半分教師 第23話 「教育技術は盗むもの」 | 一歩一歩 前に前に(小学生バレーボールチーム 矢口タートルズVC)

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普通校に移ってできないと痛感したことが三つあった。

「集団を統率する技術」
「授業中に勝手な発言をさせない技術」
「子どもの間のもめ事を解決する技術」

これはすべて教育技術の問題である。その教師の人間性とか性格とかとは別次元の話であると私は思う。

この教える技術を私はベテランの先生から盗んでいった。
1学年が4クラスある大規模校だったことがけっこう幸いした。なぜなら空き時間が週に6時間あったからだ。音楽・図工・家庭科に専科がつき、2時間ずつ合計6時間。この空き時間を利用して、まるで忍者のように先輩の授業をのぞき見して回った。
「お願いして見せてもらえば良かったんじゃないの?」
と言われるかもしれないが、それで見せる授業をされては困ると思い、廊下で人知れず授業を観察した。けっこういろんなことを学び取ることができた。

集団を統率する技術の習得では「メモ魔」になって学んだ。
全校朝会、運動会、遠足など、大人数を動かしていくベテランの先生の一挙手一投足には味のあるものが多い。だてに年数を経ているのではない。その年数を通して通用する技術だけが淘汰されて残っているのである。
「これは使える!」
と思ったものは、すぐにメモをして覚え、実践していった。

子どもの仲介についても、他のクラスでもめ事があり、担任の先生が廊下で話をしている場面を見つけたら、「どうしたんだ?」とばかりに話に入り、ウンウンうなずいて手助けをしている振りをしながら、先生たちの指導パターンを盗み取っていった。

こんな学習方法が正しいかどうかは分からないが、少なくとも自分自身の財産となったことは間違いない。

まあ、職人の親方が「技は盗んで覚えろ」と言葉では教えてくれないのと似ているのかな。わたくし、紳士服の仕立て職人の息子なもので、やっぱり職人気質(かたぎ)なのかもしれませんな。

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