国宝展 | ヘルメスの丘 ~In Tune with Hermes~

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これで ピーンと来た方は・・・ もう楽しまれましたね?

 

 

現在、京都国立博物館では 「国宝展」 が開催されています。

 

 

わたしは昨日の金曜日に訪れました。 すでに最終期間である 第IV期に入っています。 

 

 

わたしのお目当ては 第IV期のみに展示されている 「燕子花図屏風(尾崎光琳 筆)」

 

 

入場制限はなかったものの 予想通りの混雑ぶり。

 

それでも "カキツバタ" を楽しみに午後2時少し前に博物館入りしました。

 

 

アヤメ科の花が昔から好きでして、 それを代表するような絵画ですから それはそれは楽しみにしていたのです。

 

 

『国宝』 というだけで すべてに期待していたというわけではなく むしろお目当てのそれ以外は 

何が展示されているか調べもせず 気楽、気ままに赴いたのでした。

 

 

作品群は 冒頭に挙げた順路で展示されており、「近世絵画」に分類される 燕子花図屏風は 展示部屋に辿りつくまでかなりの道のりです。

 

 

ところが。

 

 

さすが「国宝展」。 冒頭の彫刻から なんと素晴らしかったこと。

 

 

どれも 「圧巻」 の印象です。

 

 

博物館・美術館巡りは 昔に比べてかなり遠のいていたのですが、しばらく眠っていた好奇心を再び揺り起こしてくれるようなラインナップでした。

 

 

時代を超えて 人がその手で創りだした傑作を目の当たりにすると・・・ 

 

壮大な想いが自分の中を駆け巡ります。 まるでタイムトラベルをしているように その時代に想いを馳せながら見つめます。

 

 

国宝として現代で重宝されていることは 皮肉にも、政治権力やその他諸々の悲喜交々(ひきこもごも)な歴史が背景として入り混じっているわけです。 

 

が、それでも それぞれの作品から

 

「生き延びてきました」 

 

といわんばかり強いメッセージ力を感じ、どれもこれも思わず見入ってしまったのでした。

 

 

展示順路も後半にさしかかり、いよいよお目当ての・・・と 「近世絵画」の間に入ったところで 

わたしの眼を釘づけにしたのは "カキツバタ" の手前に展示されていた

 

 

雪松図屏風 (円山応挙 筆) 

 

 

今回初めて知った作品・作者であり、 最初は、「ずいぶん眩しく感じる作品だなあ」 ぐらいの印象でしたが、見つめているうちに、

 

 

目が離せなくなり・・・

 

気がつくと・・・

 

無性に胸が熱くなって・・・

 

涙ぐんでいました。

 

 

自分でもわけがわからないくらい 何かがこみあげてきて

 

次に待っていたお目当ての "カキツバタ" は 少し間をおいてからでないと 眺めることができないほどでした。

 

 

不思議ですね。 こういう出会いって 本当に天からのギフトなんだと思います。

 

 

理屈でなく、なんとも言葉に表しがたい感動です。 

 

 

周囲はかなり混雑していたのですが わたしの意識の中ではそれもまったく気にならなくなり、

 

雪に覆われた松の風景に対峙しているのは自分だけであり 

 

その屏風の中に溶け込むように・・・別空間にトリップしてしまったようでした。

 

 

 

全作品を観ること タップリと三時間。 外はもう日が暮れていました。

 

 

一巡した後、もう一度ぜひと思ったものについては改めて観てまわり、結局 三巡したのでした。

 

 

国宝展を訪れた人が 銘々の心で 縁のある作品との対峙を楽しんでいたのだろうなあ・・・

 

そうに違いない。 わたしがそうだったように。

 

帰り道のバスの中でそんなことを想うと 心がほっこりとあたたかくなりました 照れ  

 

 

他にも 挙げればきりがないほど 見入ってしまう作品が数多くありましたよ。

 

事前にリサーチしてから行くもよし、何も知らず出会いを楽しみに行くのもよし、

楽しみ方はそれぞれ、です♪

 

 

ちなみに わたしを今回 最もノックアウトしてくれた(?) 雪松図屏風は 東京・三井記念美術館所蔵、

燕子花図屏風は 東京・根津美術館所蔵です。

 

 

「国宝展」は 11月26日(日)まで開催されています。

 

京都に行く機会がある方はぜひお見逃しなく ウインク  (混雑は避けられませんが)

 

 

◆京都国立博物館 開館120周年記念 特別展覧会 国宝

http://www.kyohaku.go.jp/jp/special/tenrankai/kyoto-kokuhou2017.html

 

ご参考

◆三井記念美術館

http://www.mitsui-museum.jp/

 

◆根津美術館

http://www.nezu-muse.or.jp/

 

 

入場前。日中は比較的暖かな陽気でした。

 

 

博物館を出るとすでに日が暮れていました。 西に観えるは 京都タワー。

 

 

 

ヘルメスの丘 伊野華絵(いのはなえ)

http://inohanae.world.coocan.jp/