「教科書に写っている子どもたち、君たちと同じくらいの年齢だよ」
中学生の頃、社会問題についての授業をしていたときに、先生に言われました。
その時、すごくショックを受けて、目を背けてきました。
しかし、今日みなさんにお伝えしたいことは、今まで私が目を背けてきた世界の問題についてです。
私が知ってほしい世界の問題は、アフリカ ウガンダの少年兵の子どもたちです。
アフリカ ウガンダでは、過去20年以上に渡る紛争によって、子どもたちが拉致・誘拐をされてしまい、
強制的に少年兵として戦わされ、武装グループのなかで働かされる現状があります。
日本人でよかった。
かわいそうな国に生まれなくてよかった。
今ある生活を大切にしよう。
授業内で飛び交う意見は、そういったものばかりでした。
大学生になり、
テレビをつけると、たまたま「こんなところに日本人が」という番組が放送されていました。
テレビを見ていると、
それは千原せいじさんがアフリカ ウガンダにいる日本人を探しにいくという内容でした。
長い道のりでしたが、日本人に会うことができました。
その日本人は、認定NPO法人テラ・ルネッサンス アフリカ駐在員、鈴鹿達二郎さんでした。
鈴鹿さんは、強制的に少年兵として働かされた子どもたちの自立支援を行っています。
子どもたちは、反政府軍の部隊に
「母親の腕を切りおとせ」と、
命令されてきました。
子どもたちは、母親の腕を切り落とした後、
3年間は少年兵として働かせれる現状があります。
少年兵になってしまった子どもたちは、
深い心の傷を持ってしまうので
なかなか社会復帰が難しいとのことでした。
鈴鹿さんは、元少年兵の子どもたちの心をケアし、社会復帰をさせたいという想いを持っていました。
その想いから、鈴木さんが駐在員として勤務されている認定NPO法人テラ・ルネッサンスの職業訓練校で、
元少年兵の子どもたちは、椅子や本棚を作ったり、ミシンを使って刺繍を入れる技術など、一生懸命学んでいます。と、話してくれました。
すごくキラキラ輝いているように見えましたが、話を重ねるうちに鈴鹿さんの目から涙がでていました。
なぜかというと、
アフリカ ウガンダでは、常に“死との隣り合わせ” だということ。
涙ながら、伝えてくださったのは、
最近、訓練校のスタッフの赤ちゃんが亡くなった。ということでした。
番組が終わった後、私は思わず涙が溢れていました。
その理由は、常に死と隣り合わせの
子どもたちに対して“かわいそう”と感じたからです。
少年兵になったから“かわいそう”なの?
“かわいそう”の基準はどこなんだろう?
番組に写っていた子どもたちは、
とても素敵な笑顔を浮かべていました。
だけれど、その笑顔の裏には、死と隣り合わせの毎日。
悲しみを乗り越えながらも、
子どもたちは少しでも“社会復帰したい”と思い、一生懸命、生活しています。
少しずつだけれど、子どもた自身は、
社会復帰のための自分たちの道を切り開いていこうとしている姿を目にしました。
だからこそ、余計に涙が溢れた。
“かわいそう”って思ってしまって、
ごめんなさい。
どれだけ過酷な状況にいても、
“かわいそう”という言葉をかけられて嬉しい人はいないと私は思います。
私は、これまでに2回だけラオスに行きました。


支援先であるカブー村の子どもたちは、
ボロボロの服を着ていました。
また、私が入団したての頃、
支援先であるノンテノイ村では、中学校に行ける子どもの数は、たったの1人だと伝えられました。
そんな現状だけれど、彼らがかわいそうに見えたことは一度だってなかった。
支援先の人たちは、私に優しさと勇気をたくさん教えてくれました。
その理由は、本当に自分たちの村のことが
大好きで、一人一人がより良くしたいと思っていたからだと思います。
そんな村人たちを見ていると、“かわいそう”だとは本当に思わなかったです。
世界の問題は、起きていることではなくて、
自分たちの価値観で、物事を判断をし、問題に対して“かわいそう”と、感じてしまうことだと思います。
かわいそうな世界ではなく、自らの道を切り開いていける世界へ。
読んでいただき、ありがとうございました。
武庫川女子大学 文学部 3回生
狭間奈緒
認定NPO法人 テラ・ルネッサンス さんを
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