夏川 りみ（なつかわ りみ/旧芸名：星 美里[ほし みさと]/本名：玉木 りみ[たまき りみ]/出生名：兼久 りみ[かねく りみ]/1973年10月9日～）は、日本の歌手。
1973年10月9日、兼久りみが生まれる。沖縄県石垣市出身。
幼い頃から歌うのが好きで、将来は歌手になることを夢見ていた。
小学校2年生～中学1年生まで、父親の指導で手製の特大歌詞カードを見ながら歌い、感情の込め方などを毎日2時間練習していた。
9歳の時、石垣ケーブルテレビ主催「第1回ちびっこのど自慢大会」で優勝したのを皮切りに、全国各地の大会で賞を総なめにするようになる。
1984年、「素人名人会ちびっ子大会」で優勝した。
1986年、中学1年生の時、第10回「長崎歌謡祭」に出場し、史上最年少でグランプリを獲得。レコード会社からスカウトされて上京し、田辺エージェンシーに所属した。
杉並区立阿佐ヶ谷中学校に転入し、その後堀越高等学校に進学した。
1989年12月15日、演歌歌手「星美里」として、シングル“しほり”（作詞：吉田旺/作曲：三木たかし/編曲：竜崎孝路）をポニーキャニオンから発売してデビュー。藤山一郎から「40年に一人出るか出ないかの歌手」と称えられたが、ヒットに恵まれなかった。
1990年10月21日、2枚目のシングル“夢色めまい”を発売。
1992年9月18日、3枚目のシングル“港雨情”を発売。
1993年、第3回NHK新人歌謡コンテストに出場。予選ではカップリング曲を使い、“港雨情”は決勝用に残す作戦に出たが予選で敗退、“港雨情”を披露することはできなかった。
1996年、ヒットがないまま歌手を引退して帰郷、沖縄県那覇市の姉の元に移住した。
姉の飲食店を手伝いながら歌っていると、彼女の歌を目当てに店を訪れる客も増えたという。
1998年、琉球放送のラジオ番組『岩ちゃんのビタミンラジオ』に、本名の「兼久りみ」の名前でアシスタントとして出演した。
1999年5月21日、「夏川りみ」に改名し、シングル“夕映えにゆれて”(作詞：及川眠子/作曲：都志見隆/編曲：岩本正樹)でビクターエンタテインメントから再デビュー。
ポニーキャニオン時代のディレクター三井健生が夏川のために新たな音楽事務所（三井エージェンシー）を立ち上げ、東京に呼び寄せられて捲土重来の再デビューだったが、以後もしばらくはヒット曲に恵まれなかった。
2000年2月23日、再デビュー後2枚目となるシングル“花になる”(作詞：田久保真見/作曲：都志見隆/編曲：十川知司)を発売。NHKラジオ『新ラジオ歌謡』、NHK『みんなのうた』2000年10月〜11月度。
7月、沖縄サミットの関連イベントで同郷のバンド「BEGIN」が“涙そうそう”を演奏しているのを偶然テレビで観た夏川は、この曲に魅了されて自分で歌いたいと熱望、BEGINのライヴに行った際に楽屋を訪ね、歌わせて欲しいと申し出た。「改めて別の曲を作ってあげる」と“あなたの風”を提供されたが、“涙そうそう”を諦め切れなかった夏川はさらに懇願を続け、カヴァーへの同意を取りつけた。夏川はこの曲に出会って全てが変わったと語る。「やっと、自分らしさが分かって自信が出てきた」という。
2001年3月23日、夏川が念願の“涙そうそう”(作詞：森山良子/作曲：BEGIN)を3枚目シングルとしてリリースすると、オリコン・シングル週間ランキング最高8位ながら、じわじわとヒット。出荷ベースで100万枚以上を売り上げ、116週連続チャート・インして一躍有名となった。CBCラジオ春のキャンペーンソング、TBS系ドラマ『広島 昭和20年8月6日』主題歌、東宝配給映画『涙そうそう』主題歌、ANA沖縄「マッタリ〜ナ→ホッコリ〜ナ→」キャンペーンCMソング、フジテレビ系ドラマ『美ら海からの年賀状』主題歌、日本郵政CMソング。なお、夏川は三線を弾きながら歌う姿がお馴染みだが、三線を弾き始めたのはこの“涙そうそう”からである。
本曲は元々、森山良子がライヴで共演して意気投合したBIGINに沖縄の曲を依頼したところ、送られてきたデモテープのタイトルに書いてあった「涙そうそう」とタイトルが書かれており、これが沖縄の言葉で「涙がぽろぽろこぼれ落ちる」を意味すると聞いた森山は、若くしてこの世を去った実の兄を想う歌詞をつけたもの。森山は1998年、アルバム『TIME IS LONELY』に本楽曲を収録。その後、2001年12月5日発売のシングル“さとうきび畑”のカップリングとして2曲目に収録している。また、BEGINは2000年3月23日にセルフカヴァーし、18枚目シングルとして発売している。
“涙そうそう”のヒットを最も喜んだのは、幼い頃から歌の手ほどきをしてくれた父親だった。夏川自身は幼い頃、中森明菜等のポップスを歌いたかったが、父に歌わされたのはいつも演歌だったため、嫌々歌っていた時期もあった。だが、今では「演歌で歌の基礎をしっかり教えてくれたからこそ、今どんな歌でも歌える」と感謝していると語る。
2002年3月21日、“涙そうそう”の他、“花”（作詞・曲：喜納昌吉/編曲：吉川忠英）のカヴァーなどを収録したミニ・アルバム『南風』を発売、オリコン・アルバム週間ランキングは最高位37位だったが、長期間155回ランク・インし続けた。
9月21日、“涙そうそう”を収録した1stアルバム『てぃだ 〜太陽・風ぬ想い〜』を発売、オリコン24位を記録した。
同年、『第44回日本レコード大賞』で“涙そうそう”が金賞を受賞。
12月31日、『第53回NHK紅白歌合戦』に“涙そうそう”で初出場。同楽曲の提供者である同郷のBEGINも同時に初出場を果たしており、地元の石垣島では島中に「出場おめでとう」の横断幕がかけられて大騒ぎになったという。紅白出場時には石垣市のミンサー織り衣装を着用した。
2003年3月19日、4thシングル“道しるべ”(作詞・曲：ちはる/編曲：吉川忠英)を発売、オリコン47位。
3月26日、2ndアルバム『空の風景（けしき）』を発売、オリコン39位。
同年、朝日放送(ABC)テレビ『熱闘甲子園』挿入歌として“君よ八月に熱くなれ”（作詞：阿久悠/作曲：中田喜直）をカヴァー。なお、阿久悠の作品集『人間万葉歌～阿久悠 作詞集』（2005年6月22日発売）には夏川歌唱ヴァージョンが収録された。
8月27日、5thシングル“鳥よ”(作詞：鮎川めぐみ/作曲：上地正昭/編曲：京田誠一)を発売、テレビ朝日系ドラマ『京都地検の女』主題歌。オリコン47位。
9月26日、元ネーネーズの古謝美佐子（こじゃ みさこ/1954年5月11日-）のカヴァー曲“童神〜ヤマトグチ〜”(作詞：古謝美佐子/作曲：佐原一哉/編曲：京田誠一)を6枚目シングルとして発売、テレビ東京系ドラマ『白旗の少女』主題歌。オリコン16位を記録。
同年、“童神”で『第45回日本レコード大賞』金賞を受賞。
12月31日、『第54回NHK紅白歌合戦』に出場、再び“涙そうそう”を歌唱した。
2004年7月21日、7枚目シングル“愛よ愛よ(かなよかなよ)”(作詞・曲：宮沢和史/編曲：京田誠一)を発売、キョーリン製薬「ミルトン」CMソング。オリコン39位。
9月22日、3rdアルバム『風の道』を発売、オリコン36位。
12月16日、8枚目シングル“ココロツタエ”(作詞・曲：谷村新司/作曲：千住明)を発売、NHKテレビ『愛・地球博 関連放送』テーマソング。オリコン47位。
同年、“愛よ愛よ”で『第46回日本レコード大賞』最優秀歌唱賞を受賞。
12月31日、『第55回NHK紅白歌合戦』では三たび“涙そうそう”を歌った。
2005年、愛知万博NHK関連番組で“ココロツタエ”がテーマ曲として使用された。
8月6日、NHK紅白歌合戦連続出場等の実績や、沖縄民謡・楽曲を歌唱し、石垣市のミンサー織り衣装を着て登場するなど石垣市を広くアピールしたことが認められ、石垣市市民栄誉章を受賞した。
10月にはオーロラ基金主催のベネフィットコンサートで、初の海外公演を行った。
10月28日、テレビ朝日系アニメ『ドラえもん』の26年ぶりに変更されたオープニング・テーマ曲“ハグしちゃお”を発表。2007年4月20日まで使用された。
11月2日、9thシングル“さようなら ありがとう”(作詞・曲：小渕健太郎/編曲：京田誠一)を発売。オリコン44位。
11月23日、4thアルバム『彩風の音（アヤカジノネ）』を発売、オリコン48位。
12月21日、10thシングル“ハグしちゃお”(作詞：阿木燿子/作曲：宇崎竜童/編曲：京田誠一)を発売、テレビ朝日系アニメ『ドラえもん』オープニングテーマ。オリコン78位。
12月31日、『第56回NHK紅白歌合戦』では4年連続で“涙そうそう”を歌った。
2006年の映画『涙そうそう』で「学校の先生」役で出演依頼があったが、「私は歌しかできない」という理由で断った。
4月4～9日、新宿コマ劇場で初公演『夏川りみカーニバル〜琉球の空と海と花と〜』を行った。
同年、第88回全国高等学校野球選手権大会では大会歌“栄冠は君に輝く”を歌唱。
同年、NHK『思い出のメロディー』に出演、喜納昌吉のカヴァー曲“花〜すべての人の心に花を〜”で初のトリを務めた。
8月23日、11thシングル“さようなら ありがとう 〜天の風（アマノカゼ）〜／未来”(作詞・作曲・編曲：小渕健太郎／作詞：村野直球/作曲：平田祥一郎/編曲：京田誠一)を発売、“未来”は、名古屋の放送局、中部日本放送（CBC）の開局55周年記念キャンペーンソング。オリコン30位。
10月18日、アンドレア・ボチェッリとのデュエットで歌った“ソモス・ノビオス〜愛の夢”（スペイン語）がボチェッリのアルバム『貴方に贈る愛の歌』に収録された。
10月24日、初の台湾（台湾台北國際会議中心）公演を行った。
12月31日、『第57回NHK紅白歌合戦』で“花〜すべての人の心に花を〜”を歌唱。
2007年1月14日に所属事務所三井エージェンシーとの所属契約満了をもってフリーとなり、所属レコード会社のビクターエンタテインメント預かりとなった。
2月からはステージ活動休止、4月からはすべての活動を停止した。
2月7日、12thシングル“フルサト”を発売、オリコン53位。
3月9日、5thアルバム『想い風（ウムイカジ）』を発売、オリコン76位。
4月から所属レコード会社の系列会社 JVCエンタテインメント株式会社に移籍。
5月13日に大阪城ホールで行われた『母の日に感謝のコンサート』にサプライズゲストとして登場し、活動再開を宣言した。
8月5日に世田谷区主催の「世田谷区民まつりグランドフィナーレコンサート」において“花”を歌い終わると、主催者側から突然「雷のため中止にします」との要請が出た。しかし、夏川本人の強い希望で“涙そうそう”を歌ったというエピソードがある。
8月19日、日本テレビ系『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』に出演し、“涙そうそう”を歌唱。5月に不慮の死を遂げたZARDの坂井泉水の追悼コーナーにも登場し、チャリティーパーソナリティーを務めていた黒木瞳らとともに“負けないで”などを熱唱した。
9月26日、配信限定シングル“時代／忘れてはいけないもの”をリリース。
10月29日、配信限定シングル“花咲く旅路／キセキノハナ”をリリース。
11月7日、配信限定シングル“秋桜／こころ”をリリース。
12月25・26日、2度目の台湾公演を行った。
2008年1月23日、13thシングル“あの花のように”(作詞・曲：masumi/編曲：井上鑑)を発売、表題曲はNHK土曜ドラマ『フルスイング』主題歌。オリコン94位。
5月24・26日、日本ベトナム外交関係樹立35周年記念事業、日越友好ハノイ・ホーチミン音楽祭（第1回日越友好音楽祭）に参加。
7月30日、14thシングル“いのちの音／だいじょぶ、だいじょうぶ”(作詞：村野直球/作曲：熊谷幸子/編曲：井上鑑／作詞：市川喜康-作曲：亀井登志夫/編曲：井上鑑)を発売、オリコン116位。
10月28日には中国上海国際芸術フェスティバル「日本文化ウィーク」に参加しソロコンサートを開催した。
2009年1月1日、パーカッション奏者の玉木正昭と結婚。
1月15～18日、台湾でソロコンサートを開催（於・台北國際會議中心大會堂）。
2月5日、ミャンマーの旧首都で最大都市ヤンゴンにて開催のイベント「ジャパン・ミャンマー・プエドー2019」に参加し、“涙そうそう”をビルマ語と日本語で歌った。
3月に開催された沖縄国際映画祭出品作品、『南の島のフリムン』（ゴリ監督）に謎の占い師役で映画初出演した。
3月18日、6thアルバム『ココロノウタ』を発売、オリコン77位。
3月25日、Chageのアルバム『Many Happy Returns』が発売、収録曲“僕はどうかな” (作詞：澤地隆/作曲：渡辺等/編曲：吉川忠英)で夏川がデュエットした。
5月16日、太宰府天満宮 天神ひろば特設ステージで「千年 樟若葉コンサートデビュー10周年記念 夏川りみと唄者たち」を開催した。
8月26日、配信限定シングル“いのちのリズム”をリリース。
2010年3月3日、「星美里」時代の音源を集めたコンピレーション・アルバム『星美里 ベスト・コレクション』を発売。
8月20日、第一子となる男児を出産。妊娠の事実は、同年1月18日にメディアに公表されていたが（この時点で妊娠3ヶ月だった）切迫流産の危険があったという。
2011年2月19日、15thシングル“ゆりかごのうた”(作詞：北原白秋/作曲：草川信/編曲：京田誠一)を発売、オリコン109位。
3月9日、7thアルバム『ぬちぐすい みみぐすい』を発売、オリコン69位。
5月4日、出身地石垣市で初の単独公演を行った。
5月9日、具志堅用高、BEGINとともに石垣市観光大使に任命された。任期は2年。
5月14・15日および18日に台湾公演を行い、東日本大震災に対する支援への感謝を述べた。東日本大震災の避難所等にて慰問活動を行った。
9月21日、16thシングル“あすという日が”(作詞：山本瓔子/作曲：八木澤教司/編曲：村松崇継)を発売、東日本大震災復興支援曲、復興支援合唱曲、復興シンボル曲として知られる楽曲。また、卒業ソングとしても親しまれている。オリコン95位。
12月31日、『第62回NHK紅白歌合戦』に出場、秋川雅史と“あすという日が”を歌唱。手話を交えて歌い、スカート部にミンサー柄が透けて見える衣装を着用した。
2012年5月15日、国・県主催の沖縄復帰40周年記念式典第2部記念レセプションのゲストLIVEステージで歌唱した。
同年、東日本大震災の仮設住宅にて慰問を行った。
東日本大震災への支援に感謝を示したいと、11月3日、台湾の台南成功大學、11月4日、台中中興大學にてコンサートを実施。台南では夏川の意向により単親家庭を招待した。
2013年6月8日、台湾の第24屆傳統暨藝術音樂金曲獎（金曲奨）にてゲストとして歌唱した。
8月7日、泉谷しげるのカヴァー・アルバム『昭和の歌よ、ありがとう』収録の“見上げてごらん夜の星を”（作詞：永六輔/作曲：いずみたく）を「泉谷しげる×夏川りみ」名義でデュエット。
10月23日、配信限定シングル“心の地図”をリリース。
2014年1月29日、配信限定シングル“旅のどこかで”をリリース。
3月22日、全米桜祭り (National Cherry Blossom Festival) 2014のオープニングセレモニーにて歌唱した。
4月9日、配信限定シングル“虹のかけら”をリリース。
6月18日、8thアルバム『虹』を発売、オリコン137位。
10月2日、第19回釜山国際映画祭のオープニングセレモニーにて歌唱した。
2015年11月22日、自宅で転倒して左足首を骨折、全治6週間の重傷を負い、12月1日に出演予定だった『NHK歌謡コンサート』への出演を取りやめた。
12月20日、第九ひろしまに第一部のゲストとして出演した。骨折のため車いすに搭乗した状態で登場し、“童神”、“さとうきび畑”、“涙そうそう”、“アメイジンググレース”を熱唱した。いずれの曲も、広島交響楽団がオケを務め、また最後の曲では第九ひろしま合唱団がコーラスで参加した。
2016年11月9日、17thシングル“あしたの子守唄”を発売。
2019年5月29日、配信限定シングル“心の呼吸〜Breath of the heart〜”をリリース。
6月26日、配信限定シングル“そばにいて”をリリース。
8月7日、配信限定シングル“マモリウタ”をリリース。
8月28日、アルバム『美らさ愛さ』を発売。
9月14日、東京・かつしかシンフォニーヒルズで、新アルバム発売記念20周年コンサートを開催。
2021年2月3日、配信限定シングル“しあわせのランプ”をリリース。
3月3日、アルバム『あかり』を発売。
10月6日、配信限定シングル“沖縄からの風”を「宮沢和史・夏川りみ・大城クラウディア」名義でリリース。
2022年5月4日、配信限定シングル“会いたい(想你)”を先行リリース。
6月22日、10枚目アルバム『会いたい ～かなさんどぉ～』を発売。
2023年11月29日、配信限定シングル“春夏秋冬”をリリース。映画『右へいってしまった人』主題歌（2023年12月1日公開）主題歌、同映画に夏川が本人役で出演。
(参照)
Wikipedia「夏川りみ」
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