前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と前田は会長のツテで新たに
業務提携した飲食店経営の会社に
研修へ来ていました。
第224話:お店のレベルが末端
飲食店の厨房など厳しい現場では
今でも平気でブラック企業の様な
言動をするお店もありますし
最悪手が出る事もあるそうです。
ある程度有名なお店になると
そうもいきませんが個人店など
規模が小さいお店では
少なからずありうる事だと言います。
これは他の業態である
中小零細企業や自営業の会社なら
普通にある事かも知れません。
本田の高校生の時の同級生と
同窓会で会った時に聞いた話で
彼は自営で工場を持っている
そうなのですが
使えない人間を平気でクビに
したり気に入らない人間に
無茶苦茶なタスクを与えて
辞めさせると言っていました。
「それはまずいだろう」
と言っても本人は何も
感じていませんでした。
むしろ
使えない人間や自分の言う事を
聞かない人間には容赦なく接しても
良いという言動が目立ちます。
本人にはそれが普通で
当たり前の事の様に
言っていたのです。
「今の時代そういう事を続けても
人は付いてこない」
と周囲から言われても
全く気にせずそれで成り立っている
空気がその会社にはあるようです。
この会社の様に飲食店の
お店の現場ではその会社の社風に
よって環境がかなり大きく
違うそうです。
本田の研修先の様に
厳しい現場で何を言われても
我慢していく仕事場や
過酷な労働時間も自分が
成長する為のステップとして
用意されている段階であると
刷り込まれる現場です。
他のお店では
会社のエリア管轄が絶対的な
権力を持っていて例えお店の店長や
現場責任者の調理長が何を言っても
上司からの命令で覆る
会社組織の様なお店もあります。
また、
労働環境も対照的で
絶対に労働基準を守ろうとする
会社と本田の知人の様に
労働基準はどうでもいいから
成果を上げろというスタイルの
お店もあります。
なぜ労働基準を守らなくても
平気なお店が世の中には
沢山あるのでしょうか。
それは、
お店のレベルが末端だからです。
雇っている人間も訴えない人を
選んでいますし個人経営の
お店を訴えてもあまり本人に
メリットはありません。
だから厳しくして辞める様な
人間には向いていないと切り捨て
耐える人間だけ雇うのです。
店舗展開を進めるお店では
労働基準や風土をキレイにして
発展を目指していきますが
その反面個人で利益が
出ているお店ならそのスタイルを
あまり変えない事も
考えられるでしょう。
しかし、
店舗数が増えるとそうも
言っていられなくなります。
今回、
本田の会社の会長と研修先の
お店の社長が提携合意した
理由もそこにありました。
つづく