
6、沈めてよいか、第五福竜丸
ここに『沈めてよいか、第五福竜丸』という文章が書いてあります。これは朝日新聞の読者の投稿欄に載せられたものです。この投稿から、第五福竜丸を保存して平和のために役立てていこうという運動が活発になりました。
『沈めてよいか、第五福竜丸』 武藤 宏一
第五福竜丸。
それは私たち日本人にとって忘れることのできない船。
決して忘れてはいけないあかし。
知らない人には、心から告げよう。
忘れかけている人には、そっと思い起こさせよう。
今から14年前の3月1日。太平洋のビキニ環礁。
そこで何が起きたのかを。
そして沈痛(ちんつう)な気持ちで告げよう。
いま、このあかしがどこにあるかを。
東京湾にあるゴミ捨場。人呼んで「夢の島」に、このあかしはある。
それは白一色に塗(ぬ)りつぶされ、船名も変えられ、
廃船(はいせん)としての運命にたえている。
しかも、それは夢の島に隣接(りんせつ)した15号埋立地に
やがて沈められようとしている。
だれもがこのあかしを忘れかけている間に。
第五福竜丸。
もう一度、私たちはこの船の名を告げあおう。
そして忘れかけている私たちのあかしを取りもどそう。
原爆ドームを守った私たちの力でこの船を守ろう。
いま、すぐに私たちは語り合おう。
このあかしを保存する方法について。
平和を願う私たちの心を一つにするきっかけとして。
(朝日新聞 1968年3月10日 「声」欄より)
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