第138話:話の面白い窓際の上司 | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田が研修で留守の間、部下の前田は
課題として総務の板野次長の所に
講義を聞きに来ていました。


第138話:話の面白い窓際の上司

板野次長は新入社員の研修として
「話し方・聞き方について」
議題にして話していました。

本田の指示で前田は新入社員に混ざり
一緒に話を聞いていました。

その中で板野次長が言いたかった事は

「自分のアツい想いを効果的に
伝える事が出来れば効果が倍増する」


という事でした。

そして最後のテーマとして
「会話のスキルについて」の話を
始めていきました。

板野次長の説明では、
話し方は人それぞれ色々あって
個性はあるが解りやすく伝える為の
要点として

・話したい事(伝えるべき内容)
・会話で相手を誘導(共感させる)
・行動を起こさせる(感動・考察)
・ユーモアを入れる(笑い・興味)


こういったポイントがあれば
通じると言います。

「伝わり易い話」で説明した
話し方の原則で

・態度
・声
・内容


と言うものがありました。


態度良く、声の質やトーン、
話の内容が良ければ伝わり易いと
言う事です。

態度に関してはこれまでに
説明した通り相手の目を見たり
身ぶり手振りのアクションや
言葉づかいなどが注意点です。

話の内容は2~3分に話を区切って
繋げて行くと飽きにくいと
説明しています。

その中で、

気持ちやアツさが大事だとも
説明しました。

話すスキルなどは結局
優先順位で言うと最後でよくて

・素直に伝える
・ハッキリと堂々と話す
・人間らしさを大事に
・前を向いて相手の目を見る
・明るく元気に
・テンポよくアクションを付ける


と言う事が大事になってきます。

会議やスピーチなどあらかじめ
話す事が決まっている場合や
内容が予測できる話をする時は

事前に準備する事が出来ます。

準備しておく事として

・体験した事
・話したい事(要点)
・話題(話の種類)
・聞き手の種別(お客・参加者)
・暗記せずその場で考える
・人のまねをした話はしない
・失敗しても良いので率先する


と言う事が言えます。

話す時になってから考えるのでは
思いつかない事もあるので
体験談や事例は考えておいて
要点も絞って一つにしておきます。

話題を変える時はその時に
話さなくても良い内容を
いくつか用意して置くと
気が楽になります。

原稿を見るよりは暗記した方が
印象は良いですが丸暗記を
棒読み直立不動で話すよりは

箇条書きにした要点を
その場の自分のことばで
相手をいじったり巻き込んだり
時には身ぶりや物真似したり
大きなアクションを入れて
話す方が全くの同じ話でも
面白くなります。

面白い話でも人の真似は
良くありません。

結局話は個性なので自分の存在を
相手に認めて貰う事なので
真似をしたって伝わらないし

「この人の主張したい事は
一体何なのだろう・・・」


と思われるのがオチです。

会話スキルは何よりも
場数を踏む事が大事だと
言われていますがそれだけでも
向上しないので

自分に胡坐をかかずに
学んでいく姿勢が大事です。



板野次長はこんな話をしました。

25歳の時にある先輩が
とてもコミュニケーション力が
高くて仕事の評価と言うより

詭弁や発言力だけで
成り上がった人がいたそうです。

場を盛り上げるのが上手く
相手を引っ掛けたりイジッたり
反作用で付き放したりと

笑いに変える才能がありました。

それである程度評価されて
出世しましたが、

若い世代の部下が出来た時に
同じように中身の無い話で
場を盛り上げる事は出来ても
次第に部下が付いてこなくなった
そうです。

話を作れる力と会話力があるので
面白いけど尊敬できないと。

それは
話を伝える事を意識せず
自分が言いたい事を言って
場が盛り上がれば良いと思っている
「話したいだけの人」

周りに認識されたからです。

結局部下から見放されたその人は
人望は無くなり、

「話の面白い窓際の上司」
というちょっと寂しい
くくりになったそうです。

板野次長はこの様な
「話したいだけの人」の様になると
良くないがそのパワーは
すごいと言います。

確かに「話したい病」のパートの
オバちゃんなんかの会話を
遮る事が出来ない時があります。

板野次長は次にこの時の
会話チャンスについて話して
いきました。

つづく