【今回の表現】Anda mau dicobaはどうしてダメ?
【難易度】中級 ★★☆(やや難しい)
Halo, selamat siang.「こんにちは」
INJインドネシア語講師のイワンです。
Apa kabarnya?「お元気ですか?」
『らくらくインドネシア語初級』テキストで、果物屋での会話を教えた時のことです。
会話練習をした時に、次の似ている表現について受講生から質問がありました。
その会話の一部を抜粋します。
果物売り : Ini durian. Mau dicoba?
客A : Saya tidak suka durian. Baunya terlalu tajam.
客B : Tapi rasanya enak sekali. Barangkali Ibu mau coba?
果物売り : これはドリアンです。試してみますか?
客A : 私はドリアンが好きではありません。においがきつくて。
客B : でも、味はとてもおいしいよ。奥さん、試してみませんか?
受講生の質問は、上記の Mau dicoba? と Mau coba? の違いについてです。
両方とも意味はほぼ同じで、「試してみますか?」となります。
Mau dicoba? は果物売りのセリフで、Mau coba? は友だちのセリフです。
Mau coba? より Mau dicoba? の方が丁寧です。
dicoba は coba(mencoba の省略形)の受動態で、より丁寧に表現したいときに使います。
ほかにも、次のような丁寧な表現の受動態があります。
Silakan dimakan. *Silakan makan.より丁寧
どうぞ召し上がってください。
Tolong dibaca. *Tolong baca.より丁寧
読んでください。
日本語も「どちらに行かれますか?」のような受動態(受け身の表現)を使うとより丁寧になりますね。インドネシア語も同じです。
ただし、客Bのセリフをより丁寧にしたくても受動態に変えることができません。
たとえば、Barangkali Ibu mau dicoba? はまちがった文になります。
客Bは客Aの友だちなので丁寧に話さなくてもよいのですが、たとえば、そのセリフが果物屋さんのセリフであったとしても、受動態にすることはできません。なぜでしょうか?
それは、主語の Ibu があるからです。
受動態なので、主語がIbuの場合、「Ibuが試したい」のではなく「Ibuが試されたい」となるので、変な文になります。
受動態にするなら、主語(文法では「動作主」)のIbuではなく、目的語(文法では「被動作主」)を文頭に置かないといけませんね
【練習問題】
それでは、受動態を使って次の文をインドネシア語に訳してみましょう。
1. どうぞ持って行ってください。
2. よく保管してください。
【練習問題の解説】
まず、単語を調べましょう。< >内は語幹です。
どうぞ silakan
持って行く membawa <bawa>
よく dengan baik
保管する menyimpan <simpan>
それから、能動態の membawa と menyimpan を受動態にします。
能動態を受動態にするには、私が書いた『快速マスターインドネシア語』の174ページをご覧ください。
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Ayo, belajar bahasa Indonesia bersama saya.
さあ、私とインドネシア語を勉強しましょう。
Sampai jumpa lagi!
それでは、また!
【練習問題の解答】
1. どうぞ持って行ってください。
Silakan dibawa.
2. よく保管してください。
Tolong disimpan dengan baik.
【次回の予告】
次回は、日本人がよく間違える表現について書きます。
日本語を話す外国人に「日本語が上手ですね」とほめたことはありますか?
実は、その表現をインドネシア語に直訳できないことは知っていますか?
なぜできないのかは、次回のブログで。
お楽しみに!