前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
研修から戻った承太郎と部下の前田は
人事部の倉持の所へ講義を受けに
やってきました。
第144話:収益の構造について
人事部の倉持は
各事業部から人選された数名に
基礎的な数値管理の講義として
収益の構造について話を
していました。
その中で本田承太郎と前田も
飲食店での数値把握と使い方を
理解していく事になります。
倉持
「一口に利益と言っても色々と
種類がある事を皆さんは
知っているでしょうか?」
・売上総利益(粗利益)
・営業利益
・経常利益
・税引き前当期利益
・税引き後当期利益
利益にはこの様な種類があります。
このうち飲食店で現実的に使うのは
・売上総利益(粗利益)
・営業利益
と言う事になるでしょう。
粗利とと言われる売上総利益は、
売上げから仕入れに使ったお金、
(原価)を引いたものを言います。
例えば
ラーメン屋で営業を行ったとして
1日の売上げが8万円の場合です。
当日仕入れに使った費用が
1万8千円だとすれば
売上の8万円から
仕入れの1万8千円を引いて
6万2千円が
売上総利益(粗利)となります。
次に営業利益ですが、先ほどの
売上総利益から営業で使用した
全てのコスト(販管費)を
引いたものを営業利益と言います。
※販管費とは、
販管費=販売費と一般管理費の略
販売費=販売にかかる
費用の販売費(人件費や宣伝費・他)
一般管理費=営業を進める事で掛る
一般管理費(水道ガス代その他等)
そして、経常利益は
会社が営業以外での利益
または費用などで出費があった場合
その金額を計算に入れた
利益の事を経常利益と言います。
不動産などで収入がある場合
などが例に挙がります。
始めに言った
税引き前当期利益や
税引き後当期利益に関しては
営業活動以外の収益とし、
不動産売却などで発生した臨時的な
利益や損失を計算したものが
税引き前当期利益です。
これは特別損益とも言います。
ここから法人税などを引いた利益が
税引き後当期利益と言います。
実際の営業における利益の計算は
損益計算書で見て行きます。
損益計算書は
profit and loss statementの
プロフィット・ロスを略して
「PL表」などと言われ、
お店の営業実態を確認、
分析する為に使われています。
このPL表の理解がお店にとって
最も重要な利益管理であり
実際のお店の営業でもPL表での
数値管理を極めると数字に強く
問題を発見出来るようになると
言われます。
次に倉持は営業活動の実態を
把握する為のもう一つの計算書を
話していきます。
つづく