前回までのあらすじ:
藤堂物産で働く本田承太郎はこの会社で10年働くサラリーマン。
本田承太郎は上司の藤森部長の仕切る
初めての部内会議に参加しようとしていました。
第47話:会議の在り方・問題編
倉持部長の講義を後にして本田承太郎と前田は
部内の報告会議に参加する為に会議室へと向かいました。
二人は14時45分に会議室に入りました。、
会議の時間は15時からなのですが会議に参加する人間の
半分くらいしか集まっていませんでした。
そして15時過ぎても会議が始まりません。
前田に話を聞くと、本田が研修中で
今まで藤森部長の会議には参加していなかった期間に
時間に対してルーズになったといいます。
今回の会議がもとで
本田承太郎と藤森部長の間の確執が大きくなり、
再び衝突する原因ともなったのでした。
会議が始まったのは
藤森部長が先方との打ち合わせを終えた15時15分頃、
進行は何故か藤森部長の可愛がっている西という役職の無い
入社3年目の社員だった。
会議の内容は業績報告から始まる。
各部署の業績が担当者から報告されていく。
報告担当者が10人いるため一人5分としても
これだけで50分掛かっていた。
そもそも、他部署の報告書を作成して配布され
資料が山積みとなっていたのだ。
これを読むだけでも大変な作業になる。
会議の基本スタイルは報告するものが発言すると
部長がそれに対しての指導を述べる形で
時に恫喝する場面もあるので緊張感はある会議であった。
しかし30人以上参加しているので
最後まで発言しない者やおよそ関係無い人間まで参加して
時間を無駄にしていると思われた。
決定事項も無駄に多く本田はこの時点でイライラしていた。
後半に入ると会議の進行は更に遅くなり、
問題点を一人ずつ意見を述べていきある程度議論になるが
まとまらないので保留となる場面が何度かあった。
そして、
各チームのプレゼンでは企画が進行していて
練りあがってきている企画もバカでかい
部長の鶴の一声で一瞬にして企画構成が変更されたりするのだった。
そのうち、意見にも萎縮が見られ、
誰かが意見しても後ろ向きに考え賛同したり
どうするか考えず否定的な意見ばかりが出始めていた。
結局会議が終わった時間も大幅に時間オーバーしていて
各業務に影響が出るほどだった。
何より、
会議の決定事項は部長が意見したとおりものが決定され、
それ以外は未決定な保留のものがほとんどであったため
会議の後に何をするのかさえもハッキリしない
釈然としない会議であった。
そのくせ、ノルマだけはハッキリ指定して
「やるだけ本気やってみてから物を言え!」と恫喝し
「お前たちは本当にやるだけやったって言えるのか?
言えるものは言ってみろ!
次回までにはそう言えるように参加しろ」
と怒鳴って会議は終了したのだった。
こんな会議が毎週2回あるそうで
今回藤森部長の会議に始めて参加した本田承太郎は
めちゃくちゃな会議に呆れていたのだが、
部下の前田になどに聞いてみると
「いつもこうでしたよ」と慣れた様子。
前田が言うには、
藤森部長はいつも「会議なんて簡単だ。」って言っているそうで
人を引っ張っていくのは強い言葉と大きな声、勢いが大事で
ゴチャゴチャ考える前にまず動けと言うのが信条だそうです。
今回の会議の在り方に本田承太郎は大いに問題を感じていました。
会議後すぐに本田は藤森部長と話し
会議の見直しを提案するのでした。
しかし、藤森部長は何も問題ないと意に介さない様子で
この状態を保つとのことでした。
そこで本当に危機感を感じた本田は
他の部署の出向監査役員工藤に相談したのです。
「工藤さん、うちの部署の会議が全然ダメなんです」
「何がダメだって?」
「悪いところを挙げるとキリがないんですが、こんな感じです」
そう言って本田承太郎が指摘したのは以下のとおりでした。
・予定時間とのズレ
・だらだら長い会議
・部長の威光が強すぎる
・物事が決まらない
・問題解決がハッキリしない
・無駄に全員参加
・資料が多すぎる
・余計な報告が多い
・論点がブレても誰も修正しない
・威嚇や恫喝で進行する
・ネガティブな考えで意見を妨げる
・次のアクションが決まらない
・会議の数が多すぎる
「これは確かに問題だな・・」
そう言って工藤はしばらく考え込み、
他の部署で契約しているコンサルタントを
一度会議に出席させようという提案をしたのでした。
そこで何らかの指摘を行ってもらうか会議の指導をして貰う事で
藤森部長も確執のある本田に言われるよりは
改善できるかもしれないと工藤は言うのです。
そうしてコンサルタントを入れた
今週2度目の会議が行われるのでした。
つづく