【今回の表現】「刺す」mencoblos menusuk の違いは?

【難易度】中級 ★★☆(少し難しい)

 

Halo, selamat siang.「こんにちは」 

INJインドネシア語講師のイワンです。

Apa kabarnya?「お元気ですか?」

 

「イワンのらくらくインドネシア語62」では、インドネシアの選挙の話も交えて mencoblos「刺す」について説明しました。まだ読んでいない方は、「イワンのらくらくインドネシア語66」を読む前に「イワンのらくらくインドネシア語62」を読んでくださいね。

 

さて、授業で mencoblos という単語を紹介したときに、受講生から「menusuk との違いは何ですか?」と聞かれました。

 

確かに、menusuk を辞書で調べると「刺す」という意味がありますね。

 

次の例文を見て比較しましょう。

 

 

Orang Indonesia memilih calon presiden dengan mencoblos fotonya di kertas suara.

インドネシア人は投票用紙に大統領候補の写真に刺すことで選びます。

 

では、mencoblos を menusuk に入れ替えたらどうなりますか?

 

次の文を見てみましょう。

 

Orang Indonesia memilih presiden dengan menusuk fotonya di kertas suara.

インドネシア人は投票用紙に大統領候補の写真に刺すことで選びます。

 

上記の文では mencoblos を menusuk に変えても意味は変わりません。

しかし、投票用紙以外に menusuk を使う例文を見てみましょう。

 

Karena marah, dia menusuk tubuh lawannya dengan pisau.

怒ったので、彼は敵の身体をナイフで刺しました。

 

 

では、上記の文の menusuk を mencoblos に入れ替えると次の文になります。

 

Karena marah, dia mencoblos tubuh lawannya dengan pisau.

 

では、この文が正しいかどうかを Google検索エンジンで確認してみましょう。

 

まず、menusuk tubuh lawan「敵の身体を刺す」を検索すると、次のような様々な記事がヒットします。

 

 

しかし、mencoblos tubuh lawan を検索しても、1つもヒットしません。

 

 

以上の通り、mencoblos「刺す」は tubuh「身体」に使うことができないことがわかります。

 

では、なぜ mencoblos foto「写真を刺す」は可能でも、mencoblos tubuh[

身体を刺す」とは言わないのでしょうか?

 

それは、刺す物の厚さによって使い分ける必要があるからです。

 

写真は薄いので、mencoblos foto「写真を刺す」という意味だけではなく「穴を開ける」という意味も含まれています。

 

一方、身体は厚みがあるので、menusuk tubuh「身体を刺す」には、必ずしも「穴を開ける」という意味は含まれません。

 

要するに、mencoblos は「薄いものを刺して穴を開ける」という意味で、menusuk は単に「刺す」という意味だけなので、mencoblos tubuh「身体を刺す」と言わないことがわかります。

 

これで、mencoblos と menusuk の使い分けはもうわかりましたね。

 

 

【練習問題】

 

次の文の空欄に mencoblos か menusuk を記入してください。

ただし、同じ単語を使うことができません。

 

1. Anak itu (         ) koran dengan bolpoin.

2. Tukang sate itu (         ) daging ayam kemudian membakarnya.

 

 

【練習問題の解説】

 

まず、単語の意味を調べましょう。

 

anak             子供

koran            新聞

dengan          ~で

bolpoin           ボールペン

tukang sate     焼き鳥屋さん

daging ayam    鶏肉

kemudian        それから

membakarnya  それを焼く

 

それから、目的語が薄いものかどうかを考えて、mencoblos と menusuk のどちらを使うかを決めましょう。

 

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現在、INJカルチャーセンターではグループレッスンは、通学、オンラインの両方で行っています。最近は、首都圏以外の地方の方、インドネシアやシンガポールなど国外在住の受講生が増えています。

 

今回のブログのように、講座では、日本人が苦手なわかりにくい部分も詳しく説明しています。レベルや目的に合った講座で勉強して、インドネシア語がどんどん上達するようにがんばりましょう!

https://www.indonesia.co.jp/lesson/group/

 

Ayo, belajar bahasa Indonesia bersama saya.

さあ、私とインドネシア語を勉強しましょう。

Sampai jumpa lagi!

それでは、また!

 

 

【練習問題の解答】

 

1. Anak itu (mencoblos) koran dengan bolpoin.

  その子はボールペンで新聞を刺しました。

 

2. Tukang sate itu (menusuk) daging ayam kemudian membakarnya.

  その焼き鳥屋さんは、鶏肉を刺してから焼きました。

 

 

【次回の予告】

 

次回のブログのテーマは、まだ考え中です。

皆さんが正しいインドネシア語を使えるようにあれこれ考えています。

お楽しみに!

 

 

【今回の表現】インドネシア人はどうしてお礼を言わないの?

【難易度】初級 ★☆☆(やさしい)

 

Halo, selamat siang.「こんにちは」 

INJインドネシア語講師のイワンです。

Apa kabar?「お元気ですか?」

 

今回のブログでは、選挙関連の単語について話をする予定でしたが、選挙というディープな話が続いたので、今回は軽めのトピックに変更します。

 

受講生からよく聞くのは「インドネシア人はどうしてお礼を言わないの?」です。

 

そこで、日本人の知り合いから聞いた話をもとに説明しますね。

 

次は、私と知人の会話です。

 

日本人の知人: どうしてインドネシア人はお礼を言わないの?

イワン   : へえ?どういうこと?

日本人の知人: 何かをもらったら、お礼を言うでしょう?

        もらったのに、お礼を言わないのはモラルがない人でしょう?

        バカにしないでよ!

 

「インドネシア人がそこまでモラルがないと思うなよ!」私は心の中で叫びました。

 

「それはどういう意味?もっと説明して」私は彼女に詳しく話すよう求めました。

 

ある日、ジャカルタ在住の私の知人が日本に一時帰国しました。その後、インドネシアに戻ってから、ご近所のインドネシア人の友人(女性)に日本からのおみやげをあげました。その友人には旦那さんがいます。

 

私の知人は、彼女の旦那さんに会ったことはありますが、あいさつくらいであまり話をしたことがありません。しかし、会ったことがあるので、彼女のおみやげとは別に、旦那さんの分のおみやげも用意して友人に渡しました。

 

「じゃあ、その友達はお土産をもらったのにお礼を言わなかったの?」と私は聞きました。

 

「いや、そうじゃないよ。彼女はもちろんお礼を言ったわ。でもね、私が言いたかったのはその後の話だよ。一週間後にその夫婦と会ったのに、私からおみやげをもらったはずの旦那さんからは、お礼の一言もなかったのよ。それはありえないでしょ」と文句を言いました。

 

「あ、そいうことか?」私はやっと事情がわかりました。

 

インドネシア人はお礼を言わないのではなく、日本人のようにお礼を何度も言いません。つまり、品物をもらった時などに、その場で1回だけお礼を言います。

 

日本人はおみやげをもらったり、おごってもらった時には、当日にお礼を言うのはもちろんですが、「先日はありがとう」など、再度、お礼を言います。しかし、インドネシア人は、当日にお礼を言っても、後日、再度、お礼を言うことはありません。

 

逆に、インドネシア人は、日本人におみやげをあげた後にも、日本人から同じおみやげについて何度もお礼を言われると煩わしく感じます。そして、「おみやげが足りなくて、もっとおみやげがほしいのかな?」と思ってしまいます。

 

「でも、その旦那さんは一回もお礼を言わなかったよ」と私の友人は、またしつこく言いました。

 

「それは、友人のお礼の中に旦那さんの分のお礼も入っているからだよ」と私は答えました。

 

これで、皆さんは日本人とインドネシア人がお礼を言うタイミングの違いについて、もうわかりましたね?日本と違うインドネシアの習慣を理解すれば、これまでの誤解が解けて、インドネシアでの旅行や生活が楽しくなりますよ。

 

では、最後にインドネシア語のお礼の表現を教えましょう。

それは、Terima kasih. [トゥリ マカスィ]です。

 

私は、よく初心者の生徒さんに、お礼の表現は「トウモロコシ」と覚えてくださいと言います。インドネシア人に早口で「トウモロコシ」と言ったら、Terima kasih.と聞こえますよ(笑)

私の授業では、インドネシア語だけではなく、その背景の文化も教えています。日本ではあり得ないけれども、インドネシアではあるあるの話がまだたくさんあります。興味のある方は私の授業に参加してください。お待ちしています!

 

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さあ、私とインドネシア語を勉強しましょう。

Sampai jumpa lagi!

それでは、また!

 

【今回の表現】選挙頻出語(2)golput「白いグループ」

【難易度】中級 ★★☆(少し難しい)

 

Halo, selamat siang.「こんにちは」 

INJインドネシア語講師のイワンです。

Apa kabarnya?「お元気ですか?」

 

前回の【イワンのらくらくインドネシア語63】では、中休みでインドネシア語とマレーシア語の会話について書きました。

 

今回は、【イワンのらくらくインドネシア語62】に続いて、選挙頻出語について説明します。選挙頻出語の mencoblos の意味とインドネシアでの投票のやり方はもうわかりましたね。まだ読んでいない方は、先に【イワンのらくらくインドネシア語62】を読んでください。

 

インターネットのニュースなどの選挙関連の記事を読むとよく目にするのが golput 「白いグループ」です。「白いグループってどんな人たち?」と疑問に思った人は多いことでしょう。

 

次のポスターを見てください。

 

 

Golput bukan solusi. Ayo memilih! と書いてありますね。

 

この文の各単語の意味は、次の通りです。

 

golput = golongan putih   「白いグループ」の略語

solusi                        解決策

memilih         選ぶ

 

文の意味は、次のようになります。

 

Golput bukan solusi.  白いグループは解決策でありません。

Ayo memilih!     選びましょう!

 

選挙なので、Ayo memilih!「選びましょう!」は「投票しましょう!」という意味です。

 

では、golput(= golongan putih)「白いグループ」とは、どのようなグループでしょうか?

 

日本のように候補者の名前を書くという投票方法であれば、何も書かずに kertas putih「白紙」を出すので putih「白」という単語を使うのは自然です。しかし、インドネシアの投票方法は、名前を書くのではなく写真に穴をあけるので、 putih「白」 や kertas putih「白紙」とは関係ないですね。では、なぜ golongan putih「白いグループ」なのでしょうか?

 

インドネシアの golongan putih「白いグループ」 とは、投票所に行かない人、または、投票所に行くけれども、投票はせずにそのまま投票用紙を投票箱に入れる人を指します。つまり、投票権を放棄する人のことです。2024年の大統領選挙と総選挙では、この golongan putih「白いグループ」は20%くらいいました。

 

では、なぜ putih「白」という単語が使われているでしょうか?

 

実は、1971年の選挙から golongan putih「白いグループ」という運動が知られ始めました。当時の政府に不満を抱き、不正選挙を疑う学生たちや活動家たちが、国民に選挙に参加しないようにと呼びかけたのです。

 

しかし、投票所に行かないと、自分の投票用紙が不正に使われる心配があります。そこで、彼らは投票所へ行って投票用紙に穴をあけましたが、穴をあけたのは候補者の写真と写真の間の白い部分でした。穴をあけることで、その用紙の不正使用を防止すると共に、どの候補者にも票を投じることなく、投票を放棄するという意味にもなるからです。

 

このため、投票用紙の白い部分に釘を刺した人たちは golongan putih 「白いグループ」と呼ばれるようになりました。そして、現在では、golongan putih「白いグループ」は、投票用紙の白い部分に釘を刺した人たちのみならず、投票権を放棄する全ての人を指すようになりました。

 

そこで、政府は「投票しないのは政治問題の解決策ではない。投票しましょう!」と国民に呼びかけているのです。

 

これで、選挙頻出語である mencoblos golongan putih の意味やその背景はわかりましたね。

 

今後、インターネットの選挙関連の記事を読んだら、前回と今回のブログで説明した mencoblos golongan putih の単語を探してみてください。

 

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現在、INJカルチャーセンターではグループレッスンは、通学、オンラインの両方で行っています。最近は、首都圏以外の地方の方、インドネシアやシンガポールなど国外在住の受講生が増えています。

今回のブログのように、講座では、日本人が苦手なわかりにくい部分も詳しく説明しています。レベルや目的に合った講座で勉強して、インドネシア語がどんどん上達するようにがんばりましょう!

https://www.indonesia.co.jp/lesson/group/

 

Ayo, belajar bahasa Indonesia bersama saya.

さあ、私とインドネシア語を勉強しましょう。

Sampai jumpa lagi!

それでは、また!

 

【次回の予告】

 

次回のブログでは「刺す」という意味を持つ mencoblos と menusuk の違いについて書きます。お楽しみに!