教育現場における電子辞書の使用には議論があります。
紙の辞書のメリットを説く見解も根強いですね。
ただ、受験に関して言えば、電子辞書でなければ対応できないという側面もあります。
小学生の段階で35000語程度収録の国語辞典では追いつかない状況。
この程度の辞典だって小学生には十分、重たすぎる重さです。
その上、日常の小学生生活では知らない言葉が次から次へと出てきます。
その度に紙の辞典を引いていたらとても体力がもちません。
というわけで、以下のような状況になってしまいます。
(1)分からない言葉はそのままにする
(2)問題で出題された言葉については解答を「丸暗記」する
これでは国語の勉強になりません。
中学生以上になればますます増えるわけですから同じことです。
どうしたって電子辞書に頼らざるを得ないということになるわけですね。
上記の点を考えると、特に小学生には必須と思われます。
さて、どうせ使うなら生徒さんに興味を持って使ってもらいたいもの。
いわゆる「学生用」の電子辞書は、ほとんどが「用語辞典」など勉強(受験)に特化したもののようです。
ところが、個人的経験で言うと、こういう電子辞書は引かなくなる傾向にあるようです。
理由は簡単で、つまらないからですね。
やはり、受験勉強というのは以下の順番でなければなりません。
(ア)生徒さんの好奇心を刺激する
↓
(イ)その上で、合格するために必要な情報を伝える
(ア)の部分が切り捨てられているので、「宝の持ち腐れ」になってしまうようです。
電子辞書を発売している企業にはもう少し考えてもらいたいものです。
では、どんなコンテンツが面白いのでしょう?
反応が正直な小学生の例をお伝えしましょう。
私が担当した小学生に人気のコンテンツはなんと…
「マナーレッスン ビジネスシーン編」
私が持っている電子辞書のコンテンツで、タイトル通り、ビジネスの場におけるマナーを解説したものです。
お辞儀のしかたとか電話の受け答えなんかですね。
休み時間などに見せていますが、何と、これがかなり好評なのです。
中には、何度も「見せて、見せて」とせがんでくる生徒さんもいます。
理由は以下の三点と思われます。
(1)動画なので見やすい
(2)大人の世界の話なので、嫌でも子どもの興味を引く
(3)音楽やストーリー展開がコメディタッチで笑える
え、「それが勉強と何の関係があるんだ?」ですって?
そういうことを言うから勉強が詰まらなくなるのです。