レース開始前の状況


ロッシ:ロレンソに50ポイントの差をつけてポイントリーダー

ロレンソ:ここ2戦連続のノーポイント

ペドロサ:失うものは無しの状況でポールポジション


もしレース直前に予想を書くとすればペドロサの名前を思い浮かべた人も多かったはず。ロッシは無理をする必要なし。ロレンソは無理「できない」。で、結果はロレンソの勝利!コメントがまたいい。


「レース前、ジャーナリストたちにチャンピオンシップはほぼ不可能だと言った。今は、難しいけど、不可能ではないと言えるだろう」


2年連続で250ccを制し、華々しい最高峰クラスデビューを飾ったロレンソ。ポイントランキングの上位に名を連ね、誰もがチャンピオンへの期待の目で見ていたのは間違いないし、その期待を理解しているロレンソ。しかし派手なパフォーマンス、激しいライディングとは裏腹にずっとメディアへの言葉を慎重に選んでいたロレンソ。ついにその時が来たのです。


実は私は今年の茂木でそれを予感していました。ロッシのあんな負け方はちょっと見たことがなかった。ついに世代交代かと頭をよぎりました。しかしそうではなかった。もちろんまだまだロッシはやってくれるに違いありません。現時点でも今年のチャンピオンシップに最も近いのはロッシです。ただロレンソはインディアナポリスで気づいたのです。自分がチャンピオンシップを獲る資格がある事を。チャンピオンシップを獲る事が使命である事を。



私がmotoGPを見始めたのは1990年ぐらいからです。シュワンツ&レイニーど真ん中です。千年屋アナの実況でした。で、1993年から1997年頃までは環境的理由からほとんどGPを観ていませんでした。原田も知らずビアッジも青木兄弟の活躍もリアルタイムで観ていませんでした。環境が復活してテレビ観戦復活したのが1998年です。カピロッシが原田にアタックした年です。ノリックもバリバリでした。


この1998年に久しぶりに観たGP、もっとも記憶に残っているのがロッシなんです。500ccでなくて250ですね。原田へのカピロッシアタックを目の前で見ていたロッシがレース終了後その様子を興奮しながらインタビューに答える様子も印象的でしたが、一番印象に残ってるのが何GPだか覚えてないんですがレースが原田とロッシの一騎打ちになって。先頭が原田で2番手ロッシ。中盤かな?原田は先頭を嫌がって1コーナー手前でわざとロッシを前に出す。ロッシも同じ考えでやはり原田を前に行かせる。多分セカンドグループと相当タイム差があったからこんなやり取りがあったんでしょう。お互いコーナー手前でスピードダウンして相手を前に行かせる、という駆け引きを何回か繰り返した後、先頭のロッシがとった行動


「ホームストレートをウイリーで走る(もちろんレース中。しかもそこそこ全開ウイリー)」


ロッシのファンになるのにはこのパフォーマンスで十分でした。というかなんという愛すべきバカなんだろう。1998年は千年屋アナじゃなくてNHKBSのアナだったはずですが、うろ覚えですが、


「・・・・今、ウイリーしました・・・・?」


みたいな実況だった覚えが。そのレースが何GPかも覚えていませんし、勝ったのがどっちかも覚えていません。ロッシって単純に速いだけのライダーでなくて駆け引きに長けてますよね。それでいて観客を沸かせるパフォーマンスがうまい。ついでにいうと男前。惚れてまうやろー、って男でも言いますわな。


今現在ロッシとロレンソのガチンコバトルが繰り広げられているわけですが、残念ながら駆け引きでは当分ロッシにはかなわないでしょう。でも幸せなのは、ロレンソはロッシとガチンコバトルができる速さを持っているんです。ロレンソは今駆け引きを学習し続けているのです。近い将来間違いなくチャンピオンになるであろうロレンソ。ロッシと時代がかぶっている事はマイナスではなくて大きなプラスになるはずです。



チェコGPが開催されました。

ストーナーのいない後半戦。ほぼ誰もが予想したとおりの展開だったんじゃないでしょうか?ロッシとロレンソの一騎打ちを期待していた私にとってこれ以上無い展開でした!残り7周の3コーナーでついにトップに躍り出たロレンソ。しかし今回のチェコもこの2人のバトルは前半戦の一騎打ちと同じ展開で決着。


「ロッシはやられたところでやりかえす」


さすがに今年何回も同じようなシーンを見続けていたので、予想はついた。多分ロレンソも分かっていた。分かっていたから無理したんだよね。。。多分後半戦、同じような展開がまだまだ待ってるはず。その時にプレッシャーにも打ち勝って、アタックに成功するロレンソを観たい!いや必ずやってくれると信じてるよ!


それにしてもいつの間にかmotoGPってイタリア人とスペイン人比率増えすぎじゃないのか??日本人も頑張って欲しい!