新チームのメンバーは、私が指導してきたこれまでのチームと比べても、極めて経験値の少ないメンバーです。なにしろ中心となる5年生はバレーボールを始めて1年もたっていません。本当はバレーボールの試合に出場することじたいが早すぎるくらいのメンバーです。それでもチームは止まることはできませんので、この経験値の少ないメンバーで、1月の教育大会を目指すことになります。現状では、普通にスパイク攻撃はできませんし、レシーブ、トスもままなりません。そんなメンバーではありますが、今日は他地区の男子の新チームに来ていただき、練習試合をすることができました。
前回のブログ記事にも書きましたが、経験が少ない分、どうやら吸収力はとても高いようで、指導したら指導した分、素直に吸収していくことができる子供たちでもあると感じます。
今日、指導したポイントを箇条書きで記録します。
・2-1-3フォーメーションでは、チャンスボールが来るという判断を、ブロックに飛んでいる2人が早くして、「チャンス!チャンス!」と言いながら下がらないと、前後に大きな穴が開く。この動きを完ぺきに身に付けないとならない。
・レセプションもディグも、レシーバー陣が「せーの」と声かけ準備し、相手が打った瞬間に、「1,2,3」と走りまくってギリギリで拾い上げる。
・男子が打ってくる強いボールを、やわらかくキャッチするようにレシーブする。そのように、サーブやスパイクの勢いを吸収して、自分たちのボールにする。
☆そして今日、子供たちが身に付けたことで、一番大切だったことが、「コート内での会話」です。この会話を、バックのレシーバー3人でチャレンジするように指導しました。リベロ的なレシーバーは、コート全体が見えている。そのため、自分たちがどこを直せばいいのかを一番見ることができる。矢口タートルズのレシーバーは、「コート内のコーチである」ということを教えました。
このことをまずは4年生女子のHさんが積極的にやり出しました。ブロックの位置について、ラリーが切れるたびに指示をしていました。「今のは左すぎるから、レフトアタッカーの正面に飛んで」「今はブロック二人の間が開いていたから、もっと間をつめて」など、どんどんコーチングしていました。頭が良いからできることです。その優秀な頭脳を私は信じています。
それまでの数セットは、指導者の私がうるさいくらいに動きを指示する声かけをしていました。しかし、Hさんだけでなく、6人全員が会話をすることが、それまでよりも10倍以上増えてきたので、練習試合の後半は、あえて指導の言葉を控えて、どんな話し合いをするかと楽しみに黙って見守るようにしました。
新チームの子供たち、どうぞ遠慮なく、コート内でどんどん話をしてほしいです。指導者が口出しする気持ちがなくなるほど、子供たち同士で話をしている状態こそが、私の理想のチームです。バレーボールの真剣勝負を通して、子供たちが何かを学んでいること。試行錯誤していること。勝つためにはどうしたらよいのか一生懸命考えていくこと。小学生時代の最高の人間教育です。
指導者である私が、精神的な指導をする必要がなく、「球出しマシーン」に徹することができるチームになれば、新チームはグングン成長していけるでしょう。今の現状から、どこまで成長できるかどうか。これを楽しみにすることが新チームを応援するポイントです。
