合唱祭で指揮者に抜擢されたH君は4/4拍子の楽曲で4/3拍子の指揮をかますプログレ野郎だった
クラス中で違和感に包まれる中、
構わず「4拍と3拍の最小公倍数は12だ、そこで合わせれば展開的には問題ない」という表情で指揮を続けるH君(多分そんなこと思ってない)
ドリームシアターでこんな展開聴いたことあるぞ!? と当時の私が思っていたかどうかはさておき
「拍子ちがくね?」
の一言を誰も言えない
口にしようもんなら
「じゃあお前やれよ」となってしまう・・・
気まずい空気を打ち破ったのは担任の先生だった
「なんかおかしいな」
言ってくれ先生
「ちょっとHの表情硬いぞ、何か嫌なことでもあったのか?」
嘘だろおい!?
表情なんかより明らかにおかしいことがあるだろ!
それともあれか?
先生は4と3の最小公倍数の12で合うから展開的には問題ない とでも思ってるプログレリスナーなのかい?
もし先生がそうだとしても
俺達はそうじゃない
つーか中坊にそんな難解な音楽性を求めるな・・・
よくよく考えてみれば問題は一つだけではなかった
ごく少数(というか一人)元気に歌っている男子の歌声 いや叫び声
ガテラルボイスに近いその美声は音階なんざくそ喰らえという反骨精神すら感じる
やたらビブラートを効かせハーモニーを度外視したメタルシンガー女子の存在
そして変拍子・・・
もしかしてここはLOUD PARKの会場だったのか!?
数々の危機をどう乗り越えたのかはよく覚えていないが、
多分そんな感じで無事終了した合唱祭
そんな阿鼻叫喚のメタルフェスを収録したCDを
卒業記念にくれるいなせな学校
貰った生徒の反応は様々
嬉しそうな女子
あまり嬉しくなさそうな女子
その場で叩き割る男子
その場でゴミ箱に捨てる男子
持って帰るのを忘れた体で教室に置いて帰る男子
「指揮者のお前が主役だからこのCDはお前にやるよ」とH君に無理やり押し付ける男子
何人かに押し付けられて5、6枚の同じCDを持ち帰るH君
計算する女の子
期待してる男の子
ダンスフロアになる教室
先生に怒られることを恐れ仕方なく持ち帰る豆腐メンタルな私
ひでえ奴になると
卒業してその足でブックオフに売りに行った奴もいたが、
さすがにそんなCDは買い取ってもらえなかったらしい
思い出はプライスレス
終わり

