昨日に引き続き、漢字ミュージアムでのワークショップ体験のお話です。
前回より詳細を記しますが、漢字の変遷は以下のようになっているといわれています。
1. 甲骨文字(こうこつもじ):最古の漢字であり、事物の「形」をそのまま忠実に反映。
2. 金文(きんぶん):鋳造という方法で、青銅器の内側などに鋳込まれた文字。
3. 篆書(てんしょ):紀元前221年、秦の始皇帝により全国文字として定着。
4. 隷書(れいしょ):行政用文書として竹簡や木簡に書かれた文字。
5. 草書(そうしょ):隷書を早書きする目的で誕生。日本の平仮名はこの略体化といわれる。
6. 行書(ぎょうしょ):柔らかい毛の筆で書いた文字。
7. 楷書(かいしょ):隷書から天かした字形の方正な文字。印刷技術の発展で定着。
(上記、ワークショップの資料からのまとめ)
講師の張先生は、自国(中国)では主に小学生の子供たちに書道を教えておられたとのこと、中国では書道は4の「隷書」から習うのだそうです。
隷書とは、以下ですが、
草書・行書・楷書とは異なり、横にまっすぐ線を引く感じで書けるので、入門には適しているのだそうです。
また、草書・行書・楷書の違いを先生は面白く表現されていました。
楷書は、人に例えれば「まっすぐに立っている」状態であり、
行書は、「歩いている」状態であり、
草書は、「走っている」状態なのだそうで。
いわれてみればたしかに、そんな風景に観えてきますね(^-^)
また、書道の技法でとても興味深かったのが、「逆筆(ぎゃくひつ)」というものです。
逆筆とは、たとえば、右に筆を進めようとする際、右方向に動かす前に、筆の向きをまず逆側の左に動かすというものです。
先生は、サッカーボールを蹴るときをたとえとしておっしゃいました。
「ボールを遠く前方向に蹴ろうとする場合、足をそのままボールにあてるのではなく、まず蹴る足を大きく後ろに振り切ってから蹴りますね。それと同じです。筆の勢いをつけるために、はじめは進めたい方向とは逆にもってゆくのです」
なあるほど。・・・ですが、これ、実際にやってみるとムズカシイ。。。理屈ではなんとなくわかってみても、手が動かないんですね。
逆筆は、書き始めの文字の先端に丸みをつける意図もあります。
また、筆使いについてもう一点面白いことが。
「筆は、先端から3分の1だけ使いましょう。根元まで全部使うようには動かさないでくださいね」
全部を使うと全体が重くなってしまい、字に動きや軽さがでないのだそうです。
なるほど~。 興味深いコメントばかりです・・・。
ワークショップは1時間程度でしたが、実際に書いてみるという体験があったことと、先生のおっしゃるコツのひとつひとつが珠玉の言葉に感じられて、書道のみならず生活や生きることに繋がるようなヒントをいただいたように思いました。
受講後、改めて「漢字」について想いを馳せながら、館内を再度ひとまわりしました。
(フラッシュなしでの撮影は可、です)
以下は「甲骨文字」ですが、ここは声を大にして、いや、フォントを大にして言いたい(書きたい)ですね~
「漢字のはじまりは、占いの記録」 だった
最古の漢字である「甲骨文字」は、占いのため(占いを記録するため)の文字だったのです。
ちなみに、私の相棒・ヘルメス(=水星)は、占星術上では「文字」であり、同時に「占術」を表すシンボルです。
この日は私にとって、内面的に実に収穫の多い日となりました。
漢字ミュージアム@京都・祇園。 感謝、感謝です。みなさまもお近くにお越しの際は、ぜひ。
<ご参考>
漢字ミュージアム Japan Kanji Meseum & Library
<おまけ>
このあと私は東寺に向かいました。1月21日は、「初弘法」の日。大勢の人でにぎわっていました。弘法大師さんは「三筆」のおひとり。
特に意識していなかったのですが、気づけば「筆」繋がりの京都散策となりました(^-^)
それではみなさま、おやすみなさい☆
ヘルメスの丘 伊野華絵(いのはなえ)
http://inohanae.world.coocan.jp/