
昨日行われた「道徳公開講座」で講師をして下さった小林先生のお話を「iMindmap」で記録した画像です。
記憶に役立てようとは意図しているわけではなく、記録として取っていったものなので、アイコンで記憶のフックをかけたりはしていません。
大切なお話だと感じましたので、マインドマップを見ながら文章で再現してみます。
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『こどもたちの心を育てる道徳教育』
私は道徳公開講座の講師として呼ばれることが多く、昨年も話をさせていただきました。なので、話題が重複することもあるかもしれませんが、道徳というのはおなじことを何度も確認することも大事ですからご了承下さい。
道徳教育の成果を見るためには、こどもたちにどんな行動力が身についていて、日頃の道徳的実践力が向上しているのかどうかという判断をする必要があります。どんなに素晴らしいと思える授業をしたとしても、それが日常生活に反映されなければ何にもならないわけです。
私は若いときから理科の分野で勉強をしてきました。いろんな方とお見合いもしましたが、そういうときに私が行くのが「動物園」なんですね。そんなことで振られることもありましたし、うまくいくこともありました。今となれば笑い話です。
さて、今でもよく行く動物園で見た親子の話です。
先日、動物園の屋外テーブル席でこどもが椅子の上に土足で上がっているんです。
(あ~いけないなぁ)
と私は思いました。ところが一緒に座っている母親はまったく注意しないんですね。人が座るものですから、次に使う人のことを想像とすれば土足で上がることはできない。それが「しつけ」というものですね。ところがそれを注意できない母親がいる。つまり「しつけ」というものを知識として知らないわけです。親が知らないのですから、そのこどもに伝わるわけがありません。こうして将来の『道徳観』といったものに影響が出てしまうのではないかと感じました。
地方に行くと東京よりも温かい心に接することが多いです。電車に乗っていたりすると、若者や高校生がすぐに「どうぞ」と席を譲ってくれるんですね。私もそんなに年をとったのかなぁと少し残念な気持ちもありますが、でも、何か温かなものが伝わってくるのです。こうした『行動律』がまだまだ残っているのが地方の良さではないでしょうか。
東京の電車はそういうことがあまりありませんね。多くの人がケータイをいじったりして、他人に関心を寄せません。席が空くと真っ先に座ってしまう若者もいますね。
私たち大人は、こうした基礎となる道徳概念をこどもたちに植え付けていく必要があると思います。またこれは大人も高めていく必要があります。
例えば清潔感といったものを維持することは人間の基本ではないでしょうか。威風を清潔にする。朝起きたら洗顔をしたり、身なりを整える。こういうことをこどもの内からしっかり身につけさせることによって、いじめを防ぐことにもつながります。
また、言葉づかいもそうです。言葉というのは聞く側に何かを伝えるためにあるものです。豊かな表現力を持たず、聞く側の気持ちを想像せずに話している言葉は、どこか相手の心を傷つけてしまうものではないでしょうか。分かりやすく言えば、「人の嫌がることを言わない」ということは当然の道徳だと思います。しかし、話す側がそうしたことに気づかないケースが多くはないでしょうか。
反対に、人の言葉や助言を「聞く耳」を持つということも大切な姿勢です。人から言われたことを守る、人と約束したことを守ることから信頼関係が築かれます。
大人にはこどもたちを育てる責任があります。これは学校とか家庭とか地域とかが責任をなすりつけ合うのではなく、みんなが同じように責任を感じて子育てをすることが大事なのです。こどもたちをどう指導していったら良い子に育っていくのかをみんなで真剣に考えていく責任があります。
また、よく大人がこどもに話す言葉に、
「どうしてできないの?」
「この前、注意したばかりじゃないの。」
といったものがありますよね。そうではなく、こどもはできなくて当たり前なのです。言ってもできないのは、まだまだその子の行動の中に、大人の道徳律が落ちていない、根付いていない状態なのです。だから何度も何度もねばり強く指導してあげてください。そういう大人の心の大きさが心の豊かなこどもを育てるのではないでしょうか。
あいさつなんかも家庭と学校の両方で、日常的に積み上げていかなくては身につきません。あいさつというのは言われなくてもするものだという、あいさつするおが普通のことだという道徳観、日常的な生活習慣になっていくまで、コツコツと指導してあげることが必要です。
私たちは一生懸命にこどもたちを指導していこうとしています。そこで意識しておきたいことがあります。『問題が起きた時が指導のチャンス』だということです。こどもというのはエネルギーの塊ですから、いろんなことをします。何度も何度も失敗を繰り返します。ミスをするということは、まだ道徳的実践力が未習得だからです。こどもが解決するまでじっくりと待ってあげることも必要です。大人はなかなかそれを待ってあげられない。根気不足になってはいけません。
そのためにも、こどものエネルギーに負けないように、大人もエネルギーを蓄えて下さい。たくさん息抜きも必要です。大人がお互いの弱さを認め合えるような関係になって下さい。そういう優しさを持って下さい。きっとこどもたちも優しい子に育つことでしょう。
私は自分自身の中に明確な道徳的基準があります。最低ラインは「人に迷惑をかけない」ということ。これは絶対に守るべきことです。そして理想的には「人に奉仕する生き方をする」ということだと決めています。
ところで最近は「親を殺してしまう」というニュースも流れることが多いです。しかし、中には悲しいけれど、どうしようもなくなって殺してしまうケースもあるわけです。「老老看護」で疲れ切ってしまった末に、心が追い込まれてどうしようもなくなって一緒に死のうと思ったというケースを耳にします。私自身も老齢の親の世話をしていますので分からないわけでもありません。このようなどうにもならないケースに追い込まれた時に、自己をいかにコントロールできるか。これが今後の時代には必要なことに思えます。何かマイナスの行動を起こしそうな気持ちが起こった時に、「これでいいのか?」と自分に問いかけられるような習慣が必要だと思うわけです。人生には様々な危機があります。この危機をいかにして回避できるかどうか。道徳教育で育んでいかなくてはならない課題なのでしょう。
人は強く生きていくためには、ただ突っ張っているだけでは折れてしまいます。自分の悩みや弱さをさらけ出して、人に意見を聞ける人、そして共に支え合っていける人が本当の強い人なのではないでしょうか。
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