問題の一部報道について発言。

石破幹事長の記者団とのやり取りをまとめると下記の通り。

「事実関係をよく確認し、前原大臣本人から見解を聞くことがまず必要である。自民党政権時代はこの問題で閣僚辞任が起こっている。今回のケースとどのような異同があるかよく確認し、前原大臣の責任を明らかにしたい」


28日、前原国家戦略担当大臣は名古屋市の講演で原発政策について発言。

前原国家戦略担当大臣講演での発言をまとめると下記の通り。

自民党は「原発をやり続ける」と言っている。自民党政権に戻れば、自民党は絶対に原発を無くさない。日本が原発ゼロの道を歩むことが全く白紙になってしまう。我々は「原発ゼロ」を目指し、あらゆる政策資源を投入する。自民党政権になれば公共事業中心の政治に戻る。公共事業をばらまく政治に戻して良いのか」