前回は、パートタイム労働法 第三章 第六条を紹介した。
第三章は、条文が複雑なので、各条に分けて紹介する。
今回は、第七条から第十二条である。
条文自体が複雑ではあるのが、前回を参照しながら、ゆっくり読んでみると、比較的、理解しやすいと思われる。
ここの部分は、簡単な説明を加えるのみにする。
幾分か難しくなるようなイメージだが、これも何かの縁、めげずにお付き合い下さいませ。
なお、法律であるので、文章などわかり難い点はあるものの、原文のまま掲載し、その下に簡単な説明のみ加えた。
なるべく読みやすいようにスペースを置いて工夫してみた。
第三章 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する措置等
第一節 雇用管理の改善等に関する措置
(就業規則の作成の手続)
第七条 事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする。
労働条件や関連する事項の就業規則の変更に関して、一方的な内容にならないように代表者の意見を聞くようにしている。
(通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止)
第八条 事業主は、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)が当該事業所に雇用される通常の労働者と同一の短時間労働者(以下「職務内容同一短時間労働者」という。)であって、当該事業主と期間の定めのない労働契約を締結しているもののうち、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるもの(以下「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」という。)については、短時間労働者であることを理由として、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的取扱いをしてはならない。
2 前項の期間の定めのない労働契約には、反復して更新されることによって期間の定めのない労働契約と同視することが社会通念上相当と認められる期間の定めのある労働契約を含むものとする。
一項および二項において、短時間労働者といえども、同じ労働であるならば、扱いに関しても同じであることを規定している。
(賃金)
第九条 事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間労働者(通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く。次条第二項及び第十一条において同じ。)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案し、その賃金(通勤手当、退職手当その他の厚生労働省令で定めるものを除く。次項において同じ。)を決定するように努めるものとする。
2 事業主は、前項の規定にかかわらず、職務内容同一短時間労働者(通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く。次条第一項において同じ。)であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主に雇用される期間のうちの少なくとも一定の期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるものについては、当該変更が行われる期間においては、通常の労働者と同一の方法により賃金を決定するように努めるものとする。
賃金に関する規定についても、総合的に、かつ、合理的に決めることを前提としている。
(教育訓練)
第十条 事業主は、通常の労働者に対して実施する教育訓練であって、当該通常の労働者が従事する職務の遂行に必要な能力を付与するためのものについては、職務内容同一短時間労働者が既に当該職務に必要な能力を有している場合その他の厚生労働省令で定める場合を除き、職務内容同一短時間労働者に対しても、これを実施しなければならない。
2 事業主は、前項に定めるもののほか、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力及び経験等に応じ、当該短時間労働者に対して教育訓練を実施するように努めるものとする。
教育訓練に関する規定についても、短時間労働者ということで、軽視してはいけない。
(福利厚生施設)
第十一条 事業主は、通常の労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって、健康の保持又は業務の円滑な遂行に資するものとして厚生労働省令で定めるものについては、その雇用する短時間労働者に対しても、利用の機会を与えるように配慮しなければならない。
短時間労働者に対しても、福利厚生施設の利用機会を与えるように配慮しなければならない。
(通常の労働者への転換)
第十二条 事業主は、通常の労働者への転換を推進するため、その雇用する短時間労働者について、次の各号のいずれかの措置を講じなければならない。
一 通常の労働者の募集を行う場合において、当該募集に係る事業所に掲示すること等により、その者が従事すべき業務の内容、賃金、労働時間その他の当該募集に係る事項を当該事業所において雇用する短時間労働者に周知すること。
二 通常の労働者の配置を新たに行う場合において、当該配置の希望を申し出る機会を当該配置に係る事業所において雇用する短時間労働者に対して与えること。
三 一定の資格を有する短時間労働者を対象とした通常の労働者への転換のための試験制度を設けることその他の通常の労働者への転換を推進するための措置を講ずること。
2 国は、通常の労働者への転換を推進するため、前項各号に掲げる措置を講ずる事業主に対する援助等必要な措置を講ずるように努めるものとする。
いわゆる、正社員として採用をする場合には、短時間労働者においても、転換の機会を与えるように規定している。
ゆっくりと読みながら、少しずつ理解するように心がけて頂ければよろしいかと思います。
法律ではあので、難しいイメージに負けずに、次回も楽しみにして下されば幸いです。