「群青」谷村新司

作詞・作曲 谷村新司 編曲・服部克久

1981.7.5シングルA

 

実は 私は 谷村新司さんの作品については

アルバムを買って聴いたことがなく

あまり良く知らなかった、というのが

正直なところです。

 

むしろアリスの時代の音楽の方が

馴染むというのか 聴いていた気がします。

 

他の歌手に提供されていた作品は

よく聴いていたのですが

ご本人の歌というのは 

特に聴こうとしていませんでした。

 

谷村新司さんは2023年に亡くなられましたが

亡くなられて初めて 

私は彼のベスト盤を聴いたようなことです。

 

というのも 主人の車の中で

谷村さんのベスト盤が流れていて

初めて じっくりと 彼の歌を聴きました。

 

「昴」はよく聴く作品だから もちろん知っていましたが

この 「群青」は お恥ずかしい話ですが

初めて聴きました。

 

とにかく イントロから 心をわしづかみにされました。

この 魂を揺さぶるような熱いピアノの演奏は

誰ですかーーーーっ、と まず思ったのですが

谷村さんの 感情を押し殺すように語り 歌う

この歌の世界が 胸に迫り

震えるような感動を覚えました。

 

素晴らしい演奏、

あぁ 編曲は 服部克久さんなのですね。

胸を打つ音楽。さすが服部先生です。

そして ピアノは

やっぱり 羽田健太郎さんだったのですね。

 

そしてとにかく 谷村さんの声がいい!

ぐっと来る。

 

こんな名曲を知らなかっただなんて

バカバカバカ~~!!

って自分に言いたくなるくらい(なんだそれ)

すごい作品でした。

 

「君を背負い 歩いた日の

 ぬくもり 背中に消えかけて

 泣けと如く群青の 海に降る雪」

 

うっ、と来る歌詞。

 

誰しも 愛した人を失うことがある。

悲しみは尽きることはないけれど

幸せな記憶は この胸で生きる。

 

もうぬくもりも 今はないけれど

あの日のぬくもりは記憶の中に確かにある。

そのぬくもりは いつまでもこの胸を温めてくれる。

 

「待っていておくれ もうすぐ還るよ」

 

人は 愛する人に

心の中で 約束して生きている。

孤独であったとしても その約束を果たすために

今を懸命に生きているのではないかと思います。

 

谷村新司さんは

天国に旅立たれましたが

作品は こうして今も生き続けています。

 

亡くなられたあとで

この歌を知り

感動している自分を

申し訳なく思います。

 

素敵な歌をありがとうございました。

 

どうぞ 安らかに。

「シンデレラ・ハネムーン」岩崎宏美

作詞・阿久悠 作・編曲 筒美京平

しみじみ、岩崎宏美さんは歌が上手い歌手だと思います。

何度も書いてしまいますが

この方がデビューされて 歌声を聴いた時には

こんなきれいな声の人がいるなんて!と驚きました。

衝撃を受けるレベルの 素晴らしい歌声。

歌手になるために生まれてこられたのでしょう。

 

この歌、何度聞いても 素晴らしい仕上がり。

宏美さんは19歳だそうです。

19歳って やっぱりすごく輝く年齢ですね。

 

阿久悠さんの CDのライナーを読んでも

宏美さんという歌手の存在は

阿久悠さんに 希望を与えたのだなぁとわかります。

特別な存在だったと感じます。

 

この曲は 何しろ阿久悠さんの6枚組のCDにも入っていますし

筒美京平さんの「HISTORY」にも入っています。

それくらい 作家さんが大事にされている名曲です。

 

その名曲を コロッケさんは 

自由過ぎるほどのモノマネをされましたが

よく こんな風にできたなぁ・・・

私だったら とても出来ない と思うわけです。

宏美さんは懐が深いです。

 

あれは1978年の紅白歌合戦。

時間が押して?かわかりませんが 宏美さんのこの歌が

めちゃめちゃテンポが速くて

まるで早送りのようでした。

すごい速さで 振りつけもつけて

宏美さんは普通に歌われましたが

宏美さんだから出来たことだったのではないでしょうか。

あれが凄すぎたからでしょう。

 

この歌は 曲とアレンジがカッコイイので

楽しく聴いてしまいますが

詩の世界はとても切ないものです。

初めて聴く気持ちで

ぜひもう一度 聴き直していただきたいです。

 

「シャンプーした髪を夜風にさらし

 あなたの口ぐせを思い出してる

 しあわせだから いいじゃないか なの

 私はひとり爪など切りながら

 なぜだか重いためいきついている」

 

こういう女性のしぐさ、感情の描写。

なんもいえず よくわかる。

 

この歌は名曲ですから

他の方は あまりいじらないでほしいと

思ってしまいますが

名曲ゆえ みなさんが使われるのでしょう。
 

 

昨夜の「うたコン」を拝見し、

書かずにはいられなくなりました。

 

今日は私は朝から仕事をし、

帰ってから日舞のお稽古に行き

もう 自分に使える時間が10分しかないのですが

とにかく書かせていただきます。

 

昨夜の「うたコン」の五郎さんの歌声、

本当に胸を打つ素晴らしい歌唱でした。

特に 出だしの あの語るような歌唱が

胸に沁みてグッときました。

そこからのサビの歌唱は 圧倒的で

あぁ 本当に いい歌を聴いたなぁと

しみじみと思いました。

 

1974年、この歌が発売された時は

私はまだ生まれていませんでした・・・

と、言いたいところですが

残念ながら 小学生でございまして

段々と異性を意識し始めた年頃だったように思います。

 

それまでは 南沙織さんとか 

麻丘めぐみさんとか

女の子の歌ばかりを聴いていたのですが

ある日、ハッと 気がついたというのでしょうか、

 

まるで少女漫画から抜け出たような

美しく 繊細で とにかく声が甘くてすてきな

五郎さんを拝見し

このすてきな男性はいったい・・・・と

心が釘付けになりました。
 

まさに「甘い生活」を歌われていた時でした。

 

このレコードを買ったときは

もうエンドレスで 裏も表も聴きましたが

どちらも 本当に五郎さんの歌声が素晴らしくて

ざあざあと 涙を流しながら(なんか変)

日々聴いていたような気がします。

甘くて キュンとして

乙女心を十分に満たす存在でした。

寝ても覚めても・・・という言葉が

ぴったりとする時代だったように思います。

 

今一度 このレコードを聞いて思ったのですが

とにかく まろやかで甘くて品が良くて

100点満点の歌声です。

 

五郎さんの 言葉は 本当に品が良くて美しくて

特に サ行は 上品ですし 鼻濁音もきれいで

ア行は 甘く情熱的で艶がありますし

タ行は 若さと親しみを感じますし・・・と

書き出したらきりがなくて

またどこまでも書いて

ひんしゅくを買ってしまいそうなので

ほどほどにしないといけないのですが

ずっと聴き続けても 魅力を感じて

もう一回聴きたくなるような

素晴らしい歌声です。

 

私は子供でしたが

本当に 耳が良かった思いますし

見る目があった、と

自分で自分を褒めてあげたいくらいです。

 

昨夜の五郎さんは

あの頃に戻るような気持ちで

歌われているように感じられましたし

あの頃と 変わらないけれど

50年変わらずに

ずっと歌い続けてこられた

五郎さん自身の想いと

深い味わいを感じることのできる歌声でした。

 

昨夜は 当時の五郎さんの映像もあり

私も あの日の少女に戻って

うるうるとして聴かせていただきました。

 

五郎さんは ずっと歌い続けてこられ

今も変わらずに

こうして 一曲一曲

あの時のままに 届けようとしてくださっています。

 

そのことが

どんなにすごいことなのか

言葉にすることはとても難しいですが

素晴らしい歌声に

感謝の気持ちでいっぱいです。

 

おかげさまで 忘れかけていたあの日の自分を

取り戻すことが出来ました。

 

ありがとうございます。
 




「ねこの森には帰れない」谷山浩子
作詞・作曲 谷山浩子 編曲・船山基紀

今日は久々に家で過ごせる休日なので
何か書いておきたいな、と思いました。

高校生の時、お友達に借りて聞いたレコード、
谷山浩子さんは初めてだったので
この甘い声に馴染むまでは結構時間が必要でしたが
とても記憶に残るアルバムでした。
このアルバムを聴いてから
谷山浩子さんのレコード、自分で買って聞くようになったほどです。

特にタイトル曲の「ねこの森には帰れない」がいいです。

私は、子供らしくない子供で
言いたい事を自由に言ってはいけない、と思っていました。
小さい頃から、わがままは言ってはいけない、と
人の顔色を伺うところがありました。
小さい頃から人生が妙に重くて
変に悟っていました。

なのでこの歌を聴いた時、
心が軽くなるというか、楽になる気がしました。

自由で わがままな感じで、
人生が楽チンで
なんとなく鼻歌まじりに、
フフフン、って言って
好きなように生きれる感じが
とても好きでした。

「昨日手紙が届きました。
ふるさとのねこの森から
お元気ですかもう10年も
帰らないので心配してます」

主人公は、猫のような人のような。
手紙が猫に届いたら面白いけれど
きっと猫のように生きたい女の子なのかな。

今もこの歌を口ずさむと
なんか気持ちか楽になります。

こういう不思議系だけど癒やしになる歌は
谷山浩子さんならではだと思います。

聴いても楽しいけど
歌っても楽しい世界感です。

「海猫」八代亜紀

歌詞・高橋直人 作曲・小林学 編曲・竜崎考路

1982年シングルA

 

2日から3日まで 高知に旅行に行っていたため

今日やっと 2日放送、BS朝日の「人生、歌がある」の

録画していたものを見ました。

 

前回も感動的でしたが

今回も 本当に感動しました。

司会の伍代夏子さん、藤あや子さん、

そして野口五郎さんが 泣いていらして

いろんなエピソードを聞かせていただけることで

八代亜紀さんの大きさをすごく感じましたし

こちらも もらい泣きして ずっと泣けてしまい

これは この気持ちのまま 

すぐに書かなくては、と思いました。

 

普段 歌番組は レースを編みながら、とか

家事をしながら見てしまうのですが

さすがに この番組は 亜紀さんの歌唱が素晴らしすぎて

他のことができなかったです。

そして 普通は 一緒に歌ったりとかしてしまうのですが

亜紀さんの歌は 歌うたびに違うものですから

集中して聴いてしまいました。

 

しかし そのことに気がついたのは

亜紀さんが亡くなられてからで

追悼番組や 特集番組を見て わかったようなことで

本当に 自分が情けなくなります。

 

そして 私は八代亜紀さんは演歌の女王、のように

ずっと思っていたのですが

色んな歌を聴いて思ったのは

あれ?、亜紀さんは 演歌の人の歌い方ではない・・・、

ということです。

 

きっと亜紀さんは 

ジャンルの括りとか関係なかったんだと思います。

歌うことが大好きだったんだなぁ、って思います。

 

ジャズから始まった歌の道だったということも

今頃知って 本当に申し訳ないです。

 

テレビで 過去のクラッシックとのコラボのステージも

見ましたけれど 何でも歌えるというのは

こういうことなんだなぁ。

先入観で人を見ていて 本当にもったいないことをしたと

今さらながら思います。

コンサートとか行っておけばよかったです。

 

それから 女性は 年を重ねると

声が出なくなる人が多いのですが

亜紀さんは  

ずっと声が変わらずに出ていらっしゃいました。

 

どの曲も素晴らしいのですが

私が リアルタイムに買ったレコードの歌のことを書きます。

1982年発売の「海猫」です。

この年は聖子ちゃんの「赤いスイトピー」とか

明菜ちゃんの「少女A」とか レコードを買ったんですけど

亜紀さんの このレコードも買っていました。

 

42年も前のことですが

私も10代の乙女でした。

 

こういう大人の歌も歌ってみたかったと思います。

 

「あんたによく似た 広い背中の

男があたいの 影をまたいでさ

潮の香りを プンとのこして

黙って通りすぎたよ」

 

普通 こんな歌を歌うと 

なんだか やさぐれた感じになると思うんですけど

亜紀さんが歌われると カッコ良くてスカッとします。

 

亜紀さんの歌や表情には

いつも希望が感じられるものでした。

そのことを思います。

 

亡くなられた亜紀さんの歌に

励まされている自分がいました。

 

亜紀さんのご冥福を心からお祈りいたします。


亜紀さん、庭に クリスマスローズが咲きましたよ。

どうぞ  安らかに。