元 ちとせ(はじめ ちとせ/出生名:同じ/1979年1月5日~)は、日本の歌手、奄美民謡歌手(唄者)。

 

 


1979年1月5日、元ちとせが生まれる。鹿児島県大島郡瀬戸内町(奄美大島)出身。

奄美大島南部の海辺に30世帯くらいが寄り集まっている瀬戸内町嘉徳(かとく)集落で育つ。

 

元が通っていた瀬戸内町立嘉徳小学校(2005年廃校)は全校児童が4人程であったため複式授業が行われ、卒業式は元1人きりであった。

 

幼少時より三味線を習っていたが、古仁屋で中野豊成に師事して「ひぎゃ唄」と呼ばれる地元のシマ唄を習う。シマ唄(島唄/しまうた)とは、「しま」の歌のこと。一義に、奄美群島で歌われる民謡(奄美民謡)のこと。

 

 

1993年、中学3年生の時、“塩道長浜節”で奄美民謡大賞少年の部優秀賞を受賞。

 


1994年、鹿児島県立古仁屋高等学校1年在学時に“俊良主節”で奄美民謡大賞青年の部新人賞を受賞。

 

 

1995年4月、奄美市のセントラル楽器からシマ唄のカセットテープ『ひぎゃ女童(めらべ)』を発売。

同年に公開された松竹映画『男はつらいよ 寅次郎紅の花』で元が唄う“朝花節”が劇中歌に使われた。

 

 

1996年、高校3年生の時、“嘉徳なべ加那節”を歌い、高校生初、史上最年少(当時)で奄美民謡大賞を受賞。

 

11月、シマ唄のCD『故郷・美ら・思い (しま・きょら・うむい)』を発売した。

 

 

高校卒業後、美容師を目指して三重県に転居。

 

その後、兵庫県尼崎市で美容師となるが、薬剤アレルギーのため断念。
 

 

1998年10月、歌手デビューを目指して上京。HMV数寄屋橋店でアルバイトをしながら、自分の音楽を模索する日々を送る。

 

 

2001年3月10日、The Sugarcubes、山崎まさよしらの曲をカヴァーしたミニアルバム『Hajime Chitose』でインディーズ・デビュー。

7月、オリジナル曲を収録したミニアルバム『コトノハ』をオーガスタレコードより発売(奄美民謡では前述の通り奄美在住中にCDデビュー済み)。


2002年2月6日、元レピッシュの上田現(うえだ げん/1961年3月3日-2008年3月9日)によるプロデュースで、メジャーデビューシングル“ワダツミの木”(作詞・作曲・編曲:上田現)をEPICレコード・ジャパンより発売。「ワダツミ」とは日本神話に登場する海の神である。リリース後2ヶ月程してオリコン週間シングルチャートで1位となる。『サウンドスキャンジャパン』の2002年度年間シングルチャートでも1位を記録、オリコンとプラネットでは年間3位に達し、2002年度の新人歌手では最大のヒット曲となった。

 

5月22日、2ndシングル“君ヲ想フ”(作詞:元ちとせ・HUSSY-R/作曲:ハシケン/編曲:間宮工)を発売、オリコン6位。

 

7月10日、1stアルバム『ハイヌミカゼ』を発売。「南の風」を意味するタイトルを戴いた本アルバムは、オリコンアルバム週間チャートで2週連続1位を記録。さらに『第44回日本レコード大賞』ベストアルバム賞を受賞した。

 

7月17日、オフィスオーガスタ所属のアーティストによるスペシャル音楽ユニット「福耳」の2ndシングル“10 Years After”(作詞:杏子・谷穂ちろる/作曲:山崎将義/編曲:スガシカオ・森俊之/演奏:SHIKAO&THE FAMILY SUGAR)にブリッジ・ヴォーカルとして初参加、オリコン7位。この時のラインナップは、杏子、山崎まさよし、スガシカオ、COIL、元ちとせ、野狐禅、スキマスイッチ、サンプリングサン。

 

同年、フランスの音楽ユニット「ディープ・フォレスト」 (Deep Forest)のアルバム『Music Detected』に参加。

10月開始のNHK連続テレビ小説『まんてん』の主題歌“この街”を歌唱。

11月7日、3rdシングル“この街”(作詞:HUSSY-R/作曲:間宮工/編曲:羽毛田丈史)を発売、オリコン7位。

 


2003年6月、4thシングル“千の夜と千の昼”(作詞・作曲・編曲:上田現)を発売、オリコン6位。

 

7月23日、福耳の3rdシングル“SUMMER of LOVE”(作詞:谷穂ちろる/作曲:佐藤洋介/編曲:間宮工)に参加、オリコン20位。この時のラインナップは、杏子、山崎まさよし、スガシカオ、COIL、元ちとせ。

 

8月、5thシングル“いつか風になる日”(作詞・曲:岡本定義/編曲:羽毛田丈史)を発売、オリコン8位。

 

9月3日に発売の2dアルバム『ノマド・ソウル』はアルバム・チャートで9月15日に初登場1位を記録。ファーストに続いてアルバム2作連続初登場1位となった。

 

同月、初の全国ツアー「元ちとせ コンサートツアー2003 "はじめまして"」を行う。

 

 

2004年1月、飲食店経営の男性と結婚。その際妊娠していたが流産した。


2005年1月、待望の第一子となる女児を出産。

6月、PlayStation 2向けに発売された『GENJI』の主題歌“月を盗む”を歌唱。

8月5日、配信シングル“死んだ女の子”(作詞:ナジム・ヒクメット/訳詩:中本信幸/作曲:外山雄三)をリリース。3作目アルバム『ハナダイロ』初回限定盤ボーナストラックからのリカット。映画『キャタピラー』主題歌。原題“Kız Çocuğu”は、トルコの詩人ナーズム・ヒクメットが1956年に発表した詩で、タイトルはトルコ語で単に「少女」を指す言葉である。広島市への原子爆弾投下により死亡した7歳の少女を題材とした本作は各国で訳され、1970年代には世界中で歌われるようになった。日本では元の唄う中本信幸など、複数の翻訳者によるバージョンが存在している。

 

8月6日(5日深夜)、TBS『筑紫哲也 NEWS23』に出産後初めてテレビに登場し、活動を再開。坂本龍一とともに生出演し、広島市の原爆ドーム前で反戦歌“死んだ女の子”を演奏し、大きな話題となる。
11月23日、復帰第一弾となる新曲“語り継ぐこと”(作詞:HUSSY_R/作曲:田鹿祐一/編曲:常田真太郎)をシングル発売、オリコン12位。歌手活動を本格的に再開する。

 

 

2006年3月8日、松任谷由実作詞・作曲の復帰第二弾シングル“春のかたみ”(編曲:松任谷正隆)を発売、オリコン26位。

 

5月3日、8thシングル“青のレクイエム”(作詞・曲:岡本定義/編曲:COIL)を発売、オリコン48位。

 

5月10日、3rdアルバム『ハナダイロ』を発売、オリコン4位。

 

6月、パイオニアのCMに出演。

7月12日、福耳の4thシングル“惑星タイマー”(作詞・作曲・編曲:スキマスイッチ)が発売、オリコン6位。ラインナップは、杏子、山崎まさよし、スガシカオ、COIL、あらきゆうこ(mi-gu)、元ちとせ、スキマスイッチ。

 

9月13日、福耳初のベスト・アルバム『福耳 THE BEST WORKS』が発売、オリコン3位を記録した。

 


2007年、元はデビュー5周年を迎え、アイルランドの伝統音楽を演奏する国民的バンド「チーフタンズ」(The Chieftains)とのコラボレーションが実現。
6月、チーフタンズの全国ツアーに参加し、大きな話題となる。
8月、フジテレビ系アニメ『ミヨリの森』で「一本桜の精」役で声優に初挑戦した。

8月22日、約1年3ヶ月ぶりとなる新曲“あなたがここにいてほしい/ミヨリの森”(作詞・曲:岡本定義/編曲:COIL/作詞・曲:岡本定義/編曲:羽毛田丈史)をリリース。

 

 

12月26日にはP&Gシャンプー「h&s」CMソング“恵みの雨”を配信限定で発表。

 

 

2008年5月にはlive image 7 septに参加。
7月2日、常田真太郎(from スキマスイッチ)総合プロデュースによる10thシングル“蛍星”(作詞・作曲・編曲:常田真太郎)をリリース。映画『クライマーズ・ハイ』イメージソング。

 

7月16日に約2年2ヶ月ぶりとなる4thアルバム『カッシーニ』を発表。多彩な豪華プロデューサー陣が集結したこの作品は高い評価を受ける。オリコン15位。

 

7月16日、福耳の5thシングル“DANCE BABY DANCE/夏はこれからだ!”(作詞・曲:岡本定義/編曲:COIL/作詞・曲:岡本定義/Rap詞:MICRON' STUFF/編曲:COIL)を発売、オリコン3位。ラインナップは、杏子、山崎まさよし、スガシカオ、COIL、あらきゆうこ(mi-gu)、元ちとせ、スキマスイッチ、長澤知之、秦基博、MICRON' STUFF。

 

 

11月、福耳のメンバーである山崎まさよし、杏子とともに、ハウス食品ウコンの力CMに出演した。

同年12月には約2年ぶりとなる、待望の全国ツアーを敢行。


2009年2月、故郷である鹿児島県の放送局・南日本放送が制作した第19回JNN共同製作番組『ウミガメが教えてくれること』(2009年3月21日 15:30~全国放送)にレポーター兼ナレーターとして出演、番組テーマソング“遠い海に出た私の友達”を配信限定でリリース。

7月、第二子の妊娠を公表。
8月、スキマスイッチのカヴァー“雫”がNHK教育テレビアニメ『獣の奏者エリン』のオープニングテーマに使用され、問い合わせが殺到。“雫”は翌2010年リリースの邦楽カヴァーアルバム『Orient』に収録。
同年間にわたって姫路城(世界遺産劇場)、奄美大島(皆既日食イベント)、池上本門寺(Slow Music Slow Life)等のイベントに出演。
9月、島根県・出雲大社にて恒例のワンマンライヴ「冬のハイヌミカゼ」を、「出雲大社奉納公演 元ちとせコンサート~ハイヌミカゼ 黄昏の国より~」として行う。
10月24日、Augusta Camp 2009~Extra~埼玉公演でのステージを以て出産の休養に入る。
12月12日、第二子となる男児を出産した。



2010年2月、山崎まさよしとCOIL岡本定義によるユニット「さだまさよし」プロデュースによる“やわらかなサイクル”(JFL2010エコメッセージソング/新千歳空港エコエアポート2010公式応援ソング)を配信限定でリリース。11日には北海道・新千歳空港にて行われたJFL特別番組 「MESSAGE FOR THE FUTURE」公開収録にてこの曲を歌い、ライヴ活動を再開した。
3月、復帰第二弾の音源となる“なごり雪”(着うた(R)配信)を、「元ちとせ+秦 基博」名義で発表。CMソングとしても使用され、大きな話題を呼ぶ。
8月4日、“なごり雪”を収録した邦楽カヴァーアルバム『Orient』と、洋楽カヴァーアルバム『Occident』を同時リリース。それぞれオリコン38位・100位を記録した。
Billboard TOKYOとBillboard OSAKAにてスペシャルライヴを行った。

 


2011年2月6日、デビュー記念日であるこの日に東京・赤坂BLITZにてワンマンライヴ「冬のハイヌミカゼ」を開催。
3月9日、同郷の奄美大島出身である中孝介との二人ユニット「お中元」を発足。同ユニットにて、九州新幹線 (鹿児島ルート)全線開業のイメージソング“春の行人”をエピック・レーベルより発表。作曲は大橋卓弥、作詞は岡本定義。

同年、所属レーベルをオフィスオーガスタのレーベルがあるアリオラジャパンに変更。

8月31日、移籍第一弾シングル“永遠(トワ)の調べ”(作詞:HUSSY_R/作曲:LADY JOHN DOUGLAS SCOTT)をリリース。
11月、東名阪で「元ちとせ ワンマンライブ~永遠(トワ)の調べ~」を催行。


2012年6月13日、福耳6thシングル“LOVE & LIVE LETTER”(作詞・作曲・編曲:さかいゆう)が発売、オリコン21位。ラインナップは、杏子、山崎まさよし、COIL、あらきゆうこ(mi-gu)、元ちとせ、スキマスイッチ、長澤知之、秦基博、さかいゆう。

 

10月24日、デビュー10周年にして自身初となるベストアルバム『語り継ぐこと』をリリース、オリコン41位。

 

11月、東京、大阪、名古屋で「元ちとせ ワンマンライブ~霜降る月のハイヌミカゼ~」を行う。

11月からは奄美市のあまみエフエムでレギュラー担当番組『Do you know me?』がスタート、バーの常連客「スタートちゃん」(はじめの直訳)を演じて、店のネオママとトークしている。

 

 

2013年1~2月には、大阪・なんばHatch、東京・渋谷AXにて「10th Anniversary LIVE」を開催。観客を魅了した。
 

 

2015年7月22日、戦後70年となるとなるこの年、平和への思いを込めた8thアルバム『平和元年』をリリース。同年の第57回日本レコード大賞『企画賞』を受賞した。オリコン125位。

 


2016年8月3日、新曲“君の名前を呼ぶ”(映画『ゆずの葉ゆれて』(津川雅彦、松原智恵子主演、鹿児島市椋鳩十児童文学賞記念映画主題歌)を配信限定シングルとしてリリース。

 

 

2017年8月23日、山崎まさよしがプロデュースした福耳の7thシングル“ブライト/Swing Swing Sing”(作詞・曲:長澤知之/作詞・曲:秦基博)を発売、オリコン10位。ラインナップは、杏子、山崎まさよし、岡本定義(COIL)、あらきゆうこ(mi-gu)、元ちとせ、スキマスイッチ、長澤知之、秦基博、さかいゆう、浜端ヨウヘイ、竹原ピストル、松室政哉。

 

 

 

2018年8月22日、福耳の結成20周年を記念して、1stアルバム『シンガーとソングライター 〜COIL 20th Anniversary〜』と、4枚目のベスト・アルバム『ALL TIME BEST 〜福耳 20th Anniversary〜』が発売、後者はオリコン13位を記録した。

11月14日、9thアルバム『元唄(はじめうた)~元ちとせ 奄美シマ唄集~』を発売、オリコン192位。

 


2019年11月27日、10th(Remix)アルバム『元唄 幽玄 ~元ちとせ奄美シマ唄REMIX』を発売。

 

 

2021年8月4日、11thアルバム『トコトワ ~奄美セレクションアルバム~』を発売、オリコン138位。

 

 

2022年7月6日、12thアルバム『虹の麓』を発売、オリコン109位。

 

 

 

2023年8月15日、坂本龍一プロデュースによる反戦歌“死んだ女の子”のライヴ映像を、78回目の終戦記念日であるこの日にYouTubeで公開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「元ちとせ」「福耳」

 

https://natalie.mu/music/news/536896

 

(関連記事)