(有)いのくま畳店のブログ 「あしたは何所だ」

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仕事の事や趣味・日常をまったりとつづってみます。

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前回からの続きです。

補修をした畳床に畳表(ゴザ)を張り畳縁を縫い付け仕上げていきます。

 

畳表については文化財だから最高級のものを、というわけではなく原状復帰が基本ですので一般住宅でも使われるレベルのものです。

 

ですが、今回は畳床の状態を考えて見栄えが良くなるように、い草の品種や重量を指定して特別に織っていただきました。

 

最近はイ草農家さんの数が少ないので畳表の出荷量はもちろんですが種類も限られてきています。

特殊物などは特に良い物が減ってきていると感じています。

そして今回畳表を織って頂いた職人さんも辞めてしまうというようなお話を聴きました。

とても残念です。

 

畳縁(たたみべり)も補修前の畳に使われていた綿縁(綿糸で織った畳縁)を使いました。

昭和感漂う素敵なパッケージです。

 

現在は化繊を使った物がほとんどで沢山のデザインがありますが、綿縁の質感や落ち着いた色味は化繊に真似できない良さだと思います。

せっかくなので化繊と綿を並べた画像をどうぞ

赤い耳が付いているのが化繊の縁です。光が当たると光沢があるのがわかります。同じ黒でも綿縁のほうがより黒く見えます。

 

それでは縫着の作業です。

まずは下ごしらえをした畳床に畳表を張ります。

 

補修した甲斐もあってしっかりと隅が立っているのがわかると思います。

 

それから畳表の幅を寸法に合わせて切り落とし畳縁を縫い着けます。(平刺し)

 

縁を折り返しもう一度縫着(返し縫い)、畳床の状態が柔らかいので手縫いをしています。

(私は左利き)

それからあれこれ細かい作業をして完成します。

 

敷き込んだ画像はこちら

踏んだ感触はやはり古くなって柔らかい畳ですが、見た目は隙間なく綺麗に収まりました。

 

普段の張り替え作業は、時間との戦いな部分もありますのでここまで手間をかけるのはなかなか難しいですし、使用感を考えれば新しく新調したほうが良いですよ。と言いたい畳ですが、これからまた何十年か後にこの畳を解いた職人が先人達に思いを馳せてくれたらいいなと思います。

 

前回はとても古い畳を補修します。というお話でした。

 

畳が美しく見えるようにするには寸法をしっかり作るのはもちろんですが、畳表(ゴザ)を張る前の下ごしらえが重要です。

何度も表の張替えを繰り返していると畳床の形が崩れていきます。

定規をあてると解り易いですね、これでは隙間があるように見えてしまいます。

また経年劣化による凸凹などもありますので、出来る限り気にならないように補修していきます。

手床は機械で圧縮した物に比べ柔らかいので角がしっかりと立ちません。

なので框部分(縁が付いていない方)に木の板(頭板)を縫い付けています。

今回は割れて形が崩れてしまった頭板(かしらいた)を取り換えます。

寸法に気を配りながら頭板を縫い付けワラやイ草を使って畳床との段差を感じさせないようにします。

 

その他、畳の厚みを整える作業・畳床のムラをとる作業・湿気により腐っている部分の補修などをして畳表(ゴザ)を張る下ごしらえが終わります。

補修部分が多いと1日で1畳終わらない事もありました。

畳床のコシを戻すために「締め直し」という作業もあるのですが、今回は予算の都合でおこないませんでした。

※同業の方が見るとセオリーと違うと思われるかもしれませんが、仕上げの機械縫いをしやすいように返し藁を先に縫い締める作業をしています。

 

次回は仕上げの作業です。

 

 

 

 

 

 

 

昨年は文化財補修のお仕事をさせて頂いたので

ざっくりではありますが、ご紹介してみたいと思います。

 

まずは畳の材料、手床(てどこ)についてご紹介したいと思います。

手床とは畳床(畳の心材)の呼び名の一つです。

 

稲ワラを縫い締めて圧縮した物で、その作業すべて手作業で行った畳床の事です。

その縫い方によって名前がありますが、それはまた機会があったときに。

 

畳床の機械化が始まったのが明治末期から大正初期ということで、今ではその技術を伝える職人さんは数えるほどしかいません。

私も研修で体験させて頂いた事が何度かありますが、とても大変な作業です。

 

 

そして今回補修する畳の一部に手床を使用した畳がありました。

この写真を見ただけでは判りませんよね

裏側を見てみましょう。

縫い目が千鳥に並んでいるのがわかりますか?

 

機械縫いはこちら、縫い目が一直線にならんでいます。

畳の裏を見る事があればこの縫い方を見て下さい。

もし縫い目が千鳥に並んでいたらその畳は文化財レベルに古い物です。

 

まずはこの畳から古くなったゴザと縁を剥いでいきます。

中から出てきたのは昭和48年の新聞紙、この畳が最後に張り替えられたのは50年ほど前のようです。

かなり頑張ってますね、さすが文化財に敷いてあるだけあります。

それから残っている糸を確認してみたところ、新調してから少なくとも3回は表の取り替えをしているようです。

 

次回はこの畳床の補修作業をご紹介します。

 

 

 

年内のお仕事も終え工場の片付けもできました。

 

今年も忙しくお仕事させて頂きありがとうございました。

また、お仕事をお請けできなかった事も多々あり申し訳ありませんでした。

 

 

進撃の日田関連では今年もたくさん進撃ファンの方とお会いできました。

始めましての方、日田に訪れる度に立ち寄ってくれる方、除幕式以来久しぶりに立ち寄ってくれた方、

遠くから今年2度も来て頂いた方、それからGW中に大山ダムでお会いした方、「おた基地」でお会いした方

工場でもくもくと作業する事が多いので、皆さんとお話しする時間はとても楽しく感じています。

 

また日田を訪れた際にお会いできることを楽しみにしております。

 

皆さま良いお年をお迎えください。

 

旅行に行って宿泊するなら畳の部屋が良い

 

という方もいらっしゃると思います。

 

そこで畳のお部屋に宿泊する方に注意して頂きたい事があります。

 

まずこちらの写真をご覧いただきたいのですが

畳に付いたシミ、何が原因かお分かりになりますでしょうか?

 

 

 

 

 

 

実は濡れたタオルなんです。

 

宿泊先でお風呂に入り濡れたタオルを畳の上に置いたまま

朝まで放置してしまうとご覧の様なシミになってしまいます。

 

イ草は長時間水分を含んだままになると変色をします。

そしてこの状態が元に戻る事はありません。

 

こうなってしまうと旅館のオーナーさんも畳屋さんも困った事になってしまいます。

 

なので畳の上に濡れたものを長時間放置しないように気をつけて下さい。

 

どうぞよろしくお願い致します。

 

 

 

皆さま、あけましておめでとうございます。

 

さて2022年1月9日24時5分から

いよいよTVアニメ「進撃の巨人」The Final Season Part 2の放映が始まりますね。

 

その放映日1月9日に併せて「日田限定進撃の巨人トラベルステッカー」の販売を開始いたします。

スーツケースに貼って日田の思い出と一緒に連れて帰ってほしい、との思いで企画させて頂きました。

No1「自由だ」 No2「心臓を捧げよ」 No3「隊長と兵士長」 No4「調査兵団13代団長」の全4種で各400円(税込)となっています。

またスーツケースに貼る事を想定して耐光・耐水性のある素材を使用しています。

 

販売場所については以下の場所となります。(2023.1.3現在)

●日田市観光協会 観光案内所/リヴァイ兵長像に向い左側駐在所横
 大分県日田市元町11−3 営業時間9:00~17:00

●SLOW cafe(スローカフェ)/月隈公園駐車場向い
大分県日田市丸山2丁目1−26 営業時間11:00~18:00

●本野はきもの工業
大分県日田市三芳小渕町1080−3 営業時間9:00~18:00

 

●椿亭

 大分県日田市大宮町1219−1 営業時間11:00~16:00

 

●(有)猪熊畳店/星隈公園前 

 〒877-0078 大分県日田市北友田2丁目1985

でんわ0973-22-4361

 

そしてご購入いただきましたら是非その場で封を開けて頂きたい。

パッケージに一工夫しています。

併せてこちらのブログも読んで頂けると楽しめると思います。

 

 

 

 

また リヴァイ兵長のイ草ラグもよろしくお願い致します

 

 

 

 

 

進撃の日田コラボ 猪熊畳店第二弾のグッズに少しだけ関連する日田市の史跡「三隈」をご紹介したいと思います。

 

日田市内を流れる「三隈川」そのほか学校・企業の名前などにも使われている三隈は

 

日田市に点在する

 

日隈(ひのくま)

月隈(つきくま)

星隈(ほしくま)

 

の三光をなぞらえた丘の総称をそう呼びます。

それぞれに神様を祭った神社があり、平成10年には「日田市環境保全条例」の保存樹林に指定されています。

 

●日隈

亀山公園(きざんこうえん)として整備されていて駐車場が広くたくさんの遊具もあり、春には公園内にある桜を目当てに多くの利用者が集まります。

日田川開き観光祭に行われる三隈川を舞台とした花火大会にはとても良い見物場所です。

 

 

●月隈

ふもとには諫山先生が通っていた日田林工高等学校があり、校歌は「光る(てる)月隈の丘を占め~」から始まります。

城山とも呼ばれお堀と石垣が残っていて日田天領祭りの舞台にもなります。

公園駐車場はスローカフェさんの前にあります。

 

 

●星隈

三隈川と花月川の合流地点にあり、三隈の中では最も小さく数台の駐車スペースとトイレが整備されているだけの公園です。

日田市に住んでいても星隈って何所?と言われる方もちらほら

はい、地図を見て頂いてわかるとおり、弊社の真ん前にございます。

地味な場所ではありますが星隈公園もよろしくお願い致します。

 

 

 ざっくりとではありますが、三隈の紹介をしてみました。興味がある方は掘り下げて調べて頂けたらその昔、日田市がどんな土地柄であったかが解り面白いと思います。

フローリングのお部屋に畳を敷きたいとご相談いただくことも増えています。

 

薄く仕上げた畳をそのままフローリングに置くタイプの商品も多く見受けられるようになっていますが

長期間使用すると畳の角部分の傷みが気になってくるところです。

 

今回は畳の保護と敷き崩れ防止に大工さんから木枠を作って頂いて畳と一緒に納品しました。

 


畳の厚さは30㎜、木枠の寸法は約2000㎜四方、スロープ状に加工して畳との段差が気にならないように仕上げています。

 

 


 

参考価格¥55,000-(税込) 2021.9.10現在

※畳・木枠の仕様により価格は前後します。

 

 

 

 

 

 

 

 

梅雨時期になりますと「畳にカビ」と心配される方もいる思いますので、畳のカビ対策をご紹介したいと思います。

皆さんご存知のとおり、カビの胞子は空気中に無数に存在し高温多湿状態が続くと発生します。


畳は天然イ草の畳表(畳の表面)に稲わら床(稲わらを使った心材)の場合、
一畳につき約500㏄の水分を室内環境に応じて吸収・放出すると言われています。

6畳で3リットルと考えると凄いですよね。


 汗ばむ季節にも畳はべたつかずサラッとして快適なのはこのためです。
そして実は上記の理由からフローリングのお部屋に比べ温度差の変化が小さく結露しにくいのも畳のお部屋なんです。

そんな素敵な機能を持ち合わせている畳ですが、梅雨時期には水分量が飽和状態になってしまう事があるんです。

それが畳にカビを発生させてしまう一つの原因になります。


そしてもう一つの原因はカビが育つ為の栄養分です。

カビは有機物をエサとしていますので、人の皮膚・皮脂・食べこぼしなど 人が生活していれば必然的に発生するものが床材が故に溜まってしまう事が原因になります。

※もちろんイ草自体も有機物なのですが、新しい畳にカビが発生しやすい事を考えるとイ草が青いうちは栄養分を多く含んでいるのではないかと思います。

そこで畳に対してのカビ対策です。

〇除湿機やエアコンのドライ機能を使いお部屋の湿度を下げる。

〇こまめなお掃除を心掛けカビの胞子やその栄養分が溜まらないようにする。

この2つが大切です。

※洗濯物の部屋干しはお部屋の湿度が大きく上がりますのでご注意ください。


特に普段使いをしない畳のお部屋は居間や寝室に比べて圧倒的にカビの発生の相談が多いので、雨が続くこの季節は気をつけてくださいね。


いよいよ進撃の巨人の最終話が迫ってきましたね。

進撃の巨人を読み込むようになったのは途中参加なのですが、アニメをレンタルビデオで見てからでした。本誌ではケニーアッカーマンが登場したあたりではないかと記憶してます。

アニメの2期からは息子と一緒に見るようになり、親子共通の話題を提供してくれたのが「進撃の巨人」でした。 

どんな結末を迎えるのかの期待と、物語が終わってしまう淋しさで複雑な心境です。

 

 

さて前回のブログでも触れましたが続々と進撃の日田コラボ商品が発表されています。

初期ラインナップの「進撃の巨人イ草ラグ」も

もう一度思い出して頂けるようにまとめておきたいと思います。

 

<過去の商品説明記事一覧>

イグサってなに?

進撃の巨人 イ草ラグ 染色の現場

進撃の巨人イ草ラグ 商品化への経緯

 

<進撃の巨人イ草ラグ販売場所>

 

〇水辺の郷 おおやま

大分県日田市大山町西大山4106

 

〇日田玖珠地域産業振興センター

大分県日田市三本松2丁目3番1号

 

〇Yahooショッピングサイト

 https://store.shopping.yahoo.co.jp/igs-shin/attack.html

 

 

 

 

<番外>

中本町の「おた基地」さんではオーナー私物の「進撃の巨人イ草ラグ」を展示して頂いてます。