成鳥した彼は喋りすぎる程に言葉を学習している。
自宅住所、電話の音、人の寝言、いびき、口癖、テレビドラマの台詞、音楽、何でも……
友人が名付けた息子のあだ名は、
「さんまインコ」
眠る寸前まで、何かしら喋っている。
息子がしばらく前に失態をやらかしたのだ。
一晩不在にした私は友人に息子を預けたときの
出来事だ。
友達は、寂しい想いはさせたくない・・と彼女の夫婦の寝室へ泊めてくれた。
彼女夫妻には子供がいない。
彼は夫婦生活の最中……しでかした。
ゲージの扉を開け、足音も立てずそろそ ろと彼らのベットへ上がった。
「こんにちはー。ふふふー、あっそぼー」
友達夫妻は
「バカ!!なんでここにいの???」
息子は負けずに「ふふふ。」繰り返してお喋りをした。
何でも真似てお喋りをしてしまう息子は
次の朝……
「きもちい。きもちい。」
繰り返しながら夫婦へ冠を立て威嚇したそうだ。
なぜなら、見物しておしゃべりした罰で、
ゲージをリビングに移されたからだ。
今日は、その晩以来に友人が遊びに来た。
息子は記憶していたのだ。
「きもちい。ふふふ。ふーッ!」
さんまインコになりながら、頭を撫でてと贅沢な仕草をする!
「信じらんない!」
「バカインコ……でも憎めない目をするよ~~」
友達は、息子をハグしてキスをしている。
どんな動物も目を見つめられると
ふにゃふにゃにされちゃうんですよね。
多分、それが癒しなんですよね。
お喋りは飼い主さんにとっては、幸せな瞬間で、犬猫とは格段に鳥独自の素晴らしい長所ですね。
言葉を覚えるためには、まず同じ時間に目と目と心と心を向き合って根気を入れてみる…
一度、話せた言葉の後にはたっぷり褒めてあげて下さいね。