前回はとても古い畳を補修します。というお話でした。
畳が美しく見えるようにするには寸法をしっかり作るのはもちろんですが、畳表(ゴザ)を張る前の下ごしらえが重要です。
何度も表の張替えを繰り返していると畳床の形が崩れていきます。
定規をあてると解り易いですね、これでは隙間があるように見えてしまいます。
また経年劣化による凸凹などもありますので、出来る限り気にならないように補修していきます。
手床は機械で圧縮した物に比べ柔らかいので角がしっかりと立ちません。
なので框部分(縁が付いていない方)に木の板(頭板)を縫い付けています。
今回は割れて形が崩れてしまった頭板(かしらいた)を取り換えます。
寸法に気を配りながら頭板を縫い付けワラやイ草を使って畳床との段差を感じさせないようにします。
その他、畳の厚みを整える作業・畳床のムラをとる作業・湿気により腐っている部分の補修などをして畳表(ゴザ)を張る下ごしらえが終わります。
補修部分が多いと1日で1畳終わらない事もありました。
畳床のコシを戻すために「締め直し」という作業もあるのですが、今回は予算の都合でおこないませんでした。
※同業の方が見るとセオリーと違うと思われるかもしれませんが、仕上げの機械縫いをしやすいように返し藁を先に縫い締める作業をしています。
次回は仕上げの作業です。