「今の上司を変えるため」ではなく、「次の世代が同じ失敗を繰り返さないため」
これまで管理職や上司の問題について何度も書いてきました。
しかし、誤解してほしくないのは、これらの記事は「今の上司を改善する方法」を中心に書いているわけではないということです。
もちろん改善できる部分はありますし、少しでも良くなること自体は価値があります。
ただ、現実的に考えると、40代や50代になってから長年の価値観や習慣を根本から変えることは容易ではありません。
経験によって身についた長所もありますが、同時に固定化された考え方や行動パターンもあります。
そのため、改善によって「より良くなる」ことはあっても、若い頃から健全な考え方を身につけてきた人と同じ地点まで到達できるとは限りません。
だからこそ、本当に大切なのは今の10代、20代が同じ失敗を繰り返さないことです。
今の若い世代には、管理職になってから学ぶのではなく、今のうちから人との向き合い方や組織運営のあり方を学んでほしいのです。
特に宗教組織では、この問題はさらに深刻になります。
本来、信仰とは謙虚さを学ぶものです。
もし自分に限界があると分かったなら、「自分には向いていない部分がある」「自分より適任者がいるかもしれない」と認めることも信仰者としての誠実さではないでしょうか。
もちろん、実際には立場や事情によって簡単に役職を降りられないこともあります。
しかし、本当に重要なのは降りることそのものではありません。
「自分は絶対に正しい」という姿勢ではなく、
「自分にも見えていない部分があるかもしれない」
という態度を持ち続けることです。
これまで書いてきた改善案も同じです。
共感性を身につけること。
人の話を聞くこと。
自分の言葉と行動を一致させること。
部下や後輩を尊重すること。
どれも理屈としては難しくありません。
しかし、謙虚さがなければ実現できません。
「自分は既にできている」
「自分は間違っていない」
という前提に立った瞬間、それらはすべて実行不可能になります。
だから私は、管理技術やノウハウ以前に、まず姿勢の問題を書いているのです。
技術は後から学べます。
しかし、自分の限界を認める謙虚さだけは、誰かに与えてもらうことはできません。
次の世代には、肩書や権限よりも先に、その姿勢を身につけてほしいと思っています。

