訃報・稲川素子事務所との思い出? | インド・アラビア雑貨と民族衣装店ジジ!(へナ&ジャグアARTスクール主催)

インド・アラビア雑貨と民族衣装店ジジ!(へナ&ジャグアARTスクール主催)

東京の神楽坂にて、インド・アラビア民族衣装と雑貨レンタル専門店+メヘンディ(ヘナ)アート/ジャグアタトゥのスクールを営む店主のブログ。衣装や雑貨は、CM、TV、映画、PV、雑誌などで実績多数。

こんにちは、こんばんは。

 

外国人タレント事務所の走りである、六本木の稲川素子事務所の社長さんが、心不全で亡くなられたそうです。もう90歳だったんですね!

いつ亡くなってもおかしくない年齢ではありますが、最近の様子を知らずで、驚きました。
コロナ期間中は、すっかり撮影関係の仕事が止まってしまっていましたからね。

 

私がインド・アラブ系の衣装屋として、TVや製作会社さんに衣装を貸し出してる関係で、

10数年前から、撮影現場で、よく外国人タレントさんとご一緒することがありました。
今は、日本語の堪能な外国人が、社長となって派遣会社を立ち上げてるケースも多いですが、昔は、そんな業態の会社は無かったのです。


外国人に特化したタレント事務所というのは、すごく良いところに目をつけたと思います。

先見の明がありましたね!

 

ただ、芸能界は、個人事務所の多い業界で、契約も口約束が多いし、入金も遅い。

クライアントからの入金は、早くて3ヶ月、普通は6ヵ月とかなので、トラブルになりやすい。

特に外国人だと、急に帰国する場合もあり、それなのに清算は終わっていなくて、どうすんだ?みたいなトラブルが多く、間に入って、事務所は大変だったと思います。

この手のトラブルは、外国人スタッフさんからも非常によく聞きましたが、仕方が無いんですよね、お給料をタレントに払うのは、芸能事務所だけど、そもそも、業界の慣習で、事務所への入金が遅いもんだから。。。

クライアント→メディア→制作会社→芸能事務所→タレント、だからさ。^^;

 

あと、仕事をちゃんと約束通りしない外国人もいて、後でトラブルになると、そのリスクは事務所が負うので、すごくリスキー。私も一度経験ありますが、CMの撮影現場に、主役が来ないんですよ。

でも、制作陣は、撮影スタジオを押さえてあるし、カメラマンもディレクターもメイクも、他のキャストも、スタンバイしてるわけです。ただ、主役だけ来ないんです。それで、撮影がパーに!

この場合、主役のギャラどころか、終日分の人件費と場所代などの赤字を、事務所が背負う事になります。

とんでもないリスクですが、キャストを手配するというのは、そういうリスクを負います。

だから、芸能事務所というのは、タレントと取り分を折半にして利益を取らないと、いざって時の損害賠償が半端無いですからね!

そして、日本人のタレント事務所より、正直、外国人の方がかなり大変だと思います。外国人キャスト衣装手配外国人キャスト衣装手配

 

でもきっと、やり甲斐があって、楽しい人生だったことでしょう。

日本のバブル期に創業されていますから、時代の勢いも感じていたんじゃないですかね。

もう一度、そういう日本に戻って欲しいと、思っていたんじゃないのかなー。

 

ーご冥福をお祈りします!