インコと布団に一緒に包まって一晩だけでも眠ってみたい。
わたしの昔からの夢でした。
あなたはインコたちと夜通しのそんな体験をしたことがありますか?
わたしは叶いました。
琉夏とわたしはよく朝までベッドの中で包まって眠りました。
琉夏は三代目のインコです。
それまでにわたしはセキセイインコを飼った経験がありました。
そしていつもインコたちのふかふかした羽毛に顔をうずめてスヤスヤ眠ってみたいと夢を見ていました。
けれどもどう考えても彼らの小さな身体を布団に入れて眠ってしまったら寝ている合間に踏み潰してしまう危険があります。
絶対に叶えられないと思っていました。
琉夏と暮らすまでは…。
彼の趣味はホッカイロの入っていた空の空き箱集めでした。
いくつ集まっても満足することはなくて、飼い主が彼の見ていない時を見計らいながらゴミ箱へ空き箱を捨てなきゃ集まり過ぎる繰り返しでした。
また琉夏はいつも箱によく入っていました。
飼い主が原稿を書く間は、箱から様子を見ていたり、箱の中で遊んだり、箱の中でお昼寝をしたりしていました。
籠は寝床で箱は昼間のベッドみたいな感覚。
だから箱をそのまんまベッドへ運んで、一緒に布団をかけて眠ることができていました。
彼はトイレをしたくなると、ベッドの片隅に向かって箱からそっと歩いていきました。用を済ませて自分から箱に戻ってきました。
トイレトレーニングが成功したぶんだけベッドッドの上にしたことがありませんでした。だからこそでした。一緒に眠れたのです。
私たちの足下に豆電球のオレンジが灯っていたために真っ暗ではありませんでした。わたしが彼のために工夫をしていました。
琉夏と飼い主は朝までベッドの布団の中でぐっすり眠ってしまうことがしょっちゅうでした。
インコと朝まで一緒に肩を並べて眠ってしまう感覚は体験しなければ味わえない極上のパラダイスでした。異性や自分の子供たちと眠りにつくのとは別次元の贅沢時間でした。
眠っていると彼の小さな鼻息がすうっとわたしの閉じた目蓋の上をかするように天井へぬけていきました。
そして眠る前に彼とたくさん話をしました。
ふたりだけにしか通じない言葉たち。
ふたりだけにしか見えない合図たち。
ふたりだけの世界で翼に包まってわたしはたっぷり甘えました。
いま振り返っても小さな小さな身体のどこにあったのだろうと思ってしまうパーフェクトな愛をわたしは彼から死んでしまうその瞬間までもらっていました。
明日で彼が亡くなって7ケ月です。
彼が眠っている場所の小田原は実母が住んでいるお家です。
これを書いたら驚く方がほとんどだと思います。
あの実母です。
著書に登場した実母です。
あの実母にわたしは預けました。
この続きをまた引き続き明日以降書いていきますね。
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