養護学校は小学校から高校まで同じ校舎にいるので、教職員の数が半端じゃない。100人を越えていた。話をしたことのない教員がいるほどだ。そんな集団をどうまとめていくのか?これが養護学校の大きな課題であった。
私が赴任した学校には、大変に先見の明がある先生がいた。その先生のリーダーシップによって「教職員集団作りマニュアル」というものが、教員全員の意見の元に作成された。これができた時に私はどうしてこんなものが必要なのかを全く理解できなかった。しかし、教員経験を年々重ねるごとに、このマニュアルの示していたものが光を放ってきた。
・教員の仕事はリーダーとフォロワーが機能して初めて良いものができる。
・リーダーは独りよがりではいけない。
・リーダーは全員の意見を生かせるように考えることが大事だ。
・フォロワーはリーダーと同じ方向を見るように努力し、リーダーに足りない面を補助していく。
・フォロワーは仕事をリーダー任せにせず、積極的にリーダーを補佐すること。
・フォロワーがしっかりしている組織は発展する。
・教職員は常に共通理解をしながら進んでいかなくてはならない。
・何も役目のない人が、役目のある人以上に働いた時に大きな仕事ができる。
当たり前と言えば誠に当たり前の内容かもしれない。
しかし、こういうことが明文化されることはあまりない。
そんなことは常識だと片付けられるであろう。
でも、学校の教員室で、こうした内容のマニュアルが誕生したことは本当に珍しいことだと私は思っている。
そして新任の時代に刻み込まれたこの考え方、「フォロワーの精神」は私の体の中に染み付いている。
(続く)