脳科学を応用したバレーボール指導 | 一歩一歩 前に前に(小学生バレーボールチーム 矢口タートルズVC)

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夏休みも後半に入りました。この夏休み、学期中よりも集中した練習を積み重ねてきた結果、子供たちの技術の向上には目覚ましいものがあります。今日は練習ポイントをスパイク技術の向上に決めて指導しました。その成果はたちまちあらわれ、5,6年生はとてもよいスパイクを打てるようになりました。

 

一方、メンタルトレーニング的な指導もしました。私の場合、メンタルトレーニングというよりいも、「メンタルリテラシー指導」と言った方がよいです。この「メンタルリテラシー」という言葉を使う場合の「メンタル」とは、心のことではなく、「脳機能」のことを示します。私たちが行動することで、脳がどのような情報処理を行うのかを数多く指導した今日1日でした。とても重要なことを指導しましたので、記録として書き残しておきます。私が教えたことではなく、ファシリテーターとして子供たちから引き出した意見を記録します。

 

(1)脳はどのような情報をキャッチして、物事を判断しているのか?

耳・・・聞こえる声がどのようなものなのかを脳がキャッチして、自分の行動に指示を出している。

目・・・ボールの動きや選手の動きなど、見える情報をキャッチして次の動きを決めている。

鼻・・・においを感じて情報を受け付ける。

舌・・・味を感じることで、何かを考える。感じる。

身体感覚・・・自分の体が感じていることを脳がキャッチしている。

雰囲気・・・今、どのような雰囲気なのか、盛り上がっているのか、元気ないのかを感じている。

 

(2)すると出している声の質が脳に影響するはず。どうしたらよいか?

・できるだけ大きな声を出した方がよい。

・人に伝わる声を出した方がよい。

・元気な声を出した方が、練習や試合に前向きになれる。

・今、自分はがんばっているということを脳に伝えるような声を出した方がよい。

 

(3)脳は自分の身体の状態をキャッチして次の行動を決める。自分の口角をあげて、笑顔を作るだけで、前向きな状態、成功に向かう状態だと脳が判断する。反対に、口角をさげると、どれだけ頑張っていても、脳はダメな自分が今いるというマイナスイメージを作り出す。口角を上げるだけで幸福の道に入り、口角をさげるだけで不幸な方向に向かいやすくなる。割りばしを口にはさんで、口角を上げる練習をすることで、自分のやっていることが成功の道に進んでいく。

☆これは毎日の宿題にします。

 

 

練習のスタートで、以上のような指導を入れたことで、その後の練習効果は倍増しました。

 

 

メンタルリテラシーの指導はまだ続きます。

 

練習最後のミーティングで、「ふりかえり」の効果について話しました。

「みんなは学校の授業で、ふりかえりをさせられることがあるはずですが、何のためにふりかえりをしているのか分かっているかな?これは、その授業をふりかえることで、学習内容を脳に刻み込むことを目的としている。だから、ふりかえりでは、今日理解したことはこのような内容で、それをもとに次にこのようなことをしていこう。どうしてできるようになったのか、その理由をふりかえることで、理論の定着をはかろう。さらに効果を上げるためには、自分の次の課題をふりかえりで考え、今日はこうだったから次の練習ではこうしたいと決めておくことで、学びの連続性を生み出すことができる。ぶつぎれの学びよりも、学びが続いていることが脳を活性化させる効果が高い。」

 

今日は、人生を成功の方向に導くための理論を子供たちに染み込ませました。97%の子供は忘れてしまうでしょうが、3%の自分の実践をさっそく起こす子供がいることを期待してやみません。(この3%という数字にも研究データの裏付けがあります。人間社会のしくみは、3%の成功者のために、97%の人々が汗水流して働いているという長期研究データがあります。)