本田承太郎 -33ページ目

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
研修から戻った承太郎と部下の前田は
人事部の倉持の所へ講義を受けに
やってきました。


第145話:エクセルPL表フォーマットをプレゼント

倉持はお店の管理に必要な計算書で
PL表(profit and loss statement)と
呼ばれる物を紹介しました。

そして営業活動の実態を
把握する為のもう一つの計算書で
貸借対照表について話していきます。

貸借対照表は
Balance sheet(BS)と呼ばれ、
財務状況を知る為に用います。

主に資金の調達方法、
資金の使い道、資金と負債や
資本の割合が確認できます。

貸借対照表


PL/BSともに使い慣れないと
扱いが難しく解らない部分も
あるかもしれませんが

一定期間の利益・費用などを
どれだけ使ったか、得たのかを
日々確認するもので

営業実績を見る為に使いますので
理解し活用出来るようになれば
お店の利益を把握して
管理できる様になります。

収益の構造を理解できていない方は
まずはPL表を営業で活用し
分析できる様に使用して下さい。


難しく考えず、
PL表に実際に掛っている費用を
まとめて行く作業から入ります。

通常は一カ月分を作成して
利益計算をしてどれくらい利益が
見込めるのかと言う事を把握します。

予算を計画する時にも利用できて、

実際の営業を続ける中で
予算のPL表と実績のPL表を
比較する事で日々の誤差や予定との
誤差を見つける事が出来ます。



例えば、

予算のPL表ではお客様に出す
「お絞り代」を1万円に設定していて
実際にはメンテナンスや廃棄分で
2万円の費用が掛りました。

その際にPL表で比較すると
マイナス1万円の補てんを人件費や
他の経費を削減する事で補える

と言う事が早い段階で解ります。

つまり、

「今月は費用が嵩むから
ちょっとずつ経費を削減する」


と言う様な対策が立てられる訳です。

PL表の項目(勘定科目)を
見てもらえば分かるとおり、
非常に多くの項目があります。

PL


そして月の最後にこれを全て
集計するのでは余りにも膨大な労力と
精度に問題が出てきます。

営業を進めていく中で不明に
足りない金額や

いくら使ったのか解らない事が
無いように毎日帳簿を付けて
管理してほしいと思います。

現在帳簿を任される立場に無い方も
早い段階で帳簿に慣れると
管理者になった時に数値管理や
分析がやり易くなるという
メリットがあります。

1か月を週や日で割って
各、項目ごとに管理していきます。

こういったデータを全て取っていても
月末に計算が必要になりますので
出来ればパソコンで管理される事を
お勧めします。


倉持は全員に数値計算の為の
糧となるように

エクセルPL表フォーマットを
プレゼントとして渡しました。

そして日々営業で使える
使い方を説明していきました。


つづく

当ブログにご訪問頂いたあなたに
限定でPLフォーマット簡易版を
無料プレゼント致します。
手順が若干面倒ですが
良ければ貰って下さい。
>>ダウンロード<<
前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
研修から戻った承太郎と部下の前田は
人事部の倉持の所へ講義を受けに
やってきました。

第144話:収益の構造について

人事部の倉持は
各事業部から人選された数名に
基礎的な数値管理の講義として
収益の構造について話を
していました。

その中で本田承太郎と前田も
飲食店での数値把握と使い方を
理解していく事になります。

倉持
「一口に利益と言っても色々と
種類がある事を皆さんは
知っているでしょうか?」



・売上総利益(粗利益)
・営業利益
・経常利益
・税引き前当期利益
・税引き後当期利益


利益にはこの様な種類があります。

このうち飲食店で現実的に使うのは

・売上総利益(粗利益)
・営業利益


と言う事になるでしょう。

粗利とと言われる売上総利益は、
売上げから仕入れに使ったお金、
(原価)を引いたもの
を言います。

粗利


例えば

ラーメン屋で営業を行ったとして
1日の売上げが8万円の場合です。

当日仕入れに使った費用が
1万8千円だとすれば

売上の8万円から
仕入れの1万8千円を引いて
6万2千円が

売上総利益(粗利)となります。



次に営業利益ですが、先ほどの
売上総利益から営業で使用した
全てのコスト(販管費)を
引いたもの
を営業利益と言います。

営業利益


※販管費とは、

販管費=販売費と一般管理費の略

販売費=販売にかかる
費用の販売費(人件費や宣伝費・他)

一般管理費=営業を進める事で掛る
一般管理費(水道ガス代その他等)



そして、経常利益

会社が営業以外での利益
または費用などで出費があった場合

その金額を計算に入れた
利益の事を経常利益と言います。

不動産などで収入がある場合
などが例に挙がります。

経常利益


始めに言った
税引き前当期利益
税引き後当期利益に関しては

営業活動以外の収益とし、
不動産売却などで発生した臨時的な
利益や損失を計算したものが
税引き前当期利益です。
これは特別損益とも言います。

ここから法人税などを引いた利益が
税引き後当期利益と言います。

当期利益

実際の営業における利益の計算は
損益計算書で見て行きます。


損益計算書は
profit and loss statementの
プロフィット・ロスを略して
「PL表」などと言われ、

お店の営業実態を確認、
分析する為に使われています。

PL表

このPL表の理解がお店にとって
最も重要な利益管理であり

実際のお店の営業でもPL表での
数値管理を極めると数字に強く
問題を発見出来るようになる

言われます。

次に倉持は営業活動の実態を
把握する為のもう一つの計算書を
話していきます。

つづく
前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
研修から戻った承太郎と部下の前田は
人事部の倉持の所へ講義を受けに
やってきました。

第143話:役割は最大の利益の確保

本田承太郎は、
研修から戻り前田と共に予定していた
倉持からの講義を受けに来ました。

倉持
「本田君、研修お疲れさまでした。
人材育成の合宿は勉強に
なったでしょうか?」


本田
「はい。多くの学びがありました。
グループにおけるリーダーの心得や
精神のあり方や基本的な所作を
学び直しました」

「会社は1人30万も支払ったのだから
会社にその成果をどうやって
返していくつもり?」

「正直、自分としてはこういった
強制的な合宿を会社に採用させては
いけないと思っています」


「根本的に否定するという事?」

「いいえ、多くの学びがある一方
一時的な成果しか見られないだろうと
個人的には思っています。

だとすれば研修で人材育成を
徹底しなくてはいけないような
自分たちの教育不足や勉強不足を
解消していく事で余計な研修費を
削減できると思います」


「そうね、
私も本田君の言っている事は解る
様な気がします。

その為に頑張って早く上に
上がってきて欲しいわね」

倉持部長はそう言って本田の
帰還を労いました。

そして、以前から予定していた
特別講義の続きで飲食店における
数値管理を今回から始めて行きます。

今回は今までと様子が違い、
講義に他の部署から何名か参加者が
来ていました。

倉持が言うには、
物販事業部の店舗管理や経営管理を
行うものにとって基本的な数値管理が
出来ていない者がいると

現場の責任者から倉持に連絡があり、
今回一緒に数値管理を勉強する為に
やって来ていたのでした。

倉持
「それでは、まず皆さんに
テストを行って貰います」


前田
「テスト?」

「飲食店だけでなく経営管理において
数値を把握する事が非常に重要な事は
解っているでしょう?」


「はい」

「では実際に現場でどのように自分が
数値を扱って行けば良いか本当に
解っている人はいますか?」


そう全員に問いかけると
物販事業部の参加者の中から
「自分は出来ています」と言う者が
数名いました。

そこで倉持は全員に同じ内容の
簡単な算数のテストを出して
自分たちの現状把握をさせる事に
しました。

内容は簡単な計算問題です。

ただし営業内容に沿った出題が
されていてどのように使うかを
問われている様な問題でした。

例えば、

お店の利益を計算する時に、
商品の材料を100円で買ってきて
お店で加工して商品化し販売して
利益を出そうと思います。

この時に人件費や経費が150円
掛るとします。

この時に商品の原価率を何%以上に
設定すると利益が出るでしょうか?

※原価率とは商品の売値の中の
実際に掛った材料費の事です。



この様な問題がありました。


そして20問ほどの問題を
答え合わせした時に

先ほど「自分は出来ています」と
言った者の中にこの問題が不正解
だった人がいたのです。

「自分は出来ていると思っていても
実際には出来ていない」


つまり普段の仕事を過信していると
倉持は気付かせたのでした。



お店や会社を運営していくに当たり
お金の計算はついて回る重要な
問題のひとつなのですが、

収益の構造を理解していれば問題や
予定との誤差を早期発見したり
検証することが出来るので、

予算や費用などを早めに
修正する事が出来て損失減少や
利益を増やす事が出来るのです。

数値を理解していなくても
飲食店などは開業する事が出来るし

お店が流行れば計算しなくても
利益が出る場合もあります。

特に簡単な弁当チェーン店の
雇われ店長の様な簡易的な業務だと
数値管理に疎い場合もあります。

日々の仕事の中でお金を数えて
金庫に入れる。

仕入れと売上、現金の数値が
帳簿と合っていれば問題無いと
思ってしまう傾向も見られます。

ですが、素人が数値を理解せずに
お店を開業する事は、

ハッキリ言って怖いです。



例えば、

お店が忙しくてお金の管理を
疎かにしている店長がいました。

忙しいので繁盛しているのですが
今月は特別に壊れた厨房機器や、
新しく導入したメニューの食器や
備品を買ったので費用が
余計にかかりました。

忙しいのでアルバイトも
多めに人を使い対応しました。

1か月が終わって
今月の収益を計算すると結果は
赤字になっていました。


お分かりの通り、
こんな事が続けば当然お店は
存続できません。

その月が終わるまで赤字か
黒字か解らないと言うのは非常に
怖い営業と言えます。


ここまで極端なドンブリ勘定は
普通はしてないと思いますが、

今後行っていく販売促進や施策では
費用や予算を理解していなければ
成り立ちませんので
当然ある程度の知識が必要と
なってきます。


店長の役割は
お店の最大の利益を確保する事

です。


お店の数値に強くなる事が
儲ける事に直結すると
言われている様に

商売から切り離せないのが
数値管理なのです。

現実的には普段の営業で使う計算や
管理で手いっぱいで

実際の営業が忙しいと言うお店も
あるでしょう。

飲食店などは特に
店内営業が重要視されている為

数値が苦手な店長や従業員も
比較的多いと言われています。

大手チェーン店や店舗数のある
お店の店長職であれば

お店の最大の利益の確保
役割なので

数値の把握も必須スキルと
なっていると思います。

数値を把握していないデメリットで

「後になってみないと解らない」

「実際に自分のお店の改善点を
把握できずに気付いた時には
修正できなくなっている」

「本当はもっと利益が取れるのに
余計な費用で損をしている事に
気が付かない」


等ということになっているのでは
無いでしょうか。

倉持
「一口に利益と言っても色々と
種類がある事を皆さんは
知っているでしょうか?」


そう言うと倉持は収益の
構造について説明を話し始めて
行きました。

つづく