六法全書の向こう側
今回の記事はテーマとしては政治経済を選びましたが、
実は行政書士の仕事にも非常に関わりの多い事例です。
非嫡出子の法定相続分を巡る裁判で、今回も最高裁で、
合憲判決が出ましたが、関与した裁判官の一人が違憲
とし、合憲とした裁判官のうち一人も意見の疑いが極めて
強いという意見を述べたそうです。
海外では非嫡出子と嫡出子の相続差別が無いのが
ほとんどで、国連からは日本も相続差別を無くすよう勧告
されています。
また、今回法務大臣に就任した千葉議員は相続差別
撤廃論者であることから、いずれ日本も相続差別が
無くなるのかも知れません。
事情を知らない方に簡単に説明しますと、親などが死亡
した場合には妻や子などに相続権が発生します。
ただし、非嫡出子(いわゆる婚外子・・・もっと平たく言えば
夫が妻以外に産ませた子)は嫡出子(婚姻関係にある夫婦
の子)の相続分の半分しかもらえないという定めがあります。
「これは不平等だ」という意見と、「いや半分でも相続権を
確保できるのだから、これでいい」と言う意見がありまし
たが、裁判所は後者の立場を取り、非嫡出子の相続権
が嫡出子の半分であることは合憲であるとしていました。
われわれも行政書士試験を受けるときに、民法を勉強
し、その中で非嫡出子の相続権は嫡出子の半分とただ
覚えました。
そう、非嫡出子の立場とか意味も考えず。
それは試験のための勉強ということもあったでしょうし、
自分がその立場では無いからかも知れません。
六法全書の向こう側には、血のかよった人間がいる
ということを全く意識できないのです。
日ごろ実務で、離婚や相続などで御相談者と接すると
分かりますが、まったく同じ状況というのはありません。
本当に人それぞれです。
私などは、法律を扱う人間の本当に、はしくれの存在
ですが、六法の向こう側にいる血のかよった人間の
ことを、まず考えなければいけません。
このことを今回の判決により、思い知らされました。