旧聞になりましたが、1月・2月と『朝日新聞』にセンター試験についての興味深い記事が載ったので、紹介します。
1.受験料の配分
1月24日付・朝刊(23面)に掲載された記事です。→http://www.asahi.com/articles/ASG1M6WPCG1MUTIL01L.html
私大入試でセンター試験を使う方も多いと思います。
では、その時、払った受験料は誰の収入になると思いますか?
大半は私大だそうです。
受験料は1~2万円ですが、大学入試センターの収入は一人1回につき570円。
残りの約9500~19500円は私大の収入になるそうです。
一方で、問題作成や会場設営・運営はセンター任せ。
私大にとっては「おいしい」システムだったのですね。
道理で、色々なセンター受験のシステムが次から次へと出来上がり、受験制度がややこしくなっていたわけです。
尤も、記事によればあまりにもシステムがややこし過ぎて、撤退する私大も出ているようです。
とは言え、問題は使い勝手の悪いシステムを作る体質にあります。
「受験生」軽視の姿勢を何とかしてほしいもの。
2.「平均点」の実情
もう一つは2月13日付・朝刊(17面)に掲載された投書です→http://www.asahi.com/articles/DA3S10975957.html 。
今年の国語は平均点が過去最低でした。
しかし、予備校講師の投書者によるとそれは「受験生の国語力の低下を意味しない」そうです。
原因は「解答時間があまりにも短い」ことだそうです。
では、なぜ、そんなに短い解答時間になっているのか?
答は「平均点が上がることを恐れているから」とされます。
私自身は担当の関係もあって今年のセンターは解いていません。
しかし次のパターンは受験国語では常套手段です。
(1)平均点が上がることを抑える
↓
(2)受験生に考えさせないようにする
(2)は長文化・難化が一般的手段です。
実際、中学入試などではセンター以上に顕著な傾向になっています。
投書者の指摘は当たっているのではないでしょうか?
しかし、投書者も述べていますが、これでは「難しい問題をじっくり解く」ことが困難になります。
「国語」の本質にも関わりますから、社会的に共有されるべき問題と思います。