消費税仕入税額控除と税務調査 | 北の街の税理士のブログ

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元国税職員の税理士日記です。

 

 今から3年前税務調査を約1年4ケに渡って拒否し続けたパチンコ等を経営する某法人が消費税法第30条第7項を根拠条文とし更正処分を受けて裁判まで発展した事件がありましたが当時の東京地裁は税務署の更正処分は適法であるとの判決を下しました。

 

 噂では、現金商売なので第1回目の調査は「無予告調査」だったとのことで関与税理士が激怒してしまい、「無予告調査」の理由を文書で示せなどと第2回目からの調査を拒否し続けたとのことです。(無予告調査は違法とまでは言えない)

 

 それにしましても、平成24年6月期から平成26年6月期の3期分の追徴税額は本税及び過少申告加算税等をあわせて約38億円とのことですから凄まじい追徴税額です。

 

 確かに、消費税法第30条第7項では消費税仕入税額控除の要件として税額控除に係る帳簿等を保存していない場合は税額控除を認めないと規定されています。

 

 多分、更正処分を受けたこの法人は消費税税額控除に係る帳簿等を保存していたと思うのですが、税務調査を拒否し帳簿等を提示しないのは「保存していないのと同じ」とジャッジした裁判官も「ある意味」凄まじい裁判官です。

 

 本件の税務訴訟まで発展した事件は当時の関与税理士の対応が適切でなかったからだと考えられます。

 

 税務調査において「無予告調査」の理由等を開示しなければならないなどとの法律の条文はありませんし、まして、税務署側が文書で回答するわけがありません。

 

 この関与税理士が第2回目の税務調査を腹立ちを堪え素直に受けていれば、約38億円の追徴課税は発生しなかったと思うし、今頃、某法人からの多額で安定した税理士報酬を頂いていたと推測されます。(後日、税理士が税賠訴訟を受けたらしい) 

 

 

 

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