第139話:成長の余地がある | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田が研修で留守の間、部下の前田は
課題として総務の板野次長の所に
講義を聞きに来ていました。


第139話:成長の余地がある

板野次長は
「話したい病」のパートの
オバちゃんなんかの会話を
遮る事が出来ない時がある

話していました。

確かに物凄い勢いで喋り続けて
会話する余地が無い人がいます。

こういった人から主導権を取る事も
上手く話すには時に重要
になります。

①まずあいづち
「そうですね~」「そうなんですね」
など会話している状態にする。

②時に反対意見を入れる
「それはこうなんじゃないですか?」
「私の場合はこうですよ」

③提案や質問のチャンスが生まれる

という具合になります。


つまり少しは「ケンカ」みたいに
ツッコまないといけないのです。

そう言う話を差し込むチャンスを
自分で作れるようになると
相手に印象を残す事が出来ます。

そこで、

「少ない言葉でインパクトを与える」
という事が必要になります。

相づちや同調しながら時には
ズバッと反対意見を出せるように
チャンスを伺って切り込んでいくと
それが次第に発言力になって
発言する時に自分の番を待って
くれる様になっていきます。

この様に発言権が無い時でも
「チャンスは作れます」

基本的に会話スキルは
一つの技術であって本人の
努力や実績などが評価されると言う
事ではありません。

板野次長の先輩の話のように
会話が上手くても部下に見放される
と言う場合もあるので

やはり元の人間性や努力、実力を
磨いていく事は忘れてはいけません。


発言のチャンスとしては

会議やスピーチに
順番が決まっていない場合は
真っ先に手を挙げる事が有効です。

自分の前に話した人の内容と
かぶる時もありますので
先に話してしまう方が圧倒的に
楽になります。

会議など特にそうでしょう。

チョット自信が無かったら
2番目でも良いでしょう。

でも2番目に話した時に前の人が
退屈な話を長々としていたら
聞いてもらえないリスクも高まり

同じ話が出てしまうと
自分の番で突っ込まれたり
比較対象になってしまう確率が
高くなってきます。

例え自分の話が的を
得ていなくても

「問題提起になれば良い」
というくらいの気持ちで話すと
比較的緊張感も和らぎます。

二番目三番目と進んでいくと
個性的な話か、かぶらない様に
話をしていく事になるので
最初が楽だという事です。

順番が決まっている場合は
違った意見や内容を考えて
準備しておくようにして

違った話をいくつか準備して
おく事でも余計な緊張感は
持たずに済みます。


誰でも人前で話す事は
緊張しますし失敗もしますから
失敗しても気にする事は
ありません。

ただし、
準備できる状況で準備せず
失敗した場合は

当然自分の責任になります。

話の内容で聞き手に共感させる
話の組み立てとして

5W1Hでまとめると言う事も
有効で解り易さが上がります。

When:いつ
Where:どこで
Who:誰が
What:何を
Why:なぜ
How:どうなった


良く言われる事ですが
こういった具体性を話に入れる
事で相手に情景を
想像させやすくなるので
効果が高いのです。

例えば何気ない話で、

A「この前映画見に行ったよ」
B「そうなんだ良かったね」

と言う話でも

A「昨日駅前の○○って
映画館に行って見た映画
面白かった」


いうように「場所」「結果」を
話に入れるだけで

相手の知っている場所だったり
映画に興味があって感想が
気になったりと話は自然に
膨らんでいきます。

あと、

何でも無い話で「オチも無い」
という話の場合でも、

「結論を分けて話す」事で
何だかまとまった様に聞こえます。

結論が無いので言いっぱなしで
話が終わるとモヤモヤしますが
ちゃんと結論が無かった話だと
解れば少しはスッキリします。

「結果的にどうにもなって無い話」
とは

結果的にどうにもなって無い事を
オチにする
という事です。

板野次長はこの研修の講義を
この様に締めくくります。

「人に伝わる話し方は、
自らの成長と環境を変える
大きなチャンスでもある」


話すのが苦手と言う事は
「伸びしろがある」と言う事。


だから克服する事で更に
成長できる余地があるのです。

話す事も仕事と捉えるだけでは
大きなモチベーションには
なりません。

強制された部分と、
自分を成長させるという前向きな
部分両方を磨く事で大きな成長に
繋がるのだと説明しました。

今回講義に特別参加させて
もらっていた前田は、
自分が新入社員の時には無かった
話を聞けて少し前向きに
なる事が出来ました。

話し方や会話において
「成長の余地がある」と言う事に
自分が妥協していた部分を反省し
見直す事となりました。

そして、講義を終えた前田に
ある連絡が入ります。

「本田たちの研修が終了した」
という知らせでした。

前田の上司である本田承太郎は
ここ2週間の間会社を留守にして
「ある研修」に参加していました。

今回それが終了し戻ってくると
言う事で前田もその間の
自分の仕事を報告する事に
なったのでした。

しかし、

本田と一緒に参加していた
役職者たちを目の当たりにした
前田はビックリする事に
なったのでした。

つづく