第48話:会議の在り方・改善編 | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
藤堂物産で働く本田承太郎はこの会社で10年働くサラリーマン。
本田承太郎は上司の藤森部長の仕切る会議に参加して
今後の会議の仕方を改善しようとしていました。

第48話:会議の在り方・改善編

「会議がしょうもない会社ほど業績もしょうもない・・」

あるコンサルタントがこう言っていました。


本田承太郎の部署の会議も本田にはそう感じられました。


そこで、次回の会議に会社で契約している
コンサルタントの大須賀さんに参加してもらう事で
改善を進めていくことにしました。


まず、問題点として挙げたのは
以下のような項目になります。


・予定時間とのズレ
・だらだら長い会議
・部長の威光が強すぎる
・物事が決まらない
・問題解決がハッキリしない
・無駄に全員参加
・資料が多すぎる
・余計な報告が多い
・論点がブレても誰も修正しない
・威嚇や恫喝で進行する
・ネガティブな考えで意見を妨げる
・次のアクションが決まらない
・会議の数が多すぎる



本田はひとつずつ修正していき
会議の在り方を部下たちに教えていきました。



・予定時間とのズレ
問題:どうせ開始時間は遅れるし時間も延びるので
少しでも自分の仕事を終わらせておきたい。
修正:時間厳守して時間通りに終わらせる努力をさせる。

・だらだら長い会議
問題:決定事項の無い数値報告だけの無駄な時間が掛かる状態
修正:結果・数値・問題点・改善点・予定を端的に述べさせる

・部長の威光が強すぎる
問題:部長が決定していることが多すぎる。
修正:違うと思えば反論するべき。部長の意見を変えさせる術を学ぶ

・物事が決まらない
問題:会議で何も決まらない保留が多い・報告だけの会議など
修正:会議で最低でもひとつは決定事項を決める事

・問題解決がハッキリしない
問題:報告で「今後こうやっていきます」というだけの曖昧な表現
修正:それするとどうなる予定なのかまで計画を立てさせる

・無駄に全員参加
問題:関係無い話の会議にも全員参加で、何も喋らない振られない人がいる
修正:会議の的を絞り、回数は同じでもブロックに分けて会議させる

・資料が多すぎる
問題:専門や他部署の資料が多く目を通すのに会議中では把握しきれない
修正:用店を絞った資料にさせ、議題に挙げるなら事前に
情報を伝える事と別資料を渡して予習しておいて貰うこと

・余計な報告が多い
問題:話を長々と喋りすぎて時間が押す。関係無い話題まで話してしまう。
修正:説明が長くなる部分は資料で時間短縮し話す時間を3分以内に減らす

・論点がブレても誰も修正しない
問題:議論で指摘されても厄介事からの回避や仕事を人に振っている状態
修正:会議を進めていく人間が舵をとり、冷静に判断して指摘させる

・威嚇や恫喝で進行する
問題:部長の社員への威嚇・恫喝で発言者が萎縮している
修正:部長に仕切らせず社員で進行を進める努力をしていく

・ネガティブな考えで意見を妨げる
問題:逃げ口上やリスクを盾に否定ばかりの発言で代替え案を出さない状態
修正:代わりのプランの提案や計画の改善ポイントを話し合いさせる

・次のアクションが決まらない
問題:会議を開いても何の計画も立てられない会議になる事がある
修正:決定事項・計画を明確に決めて次の議題に移る

・会議の数が多すぎる
問題:会議の回数が多すぎて資料作りや仕事時間の減少・支障がある
修正:各チームや関連部署でブロック会議を行う形にして
リーダーや役職者のみ参加させるようにする事で全員参加の回数を減らす。



そしてまた会議が開かれました。


このように改善していくように指導を行った本田は
部長に話し、コンサルタントの大須賀さんに
会議の進行の指導を行ってもらう旨を伝えます。


今回の進行は大須賀さんで
会議の議論の内容には不満も残る状態でしたが
進行や改善点として教えたことは多方修正してきていました。


そして、大須賀さんが会議参加者に対して
提案した会議の在り方はこのようになっていました。



・会議の開始・終了は時間厳守
・報告だけの項目は前半に短時間で行う
・会議の進行役が会議を活発化させる
・決定事項は最低でも1以上決めて多すぎない様にも注意
・資料は見やすく最低限にて時間短縮のために使う
・参加者は自発的に全員参加できるように構成した会議
・進行方法が決まっていて事前準備しやすい会議
・他部署への意見も発言されるような活発な会議
・論点を常に会議進行者が軌道修正できる状態
・誰の意見でも尊重され取り入れられる会議
・前向きな発言。生産性のある言動が多く飛び交う会議
・会議で次の計画やアクションが話し合われ決定していく状態
・参加した全員、部署全体に課題が提示されている状態で終わる会議



大須賀さんは参加者に
「このような会議を目指していけば良いと思いますがどうでしょうか?」

と、問かけました。


そして、参加者全員納得し
「それでいきましょう」という雰囲気が作られました。


藤森部長は不満そうでしたが
さすがに満場一致の中反論はされず
会議の改善計画が進行していく事がようやく決まったのでした。


最後に大須賀さんは、

「会議の役割で重要な事だけ決めておきたい」


と、言います。


その内容は

会議の開始の趣旨説明、総括や
社長・上層部の意向を伝える役割が「部長」であること。

そして、会議の進行は持ち回りでも固定でも構わないとしました。
その代わり、進行役のサポートに本田を指名するものでした。




こうして会議の在り方が改善されていき
部署の意見交換や提案、計画性は徐々に良くなってき
会議の参加人数も制限されて時間短縮して
内容が濃くなっていきました。

一般社員の参加回数や会議での拘束時間も減り
より仕事効率が上がって、

「今までいかに無駄な事をしていたんだ」という事を
全員が体感していたのでした。



本田承太郎はこれまで
「人材育成が会社を強くする」と思っていましたが、

今回の件で


「人を作り、組織を創ることで組織が強くなる。」


それが会社を強くしていくことだと感じていたのでした。



その後会議も改善され始めたので

本田も自分の仕事を
全うさせるために、また動きを見せ始めます。


今回はある目的の為に
「条件を絞って」飲食店を探していたのですが
部下の前田から提出された資料の中に目に付いたものがあり

お店に向かう前にこちらの資料を調べてみることにしました。


つづく