前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と前田は会長のツテで新たに
業務提携した飲食店経営の会社に
研修へ来ていました。
第226話:和食は王道では無い
本田承太郎がお店に研修に来て
感じたのは
フランチャイズの様な
大手企業が展開する飲食店と
今回の研修先の様な小規模経営の
本格的な料理屋では
営業体制やターゲットが
全く違う事が良く解りました。
例えば同じレストランでも
三ツ星レストランとファミレスでは
出てくる料理やサービス、
価格から営業時間まで全てが
全く違います。
それで収益はファミレスの方が
大きく上回っていたりします。
ターゲットで言うと
三ツ星レストランは
本格的な料理と
空間や時間を楽しんで貰える
サービスを提供していまが
ファミレスではファミリー向けの
メニュー構成から居心地、
楽しさ目新しさなど興味を
惹かれる品揃えと便利で
リーズナブルな価格提供を
行っているのです。
その場面場面でどちらのお店も
利用する機会があると思いますし
一方のお店だけ利用するという人も
中にはいるかもしれません。
客層の違いは価格帯もですが
利用目的の違いと言えます。
デートや会食など雰囲気も
込みで食事したい時や
本当に職人が時間を掛けて作った
成熟した味の料理を楽しみたいとか
特別な感情がある時に利用される
レストランと
ファミレスの様に気軽に行けて
深夜でも普通に食事が楽しめるし
子供連れでも迷惑にならないし
価格も安く色んなラインナップで
飽きさせないメニューがあるのは
利用回数も増えやすいと
言える事でしょう。
あるTV番組で音楽業界では
絞られたターゲットに向けた
曲が多すぎて幼稚だと
出演した芸能人が言っていました。
若い世代の女子限定に受ける歌詞や
現役学生だけに受ける歌詞が
それに当たると。
対して大物スターは王道で
使い古された技術を使いまわし
より大勢の人に受ける歌を
作っているとも言っていました。
スキルがあるのは逆ですが、
飲食店も同じで王道で万人に
受け入れられるのがファミレスで
ターゲットを絞っているのが
高級レストランの様に思います。
本田の研修先である割烹料理の
和食店でもターゲットは
絞られています。
日本人だから和食は王道の様に
感じますが今は事情が違います。
いま日本には多くの国の料理が溢れ
更に多くのジャンルの専門店が
溢れています。
いまや
日本料理はそのジャンルの一つ
になっていて
まずはそのジャンルをお客様に
選ばれなければならないのです。
そこから競合店に勝って
やっとお客様を得られるのです。
だから広く受け入れられ易い
ファミレスと高級店では
攻め方が違い労働環境が大きく
違ってくるのも当然なのです。
だからこそ
お店の展開を広げていく計画と
営業スタイルの確立はリンクして
行かなければならないと
本田は感じていたのでした。
つづく
前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と前田は会長のツテで新たに
業務提携した飲食店経営の会社に
研修へ来ていました。
第225話:提携合意の理由
本田の知人の話では工場で働く
社長や環境など普通に労働基準法を
ぶっちぎっていると言います。
その理由はやる気の無い人間を
雇っていても自分たちの
人生が掛っている死活問題になるし
自分が苦労してやってきた事を
やれない人間は仲間じゃ無いと
言う気持ちがあるのだそうです。
飲食業界でも同じような事は
多々あると思います。
しかし
大手企業やフランチャイズ経営、
複数店舗を抱える成長企業などの
飲食店ではそのままだと
問題になります。
末端ではまかり通っていても
大きく収益が上がってくると
整備も必要になるという事です。
確かに飲食店でもピンから
キリまであると思います。
ブラックの様な労働体制で営業を
続けているお店はどこかに
歪が出てきて繁盛店にはなりません。
だからいつまでもしんどくて
給料も増えないので部下に不必要に
厳しくしたり自分の利益を増やす為に
着服したりするのです。
サービス面でも当然低下していくので
パフォーマンスは良くありません。
それでも職人の様に目的意識が
ハッキリしていたり明確な
目標がある場合は違います。
自分のお店を持った時に自由に
営業する為に頑張っている人も
山ほどいるのです。
一番情けないのは本田の知人の様な
自分の環境に甘んじて
他人に厳しくして自分たちの
利益だけを守って
会社を成長させようともせずに
現状を維持する人間です。
本田の研修先の社長は
そんなお店にはしたくないと
店舗展開の基盤を作りたいのだと
言ったそうです。
対して本田の会社は基本的な
ノウハウやスキル習得、
店舗を広げていくまでを
学びとりたいと言う事が目的でした。
企業としてのコンプライアンスの
提供や情報共有と同じジャンルでの
開業は行わない事を約束し
協力関係を結んだという事でした。
つづく
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と前田は会長のツテで新たに
業務提携した飲食店経営の会社に
研修へ来ていました。
第225話:提携合意の理由
本田の知人の話では工場で働く
社長や環境など普通に労働基準法を
ぶっちぎっていると言います。
その理由はやる気の無い人間を
雇っていても自分たちの
人生が掛っている死活問題になるし
自分が苦労してやってきた事を
やれない人間は仲間じゃ無いと
言う気持ちがあるのだそうです。
飲食業界でも同じような事は
多々あると思います。
しかし
大手企業やフランチャイズ経営、
複数店舗を抱える成長企業などの
飲食店ではそのままだと
問題になります。
末端ではまかり通っていても
大きく収益が上がってくると
整備も必要になるという事です。
確かに飲食店でもピンから
キリまであると思います。
ブラックの様な労働体制で営業を
続けているお店はどこかに
歪が出てきて繁盛店にはなりません。
だからいつまでもしんどくて
給料も増えないので部下に不必要に
厳しくしたり自分の利益を増やす為に
着服したりするのです。
サービス面でも当然低下していくので
パフォーマンスは良くありません。
それでも職人の様に目的意識が
ハッキリしていたり明確な
目標がある場合は違います。
自分のお店を持った時に自由に
営業する為に頑張っている人も
山ほどいるのです。
一番情けないのは本田の知人の様な
自分の環境に甘んじて
他人に厳しくして自分たちの
利益だけを守って
会社を成長させようともせずに
現状を維持する人間です。
本田の研修先の社長は
そんなお店にはしたくないと
店舗展開の基盤を作りたいのだと
言ったそうです。
対して本田の会社は基本的な
ノウハウやスキル習得、
店舗を広げていくまでを
学びとりたいと言う事が目的でした。
企業としてのコンプライアンスの
提供や情報共有と同じジャンルでの
開業は行わない事を約束し
協力関係を結んだという事でした。
つづく
前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と前田は会長のツテで新たに
業務提携した飲食店経営の会社に
研修へ来ていました。
第224話:お店のレベルが末端
飲食店の厨房など厳しい現場では
今でも平気でブラック企業の様な
言動をするお店もありますし
最悪手が出る事もあるそうです。
ある程度有名なお店になると
そうもいきませんが個人店など
規模が小さいお店では
少なからずありうる事だと言います。
これは他の業態である
中小零細企業や自営業の会社なら
普通にある事かも知れません。
本田の高校生の時の同級生と
同窓会で会った時に聞いた話で
彼は自営で工場を持っている
そうなのですが
使えない人間を平気でクビに
したり気に入らない人間に
無茶苦茶なタスクを与えて
辞めさせると言っていました。
「それはまずいだろう」
と言っても本人は何も
感じていませんでした。
むしろ
使えない人間や自分の言う事を
聞かない人間には容赦なく接しても
良いという言動が目立ちます。
本人にはそれが普通で
当たり前の事の様に
言っていたのです。
「今の時代そういう事を続けても
人は付いてこない」
と周囲から言われても
全く気にせずそれで成り立っている
空気がその会社にはあるようです。
この会社の様に飲食店の
お店の現場ではその会社の社風に
よって環境がかなり大きく
違うそうです。
本田の研修先の様に
厳しい現場で何を言われても
我慢していく仕事場や
過酷な労働時間も自分が
成長する為のステップとして
用意されている段階であると
刷り込まれる現場です。
他のお店では
会社のエリア管轄が絶対的な
権力を持っていて例えお店の店長や
現場責任者の調理長が何を言っても
上司からの命令で覆る
会社組織の様なお店もあります。
また、
労働環境も対照的で
絶対に労働基準を守ろうとする
会社と本田の知人の様に
労働基準はどうでもいいから
成果を上げろというスタイルの
お店もあります。
なぜ労働基準を守らなくても
平気なお店が世の中には
沢山あるのでしょうか。
それは、
お店のレベルが末端だからです。
雇っている人間も訴えない人を
選んでいますし個人経営の
お店を訴えてもあまり本人に
メリットはありません。
だから厳しくして辞める様な
人間には向いていないと切り捨て
耐える人間だけ雇うのです。
店舗展開を進めるお店では
労働基準や風土をキレイにして
発展を目指していきますが
その反面個人で利益が
出ているお店ならそのスタイルを
あまり変えない事も
考えられるでしょう。
しかし、
店舗数が増えるとそうも
言っていられなくなります。
今回、
本田の会社の会長と研修先の
お店の社長が提携合意した
理由もそこにありました。
つづく